徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ひな飾りと春の夜の夢

2020-03-03 20:43:13 | 日本文化
   或夜夢に雛娶りけり白い酒(漱石 明治30年)

 これは漱石が熊本時代に詠んだ一句。春の夜にうたた寝をして「雛(ひな)」(仲春の季語)を娶る夢を見たのは供物の甘酒のせい?。てな感じの句。何やら怪しく幻想的な句である。つい「夢十夜」の「こんな夢を見た。」という書き出しを思い出す。この14年後、漱石の五女・雛子(ひなこ)はわずか1歳半で急逝する。





2014年4月6日 水前寺成趣園能楽殿 水前寺まつり