花あそび

庭で育てた花々や嵯峨御流の花、そして時には野の花を
いっときいただいてそばに置きました。

雲仙躑躅(うんぜんつつじ)

2009年07月30日 | 嵯峨御流

初めて手にした花材です。
関東西部から九州にかけて分布している躑躅ですが
雲仙の名をとっているけど、雲仙には自生していないのだそうです。
先日これを花屋さんで見つけぜひとも次の稽古で使いたいとお願いしました。
枝先が細かく分岐し、小さな葉が密生しています。
後盛体にいけていただきました。
水盤の後ろ半分に花を盛り、前方に水面の広がりを見せる花態
水を隔てて対岸の遠景を眺める感覚でいけていきます。
小ぶりな枝葉はこの花態によく合い、また夏の涼しげな風情を表現するにもぴったりです。
暑さで葉がポロポロ落ちるのではないかと心配しましたが一週間たってもまだ青々してます。
またひとつ惚れてしまった花材が増えました。
ちなみに生徒さんの実家には庭にこの樹が植わっているそうです。
花も紅葉も最高に綺麗だそうです。
うひゃあ~いいなあ~


鬼百合と利休草

2009年07月26日 | 嵯峨御流

お茶花からアレンジメントに至るまですっかりメジャーな植物になった利休草ですが
園芸界でも・・・苗が売られるようになりました。
地植えして三年目になりますが、根が張り勢いがついたのか
今年は脇枝もどんどん伸び、
蟹草(カニクサ)、牡丹蔓(ぼたんづる)、仙人草(せんにんそう)とまではいかなくとも
けっこう丈夫な植物だということがわかりました。
おまけに牡丹蔓、仙人草などの蔓物は水揚げにも気配りが必要ですが
利休草は水揚げ良好、
水切りだけでOKです。
この扱いやすいという点も人気の秘訣なのかも。
涼しげでどちらかというと清楚な上品さを持ち合わせたお花というイメージがありますが
実際に育ててみると野性味ある性質を持ち合わせていることがわかりました。
というわけで利休草に対し新たな発見があったこの夏
ならば野趣あふれる鬼百合との相性も案外いけるかもしれないと思い
白色の硝子花器にこの二種を取り合わせてにみました。

うぅ~ん やはりちょっと微妙なバランスに欠けるような・・・
野生種の百合にこだわるなら山百合、もしくは鹿の子百合の方が。。。

フフッ 実は週末帰省したので、実家から鹿の子百合の苗をいただいてきました。
来夏はこの鹿の子百合を出合わせてみたいと思います。


アンスリウム

2009年07月24日 | 嵯峨御流

アンスリウムを使った荘厳華(しょうごんか)をお稽古させていただきました。
以前は荘厳華はどうも気乗りしない花態でしたが
最近になってようやくこの花態のお華のよさを少しづつ感じることができるようになりました。
とくに今回は花材の組み合わせが面白くて好い感じのお花になりました。

荘厳華は仏前を荘厳する花として考案された花態で
如法筒というオリジナルの筒にお花をいけていきます。

 

太陽と入道雲が広がる真夏の空のイメージをいけたいので
それにあう花材のとりあわせを花屋さんにお願いしたのだそうです。
組合わせてあったのは
アンスリウム、ヘリコニア、スモークツリー、桔梗蘭、クッカバラ、エリンジュウームでした。
この荘厳華という花態は花材を数多く使うことも特徴のひとつです。
ですからその組み合わせやその花材の配置によっていけあがった雰囲気も様々
そこがまた面白いところでもあります。
もちろんこの筒のまま飾るわけではなく
花器にこの如法筒を入れてそれにお花をいけていきます。
この花にはどんな花器が似合うか四種類ほど用意して比べてみました。



これは荘厳華専用で御紋のついた格のある花器ですが
これだとお花のほうが軽い感じでバランスがあまりよくないように思います。

 

 
備前焼の花器
これだとちょっと野暮ったくなるような・・・

 

 
マーブル模様入りのガラス花器
ちょっとコワイかも?!

 

 
同じガラス素材でもこれだとすっきりとして爽やかな印象に!


この花器を使うことにしました。仕上げに白砂を敷いて






この日ちょうど娘もいたのでいっしょにどれがいいか選んでくれました。
もちろん好みは一致しました。
来春にはひょっとしたらこの家から出ていくことになるかもしれません。
それまで少しでも多くのお花を見せておいてやりたいと思います。
お花を手にしないまでも何か心に刻むものがあることを願って・・・


躑躅(つつじ)

2009年07月19日 | 嵯峨御流

躑躅をつかって石組のお生花を勉強しました。
石に込められた先人たちの想い
理解できたことはまだまだほんのわずかですが
嵯峨御流のいけばなを学んでいるからこそ知ることができたのだと思います。
その石組にあわせて躑躅を『実と虚の姿』をとりあわせながらいけていきました。
ただただ躑躅だけのシンプルないけばな
でもその姿から自然の風景を感じることができる・・・
お生花とはそんな花型なのです。
それに至るにはまだまだ技量が足りませんが

これに撫子を添えたら・・・
桔梗をそえたらどんなかしら・・・
白砂を敷いて水陸分けにして鉢で育てている水葵をそえたら・・・(まだ咲いてません)
あれこれとその景色を想像しながら眺めるだけで
自然の中に身をおいた気分になることができました。
そういう想いに導いてくれるからこそお生花が大好きなのです
(何度も何度もくどいほどに好き好きといってごめんなさい)


アンスリウム

2009年07月18日 | 庭の花

ひきつづき先日のお稽古花についてです
アレカ椰子やアンスリウムが一人分残ったので
心粧華で使った葉物の残りとあわせて大小のガラス花器にあわせてみました。
葉や花の面を真正面に向けるという扱いは特別な場合をのぞき
いけばなではあまりしないせいもあってか
アンスリウムの顔を真正面を向けると発想はなかなか私自身はできないでいましたが
生徒さんのいろんな作品を見せていただくうちにそういう遊び方もやってみたいと思いました。
アンスリウムと、あわせてヒューケラの葉もまっすぐに立てその面を並べてみました。
なんだかそれだけでおもしろい表情になったように思います。

それにしても葉物の魅力って奥深いなあ~


瑠璃玉薊(ルリタマアザミ)

2009年07月17日 | 嵯峨御流

アップが遅れましたが
先日のアレカ椰子を用いた飾盛体の稽古の時
あわせて瑠璃玉薊を使った心粧華もいけていただきました。
この花はいつもお世話になってるくらちゃんからいただいたものです。
心粧華はそれそれの植物のもつ生態や形状、色彩などをじっくりと見つめ
その美しさを充分に見出していけることが大切です。
心を込めて育てられた花です。
せっかくだからこの機会に生徒さんにも丁寧にこの花と向き合ってほしいと思い
主体にこの花を使い添える花材は庭のものも含めあれこれ集めておき
自由に選んでいけてもらいました。
この花態は花器とのバランスもポイントとなるので手
持ちの花器を持ってきてもらったり、またこちらでも用意しました。



擬宝珠(ギボウシ)でも大葉、小葉、斑入りものや黄色味を帯びたライトグリーンものなど
その形状、色彩はざまざまあります。
同じ線状美を感じるものでも縞芒とベアグラスではとりあわせてみるとその趣はちがうものとなりました。
いろんなイメージをふくらませ花が発する美のエネルギーをあれこれと感じる
楽しいひとときとなったのでは思います。




アレカ椰子

2009年07月13日 | 嵯峨御流

前回お稽古した瓶花の花材、山帰来と桔梗は残念ながらあまり花保ちがよくありませんでした。
(葉のついた山帰来は風情はあるのですが実が落ちやすいというのが欠点がありました)
これからの季節は、ある程度仕方ないことだとは思いますが
それでもやはり教える立場としては
生徒さんがいけられた花のその後も気にならないわけではありません。
今回はアレカ椰子を使って盛花、型にはまらず自由な発想でいける飾盛体をいけていただきました。
合わせた花材はアンスリウム、ドラセナ、アルケミラモリス
アルケミラモリス以外は長く楽しめるはず

椰子の葉で南国の風をイメージさせ
その葉のラインをより強調したくて葉の片方をカットしました。
花器はアンスの色にあわせて赤い花器を選んでみましたが
これにおさまるまでに悩む悩む! あ~難し・・・

 

 


生徒さんの中で一番若い20代の○○ちゃん
お花はあっという間にいけあがりました。

 

可愛いでしょう♪
椰子の木の下で親子がバカンスを楽しんでいる様子をいけたそうです。
(親子っていったけどホントは彼と二人ね きっと・・・)
だからあえてアンスも2本、椰子も三本のうち一本だけ
いけたいイメージがはっきりしてるから用意してあった花材を残すことにも抵抗なかったようです。
いけばなのポイントのひとつである引き算も無理することなくできたわけですね。
そして楽しんでいけてる姿はこれもまた花なり
またひとつ生徒さんから教えられたように思います。


桧扇

2009年07月10日 | 嵯峨御流

こちらは本家?!桧扇のお生花です。
株分けの手法で立姿と横姿をいけました。

この花を知ったのは大人になってから。
お華の稽古で出逢ったのが最初だったかも・・・
京都では祇園祭が近づくと家々には桧扇の花が飾られると教えていただき
また大きく末広に広がる葉の姿が平安の頃貴族が持っていた
桧の桧(ひのき)の扇に似ていることからこの名もついたそうなので
高貴なイメージがあっても当然かも。

でもでもよくよく考えてみれば
子どもの頃から見慣れていた姫桧扇水仙は野暮ったくて
この桧扇は品を感じるというのはなんだかおかしな話?!
なぜそう感じたんでしょう。(過去形です)
今初めてこの2種を見たならば私の好みは
もちろんしなやかな花茎をもつ姫桧扇水仙のほうだし・・・
いつどこでどんな風に出逢うか
そういうことも影響しているのでしょうね。
子どもながらにも姫桧扇水仙の名前とその由来などきいていたら
ずいぶん違っていたかも
でも大人になってそのイメージが180度変るほどの
新たな美の発見!っていうのもおもしろいと思います。


桧扇もお稽古で使うには達磨桧扇という矮性品種
あまり花茎を伸ばさず葉のすぐ上の方でたくさんの花を咲かせるのが特徴
野生種はもっと花茎がすっと伸びているんだそうです。
いつか野生種にも出逢ってみたいです。


七夕

2009年07月08日 | 嵯峨御流

昨日は七夕でしたね。
皆さんは綺麗な星空が眺められましたか。私は
夜バタバタしていて、はっと気づいた時には
ポツポツと雨音が聞こえてきて…残念でした。

これは明日お稽古していただく心粧華にあわせて七夕の日にいけた『才の花』
気軽にちょっとしたコーナーにでも活けることができるよう
嵯峨御流の中では一番新しく考案された花態のなかのひとつです。

この葉蘭(はらん)は葉に小さな白い斑点があり夜空の星のようなので
「天の川」という品種名がついています。
七夕にはぴったりでしょ♪
あわせた花はクレマチス、花後に花球になったものです。
織姫と彦星にみたててみました。
だから敷板もラブリーなピンク色に♪
そしたら。。。
花茎がほんのり赤くなっているじゃないですか!
二人が出逢えて喜んでるからでしょうか。
あらまあ~お熱いことで!
めでたしめで
たし