そして四月 もう朝起きるのが楽しくてしかたありません 1日になんども なんども ぐる ぐる ぐる ぐる 雑木林を回ります カタクリ イチゲ ツボスミレ もうすぐ 咲きそうです 甘いつゆのことを思うと 口の中が ジッワーとしてきます
さあて もうひとつ コッピーが いつも身につけているものがあります それは トチノミボトル です コッピーのたべものは 葉っぱや草 そして そして 花や木の実につく つゆです だから トチノミボトルに つゆをあつめてあるくのです
角は木質なので かけたり おれたりすると 成長がとまって 根元から ポロリと落ちてしまいます すると そこから体につまっていた 自然のエネルギーが スーウと抜けて 元のつゆに もでってしまうのです だから 風の強い日 雨や雪の日 そして夜 寝る時には 大切な角を 守るため ナガーイ ナガーイ マフラーつきの三角ぼうしをかぶるのです
うまれたばかりのコッピーも 大人と同じ姿をしています 男女の区別も ありません 先輩だからとか 力がつよいとかいつて いばる者はだれもいません みんないっしょ 平等なのです でも だだ1つだけ ちいがあります うまれたばかりのコッピーには 角がありません 角は1年に1mmのびるので 11cmの角を持つものは10才 5cmは50才 10cmはなんと100才 といったように
今まで静かだった林が ザワザワしはひめました 気がつくと数匹のコッピーが 新しい命の誕生を息をひそめて 見守っていたのです コッピーが生まれるには 5つの条件が そろわなくてはなりません 里山の雑木林であること たくさんの鳥や虫が住んでいること いろんなしゅるいの木や花があること そうして晴れた満月の夜であること この1つでも欠けると コッピーはうまれることができません
山の
ふもとの雑木林 空には たくさんの星が輝き まんまるなお月様が 林の中を 明るく照らしています 今まで 梢の上で吹いてた風が 一瞬ピタリとやみました その時です コナラの枝先に 小さなつゆが うまれました
ふもとの雑木林 空には たくさんの星が輝き まんまるなお月様が 林の中を 明るく照らしています 今まで 梢の上で吹いてた風が 一瞬ピタリとやみました その時です コナラの枝先に 小さなつゆが うまれました