何年か前に小さなポット苗で買った斑入りの蔓もの
今では10号鉢で丈も私の身長よりも高くなりました。
夏には南国の花というイメージのピンク色の可愛い花を咲かせます。
初冬のこの時期になって花材として使うにはちょっと季節はずれかなと思いつつも
パンドレアの和名が南天素馨だと知りいけてみたくなりました。
暖色の花が小春日和 陽だまりの暖かさを感じさせてくれるような気がします。
真っ赤に色づいた綺麗な花木
この樹はすなおにまっすぐ伸びるのが特徴です。
この自然な枝振りをいかして瓶花を直成体でいけていただきました。
取り合わせた花はピンクッシュンと赤のドラセナ、赤でまとめました。
お花屋さんのこれでお願いしたら「葉ものも赤ですか?」とすこしびっくりされたので
いけてみるまで不安でしたが
洋っぽい感じにまとまりいつもと少しだけ違う雰囲気になり
生徒さんもいけるのが楽しくなるお花だと喜んでいただきました。
珊瑚水木 ピンクッシュンともにとても日保ちします。
花瓶や置き場所を変えたらクリスマスまで楽しめそう
12月のお稽古は水仙のお生花と万年青
月2回の稽古ではなかなかクリスマスにあわせた稽古ができないので
今回お稽古した花が活用できればと思った次第です。
研究会でいけたお生花 黄金桧葉の五行格です。
三才格に添うて添わずと控の枝を加えた5枝で構成され
お生花の中でもっとも立体感ある花態です。
そのせいか仰々しい感じがして、荘厳華と同じく
長い間あまり好きでない花態のひとつでしたが不思議なものです。
いつしかその抵抗感もなくなりつつあります。
背筋を伸ばして眺めたい花。。。
あっそうそうこの黄金桧葉ってこれからの時期少し人気が上向きだそうです。
へぇ~またなぜ。。。
クリスマスリースの花材用だとか、なるほどね
五行格の背景には五行思想があり
リースの輪には始めも終わりもないその形から「永遠」や「円満」という意味が含まれてます。
花はただ素材であるだけでなく人そして自然の営みの表現
そう感じるからでしょうか。
抵抗感が次第になくなりつつあるのは。。。
嵯峨御流の伝書には「菊水生方の心得」として次のように記させています。
「菊水の挿方と云ふは、嵯峨院の御庭大沢池中菊が島の古事に依れるものとして、
広口に嵯峨菊又は、しほらしき優雅なる菊を株分に挿く。
尤一二本は流して水を潜らすもよし
巨勢金岡の立てたる庭湖石を形どり石を置くなり
此挿方は菊水中に影ずる気分をありありと現はす事肝要なり・・・」
手持ちの本にはこの菊水についての解説とともにその作例が紹介してあります。
やや大きめの水盤に石をひとつ置き
その後方から野生菊のような茎の細いものが数本あるのみ
シンプルの極致です。
庭の野生菊(野路菊)を使って本の作例を参考にしながらいけてみることにしましたが
正直なところはたしてこれがいけばなとして観る側に受け入れてもらえるものか
少々不安に感じながら・・・
暴れるというほどではないにしても気ままに枝を伸ばしているといった感じのこの菊
意外と形にするのは難しく四苦八苦
それでも次第に本にあるような姿に近づいていくにつれ
『嵯峨天皇が菊が島の菊を手折られて殿上の瓶においけになり、
その枝振り、花姿が優雅で美しく天地の理法に適っていたと伝えられ、
「これを花を挿る者の範とせよ」とのお言葉に従って御流は生まれた』
その嵯峨御流のお花をいけているんだということに
いけたお花のできばえはどうあれ、満たされた気持ちになりました。
郁子使って瓶花を稽古をしました。
開けてびっくり 美味しそうな実が3つもついていました。
「まあ~貴方の実が今までの生徒さんの中で一番立派よ
大当たりね 頑張って綺麗にいけなさいね」と親先生のお言葉・・・
おまけに実のついた蔓の先はくるくると面白い表情があります。
これもいかしたい…
でもこれだけの長さとなると花器が・・・
ひとつあるにはあるんだけど しまい込んだまま・・・
ずっと以前に骨董屋で見つけたそれは高さが60㎝ほどあり、
古そうなお箱に入っていました。
いつごろのものかはっきりとはわからないが伊賀焼だそうです。
ですが買ってしばらくして使ってみると残念なことに水漏れがしました。
どこから漏れているのかわからないけれどじんわりと・・・
あまりのショックでそれ以来ずっと箱にしまったままになってました。
これをどうにか復活させたい!
ネットで家庭でもできる水止め方法があると知り試してみました。
鍋でおかゆをつくりその中に陶器をいれて弱火で一時間ほど煮込みます。
その間当然のことながら60㎝すっぽりと浸かる鍋はないので
浸かっていない部分はお玉でかけ湯し、その後そのまま一晩ねかせておきました。
翌日水をはってみるとまったく水漏れしません。
ありがたいや 立派な実のおかげであきらめかけていた花器も復活しました。
ところでその実ですが仲良く並んで3つ・・
さてさてこれをどうするべきか
あえて取るとしたら小さいほうの双子?!
でもせっかくのありがたい実!
取ってしまうのは可哀想でしょう
結局のところ3つつけたまま使いました。
庭に植えている薔薇の中にはローズヒップをつけているものが何種類かあります。
そのひとつがRosa multiflora ノイバラです。
このあたりでは一番よく見かける野バラなので
この時期野にでれば赤い実をたわわにつけている姿に出逢えます。
でも庭に植えたものはまだそれほど大きくないので
今年結実したのはほんのわずか
そんな愛しい実なのでカットするのもこれが精一杯・・・
だからこそ大切に摘んだ一枝です。
やや大きめな実をひとつだけつけているのはCommander Gillette
普通はこの3倍ほどの大きさになるのでこれは随分の控えめ
このオレンジ色の実は熟してくると透明感あるゼリーのようになります。
薔薇を育てる楽しみは花ばかりではありません。
もちろんいける楽しみもね^^
庭に植えているキミノヒヨドリジョウゴ
今年は結実するのが遅く心配しましたがやっと色づいてきました。
葉も晩秋らしい暗紫色に染まっています。
去年の茎を残していたので蔓ものの細い茎のわりにはしっかりしています。
稽古日の翌日加村先生宅にこのキミノヒヨドリジョウゴをいけました。
前日のお稽古の後のお茶の時間
ひさしぶりに本棚から川瀬さんの本を取り出しました。
生徒さんのひとりが部屋に置く花台(家具)を探していらっしゃるのですが
洋風なお宅でもちろんお床はありません。
そんな部屋にも似合う花台は。。。というので
和花のイメージが強い川瀬さんですが
意外に自宅はシンプルな洋間なのよということから話が始まって
本をぱらぱらめくりながらおしゃべり
その時に見た川瀬さんの作品が強く心に残っていたからでしょう
庭で摘んだ枝には黄色く色づいた実がたくさんついてますが
生命力を感じさせるのびやかな一枝の先に
よくぞ残っていてくれたね ありがとう!と言いたくなるような宝石が一粒がついています。
この一粒をいかすべく
川瀬さんの花から教えられた型にとらわれない花
それをちょっとだけ意識していけてみました。
これに添えた花は庭に咲いている磯菊
同系色の花しかもキミノヒヨドリジョウゴよりも量感があります。
合うかどうかいけ合わせるまで不安でしたが(他の菊も持参)
舌状花のない檸檬色に近いつぶつぶの筒状花の色合いと形状が
玉子色したヒヨドリジョウゴの実をなお一層ひきたてているように感じます。
おいしそうでしょう^^
でも毒草ですよ 気をつけてね
庭の雪柳はまだ青々していますが
お花屋さんに綺麗に紅葉した木が入荷したので
11月の最初のお稽古ではこの枝を使ってお瓶花を稽古していただきました。
嵯峨御流の瓶花では草木の自然な表情を大切にし
ひとふりの枝の美しさを瓶の写し取っていけ表します。
組んである花材は雪柳が3本それぞれに紅葉の具合は違いますし枝ぶりも異なってます。
紅葉の美しさと靡く線の美しさを強調します。
また留につかう竜胆(2本)も草紅葉!葉が赤く色づいていて晩秋らしい風情を感じます。
それに優しさをプラスするマイクロカーネーション(ちょっと名前が。。。)
この3種の花材を使いました。
床には私の参考花、無難な?!横留でいけました。
生徒さんもこれに習って同じようにいけようとなさったので
留の種類などもう一度説明して同じようにいけても面白くないので
できるだけその枝ぶりにあった生け方にトライしていただきました。
体に使った枝は線は綺麗だけど紅葉はいまひとつだから
手前には綺麗に紅葉した枝を持ってきて前留にした方
また一本の幹に主体となる枝が2つついていてどちらも捨てがたい
そうなるとどちらの枝もいかしてさらにもうひとつ体に枝を加えて乱成体・乱れ留にした方など・・・
私自身も一度に沢山の花態や留方法を稽古した気分になって
なんとも楽しい(と感じたのは私だけ?だったらごめんなさいね)
同じ花材でもずいぶん表情にちがった作品になったので
生徒さんの作品も今回写真に納めさせていただきましたが
バックがごちゃごちゃしてままで撮ったのでうまく写ってませんが
写真よりずっと素敵なお花です。
もちろん花器口もしっかり三分の一は空けてます(これは重要なポイントです)
そうしてるうちに無難にいけた私の花が次第につまらなく感じはじめ
稽古が終わった後でいけ変えてみました。
写真だと遠近感が表現しにくいので煩雑が感じに写ってますが
こちらのほうが私は好きです。