今回は、令和どころか昭和57年…って判りにくいかな?(笑)
1982年4月の甲斐バンド機関紙「BEATNIK」に掲載されていた
「お尻に汗が1㍑」という高橋竜一さんのコラムからです
「『ダンナの産休』と、スポーツ新聞に書かれたとか…もちろん甲斐よしひろのことである」
…と、甲斐さんの結婚発表記者会見に関する記事なんだけど
「もし、ロックシンガーが妻のお産のために
活動を休止したとしたら、どうだと言うんだ
尊敬こそされてしかるべき行動だとは言えないか」との一文を読んで
そうか!甲斐さんは、業界初のイクメンだったんだ!と…(笑)
ともあれ…「どうやら、この世の中にはいまだに
『カッコイイことは、なんてカッコワルイんだろう』式の価値観がはびこっているようだ
10年前と少しも変わっていない価値観…
『カッコイイことは、カッコワルイ』の反対が
『カッコワルイことが、カッコイイ』のなら、まだ救われる
ところが『カッコワルイことも、カッコワルイ』とする全否定の態度が
大衆の心の片隅に残っているのだ
ダンナが、妻のお産のために仕事を休むことがカッコイイ…とされる現代とは、なんだ?
~(中略)~
男にとっても、女にとっても、カッコワルイの承知で子供を生むのだ
『ダンナの産休で、ニョーボウもサンキュー』ぐらいのシャレが欲しい」(笑)
…と続いていて、この記事から40年近く経った今
ようやくその「現代」が到来したのかとしみじみ…(苦笑)
でも、考えてみれば、甲斐さんって「1年に1回はマジメに泣くよ」とおっしゃったり
「男の弱さや脆さ」を曲になさったり
当時の「男」の概念からは「カッコワルイ」ことを、カッコよく実践されてましたよね?(笑)
ただ、やっと時代が甲斐さんに追いつき(笑)
男性の育休が認められるようになったとはいえ
現状は「育休中の夫に、妻がっかり」らしく(汗)
…って、奥様の出産中に浮気していた元イクメン議員(汗)ほどではないようですが
「上の子を保育園に送ることくらい」で「お昼ごはんまだ?」とか(苦笑)
「食器を食洗機に入れただけなのに『やってやってる』感がスゴイ」とか(苦笑)
「『会社に迷惑かけてるから』と育休中に入る仕事を積極的に引き受ける」等々
「取るだけ育休」の方多数…(汗)
厚労省によれば、育休に関する相談は「取得が出来ない」
「復帰後はパートになってと言われた」というのが大半で
「労働者が自発的に働いてしまうと、問題が表面化して来ない」と担当者の方
ご主人たちが働いてしまうのは
「『育休でも家のことは妻がやっているはず』という暗黙の了解がまだ世間にある」ことで
ご主人たち自身も「世間が求める『男らしさ』の弊害を感じ」たり
「妻に責められると『育児やって仕事もやって
ナンで怒られなきゃいけないのか』という気持ちになる」みたいだけど
「夫の家事・育児がどれだけ出来ているかより
育休中の生活について夫婦で話し合うこと」で、お互いの育休の満足度が高まり
「夫の育休に満足した人は、育休後も妻の負担が軽くなる傾向がある」そうなので
まずは「しっかり向き合うこと」が肝心みたいです
そういえば、甲斐さんは「1回もオムツを替えたことがない」と自慢?なさっていたし(笑)
家事もほとんど手伝われることがないようだし
産休中にステージに立たれることはなかったにしろ、アルバム制作に励んでいらした訳で
そういう意味では、いわゆる「イクメン」じゃなかったかも知れませんが
夫婦や家族のことをしっかりと話し合われる方だったんでしょうね?
続いては…「女性をめぐる表現が、SNSなどで『炎上』した
企業広告の問題点」を取り上げたコラムをご紹介します
その①は「既婚・子持ちの働く女性をターゲットにした」女性誌のPRで
「『ママに見えない』が最高のほめ言葉」
「働く女は、結局中身、オスである」「ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!」
「今さらモテても迷惑なだけ」…といったコピーを連ねたところ
「なぜオスと言われなくてはいけないのか」などと批判が殺到(汗)
「『働く女性 = 男だ』という表現には
『女性は働かないものである』『働くのは男性である』
『働く女は女じゃない』という決めつけ」が感じられると反発を招いたとのことですが
ジェンダー問題や企業広告に詳しいジャーナリストの治部れんげさんによれば
この広告は、雑誌側の「編集方針の範囲であり自由」なんだとか…
もちろん「広告を見た側が『これは嫌だ』『私は好き』などと言うのも自由」だけど
「『嫌だ』と意見を言う人に対して『表現の自由だ』と反論する」のは
「憲法が保障する表現の自由」の意味…
「国民の自由な意見表明を国家が妨げない」…において相当しないそうです
その②は「女の子って楽しい」というバレンタイン用の広告
表面で仲良くプレゼントの箱を開けている5人の女性が
裏面ではスカートをつまんだり、髪の毛を引っ張ったりする様子が描かれていて
「女は陰湿」という考えが透けて見えると批判が続出したらしく(汗)
治部さんは「これが雑誌の読者投稿欄にあれば
『あるある』で済んだと思います
読者が自分の経験を描写していることになりますから…
でも、企業が顧客である女性たちの友人関係を『女性の友情なんて薄っぺらだ』と
『勝手に決めつけている』構図に問題があります
だから『顧客をバカにしている』と受け止められたのです」とおっしゃっていて
確かにボクの中にも「男の友情」に比べると、女性同士は…
といったイメージがあり、深く反省した次第です(汗)
その③は、女性がクリームパイをぶつけられている写真に
「女の時代、なんていらない?」というコピーが添えられた壁面広告
広報担当者は「女性を応援したいという思いを込めた」としているものの
コピーもパイも不快感を煽っただけだったらしい(汗)
更に「女だから、強要される。女だから、無視される。女だから、減点される」
「女であることの生きづらさが報道され、そのたびに『女の時代』は遠ざかる」
「活躍だ、進出だともてはやされるだけの『女の時代』なら、永久に来なくていい」
…などのコピーも添えられていて、東京医大入試での女性差別や
財務事務次官のセクハラ問題などを連想させる上に
「『報道され』というコピーは『女性の困難を言い立てるから
女性が活躍出来なくなる』とも受け取れます」と治部さん
「『時代の中心に、男も女もない』という一文は、おそらく『私は実力で勝ちたい』
『女性活躍だってゲタを履かされるのは嫌だ』という女性に向けての言葉でしょう
こういうメッセージを受け取めて『この広告すてきだね』という女性も沢山います
ただ、これを個人が言うならいいんですが、企業が言うと
『生きづらさはあるけれど、個人で頑張って下さいね』となってしまう
これはいわゆる『誰が言うか問題』
女性差別という社会的不正義の本来の解決策としては社会が変わるしかない
なのに途中から『個人が頑張って解決しましょう』という自己責任論になっています
新しい価値観が評価される時代なのに
問題の多い現状を追認するような広告を出している企業は
戦略やマーケティングに必要な情報収集が不足していると言わざるを得ません」
…と、その②にも増して、企業側の姿勢を問題視なさってます
そして、その④は、子育て支援アプリ「こぺ」の宣伝サイトで
「パパのためのママの気持ち翻訳」と題し
「妻が怒った時の言動と、その『本心』を解説した」ことが「女性蔑視」との批判を呼んだ件
「男性脳と女性脳では回路の形や信号の種類が違う」という観点から
「妻のトリセツ」を著された黒川伊保子さんが監修なさったそうですが
「『夫婦間のコミュニケーションギャップを改善したい』という
広告の意図自体は善意です」と治部さん
ただ「これするの大変なんだからね!」と怒る妻の本心は「感謝してね」だなど
「妻がなぜ夫に怒っているのか、根本的な理由を理解していないように見える」こと
「元々、女性に家事や育児の負担が偏っているという社会構図に言及せず
『脳が男女で違うから』というところに解決を求めている」こと
その「『脳が男女で違う』というのも科学的根拠は薄いとされていて
男性だって感情でモノを言う人は多いのに
まだ『女性は感情的だ』と言われる」ことを指摘なさっていて
「男と女は判り合えないからこそ惹かれ合うんだろう」
…などと納得していた身には、とても耳が痛い話でした(苦笑)
でも、甲斐さんも「男と女は本当のところでは判り合えないから
女の人に対する思いというのは、最後は祈りみたいなもんだと思うんです
いくら沢山の言葉を投げつけて説明しても
納得させようとしても出来ないものは出来ないでしょ
だから俺は祈るわけね、信じたいから…」とおっしゃってましたよねぇ?(苦笑)
だから俺は祈るわけね、信じたいから…」とおっしゃってましたよねぇ?(苦笑)