ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

箸休め9

2016-03-05 06:34:00 | 日記
一昨夜から始まった浦沢直樹さんの「漫勉・シーズン2」
隠れ浦沢さんファン(笑)の上に、ゲストが萩尾望都さんとあって
奥さんのテンションはかなり高め(笑)

残念ながら、甲斐さん関連の作品…
「フェアリー」や「福島ドライブ」には触れられませんでしたが…(苦笑)

この番組は、普段目にすることが出来ない
漫画制作の現場にカメラを持ち込み
その密着映像を同じ漫画家でいらっしゃる浦沢さんが
ご本人と一緒にご覧になるというもので

デビュー33年目の浦沢さんが、シーズン1を振り返られて
他の漫画家の方の仕事ぶりをご覧になることが
「こんなに刺激になるとは思わなかった」と話され
大先輩(さいとうたかをさん)が「体イタイ」って頑張ってるのを見ると
青二才が何言ってるんだって感じですよねとおっしゃってました(笑)

浦沢さんが萩尾さんの「Gペンの持ち方が面白い」と気づかれ
「彫刻刀で彫ってるみたい」だと表現なさっていたけど
そうして繊細な線を積み重ねられるのは
「表情で説得しないといけないから」だそうで

「衝撃を受けた時」の顔を手で覆うコマに
指の爪が描かれていないのは
衝撃を受けた目を描く上で
「指はジャマだけど描かない訳にいかないから
なるべく抜ける所は抜こうと思って」おられるためらしい

浦沢さんは、萩尾さんを「神秘的な方」と思っていらしたようで
「ロココな雰囲気」のお部屋をイメージなさってたみたいでしたが(笑)
萩尾さんは「努力したけどダメでした(笑)」と…

奥さんは、ご自宅兼仕事場でくつろぐ7匹のネコ達や(笑)
「私だけが何がどこにあるか知っている」とおっしゃる机の上に飾られた
一瞬「五郎丸選手?」と見間違えた高橋大輔さんの写真や(笑)

萩尾さんのそばの机に座っていらした方が
マネージャーの城章子さんなのか?と
「少女漫画界の神様」の日常が垣間見えてニンマリしておりました(笑)

ともあれ…萩尾さんは、さいとうさんとは対照的に
かなり完成度の高い下書きをなさる方らしく
「下書きをチャンとしない人が続いたので(笑)安心しますよ」と浦沢さん

萩尾さんは、コマの外側に紙を置いて
はみ出す部分を描かれることで
服装や体の動きに違和感がないかを確認されたり

2人の人物がぶつかり合う場面では
片方の人物をトレーシングペーパーに描かれ、それを原画に重ねて
2人の距離感を探るという方法を採られてたんだけど

10分以上かけて位置が決まってからも「手の掴み方」で悩まれ
今度は「手」だけをトレーシングペーパーに描かれたり
ご自身の手で掴む仕草をなさったりして
力の入れ具合を強調されること2時間

結局、この1コマに3時間半をかけられた訳ですが
ボクが「実際に読者がそこまで細かく見るのかなあ?」と言うと
奥さんは、このコマが目に飛び込んで来た瞬間に緊迫感が伝わるってことは
意識して見てはいなくても感じ取っているんじゃないか?と…

「手」はずいぶん色んなことを語ってくれると萩尾さん
ちばてつやさんの「紫電改のタカ」の汗を拭う「手」が色っぽいと話されると
浦沢さんも「矢吹丈もやりますよ!ちょっと伏し目がちなんですよね」と
お二人で盛り上がっておられました(笑)

甲斐さんも「ちかいの魔球」のシンプルでインパクトがあって
無駄なものを削り取ったタッチや
エッセンスだけを形にするようなスタイルに感動され
「ちばてつやと共に生きると心に決めたんです」と話されてましたが(笑)

以前の甲斐報に、バーで偶然ちばさんとお会いになって
小林薫さんと一緒におそるおそるサインを申し出られたと書かれていて

奥さんは、いくら「俺の最初の神」だとしても
アノ甲斐さんが、ご自分でサインをお願いなさるなんて?!と
かなりビックリしておりました(笑)

あっ!そういえば、甲斐さんに
「グレートマジンガーよりも偉大な」と評された中曽根純也さんは
甲斐さんのことをちばさんの「オレは鉄平」の
鉄平みたいだと思われたんですよね?

それはさておき、甲斐さんは曲を書かれる時に
カメラを切り換えるように映像を意識なさってるためか
「映像的、映画的に表現している漫画家さんが好き」で

萩尾さんの「ポーの一族は、絵コンテにして
そのまま撮っても映画として成立すると思う」ほど
「構図が完璧」だとおっしゃってたけど

この番組の未公開トークで、浦沢さんが
「横に細長いコマの積み重ねというのが効果的なんですよね
普通、ここまで細くしないだろうというのが
ちょっと映画的な感じがしますよ」と話されると

萩尾さんは「横長を積み重ねると目線が縦にだけ
コマごとに流れて行くから、読者がリズムを取りやすい」と説明なさってました

ただ、それとは別に浦沢さんは
「少女漫画」というジャンルは、イマジネーションをどのくらい広げるか?
演出過多、お芝居も過多で
行き過ぎた部分もあるくらいデフォルメされた世界だから

リアルな映像を時系列もちゃんと見せないといけない映画よりも
照明がパッと変わっただけで全く違うシーンが出来るミュージカルや舞台に近いと話されてます

萩尾さんは、小学3年生の頃から漫画を描き始められたそうですが
ご両親に「禁止された」ことで
「親に背いている」という思いを抱えつつ、プロになられたらしい

でも、デビュー後の活躍をお知りになって
ご両親の漫画に対する認識も変わられたんだろうと思いきや
朝ドラ「ゲゲゲの女房」をご覧になって
「水木しげるさんが、一生懸命仕事しよっとたい」との電話が…(笑)

それまで「おちゃらけたことをしてると思っていた(笑)
うちの娘もコレをやっていたのか」と気づかれたんだとか…(笑)
浦沢さんが思わず「つい最近じゃないですか?!
21世紀になってから…(笑)」と驚かれていたのも無理ないですね

浦沢さんに(登場人物を)そこまで追い込むかって状況を作るのは
「(萩尾さんご自身が)追い込まれる人が好きなのか?(笑)
追い込みたいのか?(笑)」と訊かれ

「両方好きですよね、きっと(笑)
問題に直面してる大人を描くのが面白い
子供もやっぱり問題に直面していて欲しい」と答えておられます(笑)

ご自身が「漫画に救われた」から
「感動したことを読者に伝えたい」と萩尾さん
「細部にこだわり、妥協しない」のも
「感情を揺さぶりたい」という気持ちの表れでしょうが

腱鞘炎予防のテーピングをなさって
毎日13時~3時まで、食事以外の休憩なしに
「ヒマがあったら画を描いてる」なんて
本当に好きでないと出来ませんよね?

「キュンキュンしてくれると嬉しい
描いてる方もキュンキュンしてるので」とか
「毎回、初心者みたいな気がする」とか
「やめなさいと言われても、やめられるもんじゃない」という言葉の端々からも
萩尾さんの「好き」の気持ちが伝わって来て

「どれだけ好きでいられるかも才能なんだよ」って
甲斐さんの言葉を思い出しました
我が家にも甲斐さん好きの才能あふれる(笑)住人がいたなあと…(笑)

余談ですが…浦沢さんのご友人・土屋公平さんも
「漫勉、萩尾望都編 面白かった」とツイートされてましたが
甲斐さんはご覧になったんでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする