花あそび

庭で育てた花々や嵯峨御流の花、そして時には野の花を
いっときいただいてそばに置きました。

正月花

2007年12月31日 | 嵯峨御流

自宅にいけたお花です

床には去年と同じく若松の生花をいけました。
これからも毎年定番になるでしょう
お正月用にお花を何にしようかと考えるより
一年に一度、暮れにこの松を手にすることで(なんといっても松ヤニはすごい?!)
一年を振り返り無事に過ごすことができたことに感謝し
来年もまた生けることができることを祈りたいと思います。


玄関には万年青を





リビングのチェストには大王松
大王松は和にも洋にも使えるのでこれもここ数年定番です。
葉牡丹と餅花をあわせて現代風「立花」?!
簡単でいいでしょう^^





来年は友人とふたりで水仙の七曲を生けてみようと思ってます。
七曲のうちまだ生けたことのない花態もあるので
うまく生けれるか不安でもあり楽しみでもあります。
アップするのは一月半ばでしょうか
来年もまた嵯峨御流のお花を皆様にたくさんお伝えしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。


正月花

2007年12月30日 | 嵯峨御流

一昨日加村氏宅に正月花をいけてきました。
お床には万年青をいけました。



「七五三(しめ)の伝」
縦姿7枚と横姿5枚の2株をひとつに寄せて、その間に「実囲い」の3枚いれていけます。
常緑の葉に常に変わることのない繁栄を願い、
赤い実を子孫の絶えることのない象徴し、
囲い葉である小さい葉三枚は(幼葉ではなく古葉)
隠居した両親が本家と分家の繁栄を願って温かく見守っている姿です。


お店のほうには松を使い瓶花をいけました。



葉牡丹は以前は園芸用が主だったように思いますが
最近では切り花でもよく見かけるようになりました。
葉牡丹は江戸時代に日本で改良されたそうですが
その品種は大きく東京丸葉系(今回切り花で使ったのもこのタイプ)と
名古屋ちりめん系のふたつに分けられます。
ほかにも大阪丸葉系というのあり
海外では葉牡丹の品種といえば「Tokyo」「Osaka」とかいうそうです。

 


水仙 五行格

2007年12月28日 | 嵯峨御流

朝市で正月用の花材を買いました。あわせて水仙も…
庭や部屋の掃除もまだまだやり残していることもいろいろあるというのに
つい勢いで買ってしまったからには稽古稽古

水仙の香りは日本の冬の香り
空気が冷たくなればなるほど馥郁と香ります。
師走のあわただしさを心地よさに換えてくれる花時間

そうそうカレンダー欲しさで買った「花時間」にも
素敵な水仙のアレンジがたくさん紹介してありました。
水仙という名は水にすむ仙人がいるという逸話にちなんで
中国で名づけられたそうです(知らなかったぁ~)
その仙人の姿のような一輪から山里の景色をイメージした堂々迫力ある70本まで
見ているだけで心なごみます。


南天

2007年12月21日 | 嵯峨御流

今年ももうあとわずかになりました。
クリスマスを前にして
こちらでも綺麗なイルミネーションで飾られた家や庭をたくさん見かけるようになりました。
気分はすっかりクリスマス…といいたいところですが
いけばなの世界では クリスマスを飛び越えてはや正月花の時季です。
明日はさっそく若松の生花の稽古ですし…


少し前に生けたものですが加村氏の庭にある南天を使って生けさせてもらいました。
あまり手を加えられていない場所にあったので
寒暖など自然環境によってできて自然の撓みがとっても美しい南天です。
その美しさをいけばなにする…
昔はそれが当たり前のことだったのでしょうけど
今こうやって生けることができるのはすごく贅沢なことのように思います。




南天
水仙
シマカンギク


洋蘭(シンビジウム)

2007年12月19日 | 嵯峨御流

蘭は古くから観賞用に世界中で栽培されています。
私も…といいたいところですが蘭はどうも相性があまりよくないのか
シンビジウムやコチョウランなどいただいても翌年再び花を咲かすことができません。
よってその年花を楽しんだのちは即実家送りとなってます。

一般には日本、中国、台湾原産のものを和蘭、それ以外を洋蘭といいます。
私はどちらかといえば和蘭のほうが好きですが
切り花の和蘭って販売されているでしょうか。
あるとしてもとても高価でしょうね(あの銀座の○だったら…)

今回お稽古させていただいたのは洋蘭のシンビジウムです。
蘭の花軸は葉株の外から出るので、
その出生に従って和蘭は細い花軸の美しさも生かすよう株の手前から、
洋蘭の茎は太いので葉の向こうに入れます。
切り花で売られている花は花数も多くとても豪華ですが
清楚な気品を損なわないように、多すぎる時には適度の透かせます。
葉で格をとり、葉の幅や反り具合、葉の振りを見ながら生けます。

蘭は切り花でもかなり日持ちがします。
これを生けたのは8日でしたが、今もまだ充分綺麗です。
花後の負担を思えばこうやって気品ある姿をいけばなで楽しむのもなかなかいいものですね。
色違いで生けてみました。
個人的には和蘭に多くあるグリーンの花のほうが好きです。





水仙

2007年12月18日 | 嵯峨御流

暮れも押し迫ってきましたね。
一年があっとう間、もうまた水仙の葉組みの稽古です。
お花屋さんから届けられた包装を開くとあたりに水仙の甘い香りが立ち込めます。
稽古前の緊張感がふぅと安らぐ一瞬です。

水仙の出生は大抵一花四葉が一元(ひともと)となってます。
生花に生ける時には、まずは足元の白い部分『袴』から花葉をはずし、
葉の捩れを直して2枚づつの葉が互いに添うようにためてからもう一度袴をはかせます。
そして生花の型に応じた曲をつけていきます。

今年はまず「体後添流し」をお稽古しました。
高く右に流れている葉が体後添流しの葉です。
この葉、生けた花を先生に見ていただいた際に直していただきました。
「流しの葉はもっとこんな風に…」と先生がひと擦り
ほんとにすぅ~と一度触られただけで葉に『気』がこもったように美しい曲ができるのです。
周りで見ていらした方々といっしょに思わず「おおぉ~」
まさしくマジックハンドです。

水仙の本来の自然の姿から型にはめてしまうこと
そういう花に対して好き嫌いはあろうけど
何事も特に伝統文化の類はまずは『型』を習うことから始まると思います。
水仙の葉に曲をつける、今はまずはその技を学ぶことに専念
すこしでもマジックハンドに近づけるよう精進精進…


というわけで朝市で売られたいた1元70円の水仙で自宅で稽古
花屋で普通に売られているものはこちらでは今の時期たいてい200~250円ほどします。
なぜにこんなに安いか、それは70円のものはすべて葉が3枚葉だからです。
今までは出生通りの葉でないとうまく添わないと思っていましたが
先生がおっしゃるには捩れさえきちんと直せれば出生葉でなくとも生けることができるのだそうです。
その言葉に目からうろこ… これを試してみたくもあったのです。



そして昨日は「生登し」の曲いけ
こちらは体の葉が寸法より高くすっとジャンプしたかのごとく立ち上がる姿に生けます。


こうやって撮った写真の花をみると、ここはもっとこんな具合に…と
まだまだ課題はたくさんですが
blogにアップした花が年を追うごとに少しづつでも稽古の成果が感じられるよう
頑張っていきたいと思います。


極楽鳥花(ストレリチア)

2007年12月11日 | 嵯峨御流

花も葉も大きく鮮やかな色彩の花色を持つ独特な形状をしています。
その個性を生かして二花五葉の三才格のお生花にいけました。
鳥が羽を広げたように伸びやかに…

BSで始まったペ・ヨンジュン主演の太王四神記をみています。
実はヨン様の大ファン いえ全く…
韓国ドラマをみるのもチャングムの誓いについで2作目
でもなんとなく嵌ってしまいそうな予感
なんで唐突にこんな話題…?!
生けたこの花見てると太王四神記に出てくる黒朱雀を想像してしまうのでした(アハッ)


枇杷の生花

2007年12月06日 | 嵯峨御流

枇杷といえば初夏にいだたく黄金色の実を思い浮かべますが
いけばなの世界では枇杷の大きな葉を賞美し、
初冬に咲く白い花の時期にその花葉を用いて生けます…と
当たり前なことのように書いておりますがそのことを知ったのは数年前、
幼いころから枇杷の木に登って実を食べたことはあっても冬に咲く花を見た記憶もなく、
実際花も地味ですし
これがいけばなになるとはと正直ちょっと意外な気がしました。

今年は2度枇杷を手にしました。
お生花として枇杷の枝を触るのはこれが初めてです。
屈曲した枝は固くて折れやすいため、
自然の枝振りを吟味しながら、切りだめを加えて生けていきます。
枝物をためる時の感覚は樹それぞれちがっており
それが初物、ましてやためが難しいものとなれば手も震えるほどドキドキしました。
また枇杷を生花に生ける時には前後左右に互生する葉の(実)の姿に
「横一文字」(虚)の葉を一枚体裏に入れることによって虚実を備えた姿にすることが決まりです。


体用相応のいけ方



三才格


やはり枝どりがとても難しく苦労しましたが生けてみて枇杷がとても好きになりました。
決して華やかな花ではないけれど控えめなその姿がとても美しく感じます。
お猿さんのように木登りしてむしゃむしゃ食べてた枇杷の樹を
こういう花として愛でることができるとは…
いけばなを学んでいるおかげです。