徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

はなつばきの夢

2020-03-07 18:37:27 | 友人・知人
 会社時代からの友が旅立った。12年前に病に倒れ、以来長い闘病生活が続いていた。
 思い返せば、1995年の秋、会社で人事を担当していた僕のところへ彼が早期退職の相談に来たのが彼との縁の始まりだった。翌年、彼は会社を辞め玉名で念願の料亭を開店した。彼はまだ横浜に勤務していた頃から将来の起業を夢見て料理の腕を磨いていた。類まれな料理センスと田村魚菜先生に薫陶を受けた確かな腕が道を開いた。それから12年、経営的には大変な時期もあったと思うが、ご家族のバックアップとチームワークで着実にファンを増やし、料亭の経営も軌道に乗って来たある日、突然病魔が彼を襲った。志半ばで閉店せざるを得なくなったことは無念だったに違いない。しかし、彼が目指した家庭的な料亭のスタイルは、新しいビジネスモデルを提示してくれたと思う。料亭経営の12年間、そしてその後の闘病の12年間にあらためて敬意を表するとともに心から労いたいと思う。本当にお疲れさま。どうぞゆっくりお休みください。
 また、永きにわたり彼を支え、さらには看病につとめて来られた奥さまおよびお嬢さまがた、本当にお疲れさまでした。


料亭「はなつばき」を開店した頃