続いては、甲斐さんが出演なさった「SWITCHインタビュー」に関する投稿…
「オンエア前に番組予告を観て、甲斐さんの会いたい人が中井貴一さんというのは
少し意外な気がしましたが、番組を観て納得
真っ直ぐ一本スジの通った、ユーモアたっぷりの、そして、お話のとてもお上手な方でした
デビューなさった頃から『好青年』の印象が強く、お育ちの良さも相まって
『正統派だ!』と勝手に思っていたんですが
『じゃない方』をあえて選んで来られたというご発言にビックリ!
全く対照的に見えるお二人に共通点が多く、ステキな発見でした
前半と後半で、インタビュアーが交代するこの番組
普段、インタビューされることはあっても、する側に回られることは、まずないであろう甲斐さん
『大丈夫かなあ?』『中井さんのお話、最後まで聞くんやで』
『話の途中でカブセたらアカンで』…なんて、失礼なことを思いながら
ドキドキしておりましたが、そんな心配は無用でした」
…と、甲斐さんが読まれる内容に、いちいち「うん、うん」と頷いていた奥さん
「カブセたらアカンで」との言葉は、自分も番組視聴中に口にしていたものでクスクス(笑)
ただ、投稿者の方とは違って「やっぱりカブセ気味になってたけどね(笑)」と申しておりました(笑)
ともあれ…「話の聞き出し方、進行、全てメチャクチャお上手でビックリ!
事前に書かれたと思われる白い紙を手にされた甲斐さんの本気度、画面越しにしっかり伝わりました
中井さん、すごく気持ち良さそうに、饒舌にお話されてましたね
楽しく、あっという間の1時間でした
分野は違うとはいえ、それぞれの道で輝いているお二人の話は、やはり心に刺さりました」
…と読み終えられ「…ということで、これ、あの…何を紙…
あの…あの一瞬だけ持ってたんですけど…」と甲斐さん
これは、甲斐さんが「東劇」に赴かれ、そのロビーで、中井さんと対談なさってるシーンで
甲斐さんが、そんなにすごい「中井貴一マニア」という訳じゃないと明かされ
中井さんが「結構、マニアですよ(笑)」と返されたあと
甲斐さんが「自分が出た作品って、どういう風に向き合って、どんな思いで…っていうのって
ナンか…当然おありになりますよね?」と質問なさった際に、まず目線を下に向けていらして
中井さんが、その質問に対して「僕…まあ、役者をやって40年経つんですけど…」
…と、お答えになり始めたトコで、画面が3つに分割され
その一番左側の画面に映る甲斐さんが、膝の上辺りに置いて持っておられた紙のことで
「ナンの紙かと言うと、あの…僕が手にしてたか?
アレね、フランソワ・トリュフォー…フランソワ・トリュフォーが
ヒッチコックにインタビューした『映画術』っていう、こんな分厚い本があるんですよ
そのトリュフォーが、ヒッチコックにインタビューする際に
えー(インタビューを)お願いする手紙と共に、3つの質問っていうのをして…してて
それが、一番最初が『作品…1本の作品がどのように生まれたか?』
で…『1本のシナリオをどのように組み立てて行ったか?』
で…『演出するにあたって、トラブルをどう解決したか?』の3つの質問を
えー、渡してるのね、ヒッチコックに…」と話し始められてましたが
トリュフォーが、ヒッチコックに手紙を送ったきっかけは
トリュフォーが、1962年に「突然、炎のごとく」のプロモーションで、ニューヨークに行った際に
「尊敬する監督は?」と訊かれて「ヒッチコック」と答えたら
インタビュアーが「ご冗談でしょ?(笑)」と言ったことに憤りを覚えたためらしく
「ヒッチコック映画の全てを語って下さい!世界最高の映画作家の全仕事について」
…と、インタビュアーとのやり取りも含めて、ヒッチコックに手紙をしたためると
ヒッチコックも「嬉しくて涙が出た。感謝を込めて…」という返事を寄越したそうで
その2人が、62年、ユニバーサルスタジオの会議室で
8日以上に渡り、テープにして50時間ぶんを語り明かした
その内容をまとめたのが「定本 映画術」(1966年)であり
その「映画術」を題材に、当の音声テープや写真、ヒッチコックを敬愛する10人の映画監督…
(マーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、黒沢清など)…へのインタビューで
構成されたのが、ケント・ジョーンズ監督のドキュメンタリー映画
「ヒッチコック/トリュフォー」(2015年)で
奥さんは劇場、ボクはアマプラで観賞しました
それはともかく…「で、僕、その『映画術』ってのは、もう、もの…
そうですねぇ…10回以上、読んでると思うんですけど
まあ、あの…貴一さんは、えー(監督ではなく)演技者なんで
その3つの質問も…『1本の作品が、どのように生まれたか?』っていうのは書きつつ
2つ目は『1本のシナリオ』っていうのは、演技をね
『演技をどのように組み立てて行ったか?』
(3つ目は)『演技するにあたって、トラブルをどう解決したか?』(…に変えて)
…っていう質問を渡してたんですよ、先に…ハイ
で、まっ、その紙なんですけど、あの時見てたのは…」と甲斐さん
「まあ、あの番組の中身で…『役者は、まず声のトーンを先に決めて演技するんだ』
…っていうのを、僕は、実は船越英一郎から聞かされて、ビックリしたことがあって(笑)
『そうなんた!?声のトーン決めるんだ!?』って言って
『そこから演技を組み立てて行く』(…と知って)
で、中井さんに『やっぱ、そうなんですか?』って訊いたら
『イヤ、全くその通りです』と…」と、おっしゃったみたいですが
その「確認」のシーンの代わりに…中井さんが、40年のキャリアを重ねられても
「まだ、初日の前って、眠れない…んです
それは、何が一番、その眠れないってことの緊張に起因してるのか?って言うと
その次の日の第一声で、その映画1本の声のトーンが決まるからなんです
ですから、そのセリフの最初に話す声のトーンだったり、話し方だったりを…
やっぱり、僕たちの仕事って正解がないので、ギリギリまで迷うんですね
だから、一番…どこかで恐怖感を覚えるっていうのが、第一声なのかも知れないですね」
…と語っていらしたシーンが流れてましたよね?
で…「吉岡秀隆も、こないだ、メシ食ったんですけど
吉岡くんもやっぱり『全くその通りです』と…
で、(共演)相手からのセリフの本読みする時はもう
『棒読みでやってくれた方が、僕らはやりやすいんですよ』とか、そういうの聴いてたんで…」
…と、さすがの交遊関係の広さを物語るエピソードに続き
「まっ、無事に…ナンか形に…まあでも、NHKはやっぱり…ねぇ?編集スゴイですよねぇ!
『どれだけやったんだ!?』っていうくらいの感じ…だって、12月に撮ってる訳ですから…
NHKのプロデューサーの方にも、あのー、まあ、メール渡したんですけど
ホントに、あの…力がある番組になってたんで…ホントにこう…ありがたいなと思って
やった甲斐があったという感じがしますね、ハイ」
…と、本来2回に分けて撮影するところを、コロナ禍のために
「中井さんと1日中べったりっていう感じ」で
てっぺん過ぎまで収録なさった(汗)というご苦労が報われた?
…と思えるような出来映えに、大層ご満足気なご様子でしたが
奥さんは、その編集過程でボツになった部分を集めた
「未公開シーンスペシャルはないのかなあ?」と…(笑)
…って「Aスタジオ」じゃないんだから(笑)