我が家の購読紙に、各界の著名人の皆さんが
大切になさっているものを紹介するコラムがあるんですが
例えば、甲斐バンドフリークでいらっしゃる作家の今野敏さんは
「2日前についたばかりなんですよ」という
カナダの携帯会社のスマホ「ブラックベリー」を挙げられ
「パソコンみたいなキーボードの『ポチポチ感』が良いですね
画面にタッチするスマホの仮想キーボードより、打ち間違いは少ないんですよ
こんな便利なのに、なぜみんな使わないのかと思います」と宣伝マンよろしく話されてます(笑)
元々、フィンランドの携帯電話「ノキア」のファンで
「みんながガラケーだった時に使って」いらしたのが
「数年前からノキアが、キーボード付きを出さなくなったので、ブラックベリーに変えた」とのことだけど
「日本とロシアで沖縄空手の道場を主宰しているのですが、それとも共通点がありますね
マイノリティのプライドみたいな…」という言葉に
「あ、甲斐バンドが好きなのも…?」と奥さん(苦笑)
でも、最後に「これからもずっと使って行きたいです」とおっしゃってるし
「これだ!」と思われたものを、ずっと変わらず愛し続けられる方なんじゃないかと…?(笑)
続いては…「帽子とサングラス、ステッキ、ビーチサンダル、マニキュア・ペディキュアの
5点セットが俺の『THE BEST!』」(笑)とおっしゃる俳優の吹越満さん
「仕事で衣装に着替えると平気なのに
普段は帽子とサングラスがないと外を真っ直ぐ歩けない。なんか不安になるんです
でも逆に目立つでしょ?そういう意味ではおかしいんですけど、人が近寄って来なくなる
満員電車に乗ったら、ざっとよけるもんね
あまのじゃくな性格で、あんまり誰もやってないっていうのがポイントです」と話されていて
奥さんが吹越さんを好きな理由が判るような気が…(笑)
「冷たい熱帯魚」「ホワイトアウト」から「殴る女」「特捜9」まで
様々な役柄を演じ分けることがお出来になるのは
「俳優って普通、お化粧して仕事が始まるのに
(マニキュアなどを)取るところから始まる
俺ね、仕事ん時がオフで、普段がオンじゃねぇかと思う」
「『絶対こうじゃなきゃ』って信念があると
役で別のキャラクターになる時に、切り替えが必要な訳でしょう?
でも、それが、僕にはないんですよ」と話されているように
吹越さんにとってのお仕事モードが
ギアをニュートラルに入れられることから始まるからかなあと…?
ちなみに…奥さんは「殴る女」を録画したビデオテープがボロボロになるほどリピートし(笑)
音声を消して映像だけ映しても、全ての登場人物のセリフをアフレコ出来ると豪語してました(笑)
ステイホームの間、オンデマンドで流してくれないか?と期待したみたいですが
残念ながら、オンエア当時の視聴率が芳しくなかった作品なので(苦笑)
…って、吹越さんは「ザ・テレビジョン ドラマアカデミー賞」で助演男優賞を受賞されたし
ミスチルの主題歌「終わりなき旅」はミリオンセラーだったのになあ…(苦笑)
それはともかく…作曲家の千住明さんの「THE BEST!」は
「30年近く前から東京の五線紙メーカーにお願いしている」という
「A3判の縦型(36段)と横型(24段)の2種類」の五線紙で
「五線の間隔や余白、紙の厚さなど職人技」なんだとか…
「譜面(ふづら)」という「五線紙の面構え」を整えられるために
「太さの違うシャープペンシルを使い分け、綺麗に書くことを意識」なさっているのは
譜面には「『音楽』としてだけでなく『美術』としての要素もある」からだそうですが
その作曲のプロセスは「まず、五線紙にメモ書きしながら『種』をまく
締め切りに向け、それを『熟成』させて行く
頃合いを見計らって、それを取り出し
最終的にベストな作品に仕上げます」と千住さん
「これまでクラシックだけでなく、ドラマや映画など、映像音楽に多く関わって」来られ
「わかりやすい音楽」を意識して携わられたものの
「これからは『自分のための音楽』『自分にしか出来ない音楽』を創って行きたい」
…と、おっしゃっていて、ちょうど「エール」の裕一さんが
その「わかりやすい音楽」を意識し始めたシーンと重なりました(笑)
ただ、千住さんが「ずっと楽譜を書いていると、腱鞘炎と老眼になる
作曲はパソコンですることが多くなりました」と話されているのに対し
同じく作曲家の宮川彬良さんは「ほとんどの作曲家が
コンピューターと専用ソフトで曲を紡ぐ中、僕はずっと手書きです
国内で3人くらいしかいないんじゃないかな」とおっしゃっていて
それに欠かせないのが、ドイツ・ステッドラー社の製図用シャープペンシル
「MARS MICROGRAPHF 77019」だそうで
そもそもは、20歳の頃に、お母様のペン皿に置いてあったのを
「すごく手になじむ」ということで譲り受けられたみたいだけど
「30歳を過ぎた頃かな、何度目かの買い替えの時
製造中止になったと知らされて、ショックで…
これでないと書けなくなっていたから」と宮川さん
大手の文房具屋さんに相談なさると、全国のお店に連絡をして
在庫の30本をかき集めて下さったんだとか…
ただ…「あまり壊れはしないんだけど、失くすんです
スタジオで録音中に別の作業を始めて、忘れて来てしまう」らしく
今お使いのものを含めて、残りは2本…(苦笑)
でも、宮川さんは「なくなったら?…ご縁を信じていますから…
これだって、なぜ母が製図用シャーペンを持っていたか判らないのに出会った
必ず次のご縁がありますよ」と思っておられるようだけど
そのお母様のペン皿に置いてあった初代のシャーペンというのは
お父様ご愛用のものだったってことはないんでしょうか?(笑)
だって、きっとお父様も手書き派でいらしたと思うし…?(笑)
ちなみに、千住さんが話されていた「譜面」については…
「僕ら作曲家は、曲を書くのではなく、聞こえて来る音を写し取る
ほとばしる音を忘れない内に書き写さないといけない。勢いが大切なんです
楽譜の全体の印象を譜面と言いますが
音符の空き加減とか密度とか、譜面がカッコいい絵に仕上がったら、必ず良い曲になる」
…と話されていて、じゃあ、かの宮川泰さんが「HERO」について
「リフレインの歌詞(HERO~お前を離しはしない)は
小気味よく歌詞のアクセントとメロディがリズムに支えられ
一度聞いたら忘れられない完璧な出来ばえ
…にも関わらず『今が過去になる前に』は
『カコーになるマエーに』と、私も初見で一発では歌えなかった
前者の整然さと後者の乱暴さとの落差の大きさ」に驚いたとか
「『安奈』の『あんなー』は人名にも関わらず『あのなー』という呼びかけにも聞こえるし
前者の整然さと後者の乱暴さとの落差の大きさ」に驚いたとか
「『安奈』の『あんなー』は人名にも関わらず『あのなー』という呼びかけにも聞こえるし
また『あのような』の意の『あんなー』とも取れる
この辺の曖昧さこそが、過去の常識、しきたり、約束ごとなど無視して
感覚だけで作る当世風の新手法なのかも知れない
感覚だけで作る当世風の新手法なのかも知れない
私なら『あん』を高く『なー』を低く作るだろう
これなら正しいアクセントになるのだが、魅力半減は否めない
また『お前の愛の灯は』のメロディにはゾッコンの参りようで、秩序と無秩序の同居
ある時は理性と教養で理論的、合理的
また、ある時はみずみずしき感性と奔放な表現に流されることなく
マイペースの曲作りの甲斐君、ガッツで駆けろ」…と評されたということは
プロの作曲家の目には、かなり変わった「譜面」に映ったのかなあと…?(笑)