寒牡丹 寒菊 寒という言葉がつく花
バラも冬バラというより『かんそうび(寒薔薇)』と呼びたい
庭で育てているバラをお床に飾ることはめったにありませんが
最後の最後、春の声がすぐそこの迫った今になって
ようやく剪定を終えたバラを生けてみました。
たおやかな曲線を描き優しく微笑むように咲く初夏のバラとは異なり
寒さに耐えたやや無骨な面持ちの枝に咲くその姿は
清々しい凛々しさがあり
床の華としての風格も宿っているように思えます。
2月初旬やっと剪定しました。
庭のバラの中で最も遅く紅葉し(一月になってからでした)
最後まで葉を落とすことなく頑張っていたバラ
紫玉
楓のような鮮やかな紅葉ではないけれど
紅葉と枯葉の狭間を漂っているような
鈍い輝きです。
柳は川岸や湖畔に生えるものが多く、芽吹きの姿が美しい花材。
その長い枝が水に入り、水を潜ってもう一度水面にあらわれる姿を生けます。
正式には柳の中でも猫柳を用いますが
今回稽古で使った柳は猫柳よりも野趣な感じの枝ぶり
(豪州柳というそうですが調べても詳しいことはわかりませんでした)
蟹の花留めを使って水潜りの枝をとりました。
お華の扱いは季節を少しだけ先を歩いています。
水ぬるむ春の景色を想い生け眺める時間
こういう四季のこころを感じることができるところが
お華 嵯峨御流 を学ぶ楽しさのひとつでもあります。