ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

可愛い子には旅を…2

2016-03-24 07:23:00 | 日記
前回の記事でご紹介した萩尾望都さんの「福島ドライブ」や
栗本薫さんの「ポップコーンをほおばって」のように
甲斐さんの「可愛い子」をきっかけに誕生した作品も多々あるんでしょうが

何かクリエイティブな才能に恵まれておられる方ならいざ知らず
多くの方にとっては、ご自分の好きなアーティストの曲
もしくは好きな曲の「産みの親」として
「甲斐よしひろ」や「甲斐バンド」に興味を持たれるという流れが
主流なんじゃないかと…?

まあ、奥さんが甲斐さんのカバーされた【サルビアの花】を聴いて
早川義夫さんやジャックスの曲に手を伸ばすみたいな…(笑)

松田聖子さんのファンでいらした小錦さんが
現役時代、雑誌の取材で「いつも聴いてる曲は?」との質問に
「松田聖子と甲斐よしひろ」と答えておられたんだけど

「松田聖子と甲斐バンド」じゃなく「甲斐よしひろ」とおっしゃったのは
おそらく?その「流れ」でしょうね(笑)
ちなみに、甲斐さんもこの記事をご覧になっていたらしく
「思わず見てしまいましたねぇ
正直言って嬉しかったなぁ」と話されてたそうです(笑)

大瀧詠一さんが、聖子さんに提供なさった【風立ちぬ】も
「DEBUT AGAIN」に収録されてるんですが
このセルフカバー音源は、渋谷公会堂で行われた
「ヘッドホン・コンサート」のもので

観客の方は、入場時に貸与されたFMウォークマンで受信した
演奏音源を聴くという実験的なスタイルのコンサートだったこともあってか

「今日歌ったら、一生、二度と歌うことはないだろうという歌を
やってみようと思います」と大瀧さん(笑)
歌の途中で、大瀧さんが笑いをこらえておられるような部分も…(笑)
松本隆さんの歌詞があまりに可愛いくて(笑)
照れくさく思われたのかも知れません(笑)

甲斐さんも【ハートをROCK!】を歌われる際には
少し歌詞を変えていらっしゃいますけど(笑)
1度ならず、ライブでお歌いになっておられるし
去年の名古屋でのクリスマス・ライブで
「今後一生、二度とやることはない」とおっしゃった曲よりは
ハードルが低いってことでしょうか?(笑)

それはさておき…以前にも触れましたが
甲斐さんによると…「ひとりのシンガーがさ、10年、15年歌ってたとしたら
「来た来た」って「歌を歌う自分」を感じられるのは1回か2回だね」

「物凄くてめえ自身がシビアにならざるを得ない時っていうか
てめえ自身が最高のボルテージなんだっていう感じで作った歌
俺の場合、それが【漂泊者】だった訳なんだけど
それでもね、聴く側はやっぱり「ただの歌」としか聴かないからね」

「色んな人の心に残る流行り歌ね…
それはやっぱり、その時の時代のタイミングと
リアリティーのある、なし、で決まるんだろうね
信じさせたり、信じ込ませたりするリアリティー。これなんだよね」

「ただ、そういう歌を作ってる本人は
ハンパじゃなくキツイよね
その時代を取り巻いてる色んな感覚を吸収してさ
最大公約数の無意識っていうもんを
てめえの血と肉を使って表現する訳だからね」

…なので尚更、甲斐さんの方から
その「我が子」を託したいとおっしゃった西田佐知子さんって
ホントにスゴイ歌い手でいらしたんだなあと改めて思います

「ファンだと公言していたら、急に依頼が舞い込んだ」という
【異邦人の夜(シスコナイト)】について
日刊スポーツのコラムに書かれたり
西田さんのご子息・関口知宏さんが
セイヤングに出演なさった時に話されたりしてましたが

「普段だったら、曲を書き上げるとアレンジャーまで指定するんだけど
西田さん相手なので、さすがに向こうにお任せした
レコーディングに立ち会うことになり
遠慮しつつもスタジオにお伺いした」

「初めて会った西田さんは、クレバーさに「ある種の確信」を
ふんわりとした空気で包んでいるといった感じの方で
思った通りの人でした」…って、甲斐さんファンの皆さまには
「あの甲斐さんが?(失礼!)」と驚かれるほどの低姿勢ですよね(笑)

「僕が愛してやまない、ちあきなおみにさえ
確実に影響を与えていると言われてるくらい
今までの日本人にない大きなグルーヴで歌える人」なので

ディレクターの方に「何か一言」と言われても
何度も「大丈夫です」と答えておられたのに
しつこく促されて仕方なく
「いつもの感じで大きいノリでやって下さい」とおっしゃったら
「いきなりスタジオ中に緊張が走り
一挙にピリピリした空気になってしまった」んだとか…(苦笑)

「僕らロックの世界と違って、歌謡界では、作家は大先生なのである
その大先生が吐いた言葉である
重い一言になってしまったという訳だ

普通に歌って下さいというつもりで吐いた言葉だったんだけど
20代半ばの若造に、その場を和らげる知恵はなく
ほうほうの体でフェードアウトさせて貰った」ようですが(苦笑)

関口さんによると…西田さんは、ご自身の最後のシングルとなったこの曲を
大層、気に入っておられたみたいで
ご自宅でもよく口ずさんでいらしたという
このことをお聴きになった甲斐さん
ホントに嬉しそうな声でしたよね(笑)

ちなみに、奥さんがリアルタイムで聴いた西田さんの曲は
【女の意地】だったんだけど(笑)
その後、甲斐さんがラジオで歌われた【東京ブルース】をマスターし(笑)
職場の研修旅行で歌って、年輩の上司の方に
「見所がある(笑)」と可愛がって頂いたらしい(笑)

それはさておき…大瀧さんは自他とも認める
大の小林旭さんファンでいらっしゃいましたが
その小林さんが、大瀧さんの追悼番組の中で…

【熱き心に】のレコーディング作業終了後に
大瀧さんが、ついさっきまで小林さんが歌入れをなさっていた
ボーカル・ブースに入られ、同じマイクで歌われていた(笑)

…というエピソードを披露されてたんだけど
奥さんの甲斐さんに対するのと同じようなファン心理に
思わずクスッと笑ってしまいました(笑)

このアルバムの音源は、その時のものではないか?と言われてるみたいですが
「アキラ本人よりも、往年のアキラらしい
情感を強くたたえた歌声に驚かされる」という解説の通り
万感の思いがこもったような声と共に
嬉しさを堪えきれない大瀧さんの笑顔が目に浮かびます(笑)

余談ですが…
「もういいだろ、新作は」と本音とも冗談ともつかない調子で
よく話されていたという大瀧さん
でも、頭の片隅にはいつも「次」への思いがおありだったという

一昨年の一周忌に向けては、オールタイム・ベスト「Best Always」が
昨年3月には「NIAGARA CD BOOKⅡ」がリリースされ
CMでは、大瀧さんの曲が頻繁に流れていても

「もう二度と新作が出ることはないんだ」と
淋しく思っておられた方々にとって
今回のアルバムは、最後のサプライズ・プレゼントになった訳ですが

奥さんは、栗本薫さんとロバート・B・パーカーが亡くなられて以来
本屋を訪れる楽しみが半減してしまったようだし
やっぱり、甲斐さんにはまだまだ歌い続けて頂かないと…と痛感した次第です
コメント
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