花あそび

庭で育てた花々や嵯峨御流の花、そして時には野の花を
いっときいただいてそばに置きました。

菊の宴

2007年11月30日 | 庭の花

平安のはじめ嵯峨天皇の離宮として造営された大覚寺、
その離宮内にある大沢池に野生していた野菊が起源とされる嵯峨菊
嵯峨天皇が愛でられたという嵯峨菊を描いたものが大覚寺に残っているそうですが
それは現在栽培されている嵯峨菊とは趣の異なる野生の野菊であったそうです。
それがどのようにして現在のような嵯峨菊に変化したのかは一切不明だそうですが、
その嵯峨菊は嵯峨地方の極小地域のもので
大覚寺のみで保護され長い間、門外不出とされてました。
一般に知られて来たのは江戸末期から明治にかけて、
実生すると必ず変ったものが出来るとされ、大正の頃には46種もの品種があったようです。



大覚寺の嵯峨菊
下から7花、5花、3花、「七・五・三」の3段に仕立ててあります。



嵯峨菊のもつ繊細で雅やかな雰囲気を野生菊なども添えていけ表してみました。


 

 



菊の香りに誘われてヒラタアブがやってきました。

 

 

 


舟下り

2007年11月27日 | 嵯峨御流

加村氏の作品、同じ形のものが3つあります。




いつかこの花器を使わせていただきたいと思っていたところ
サブガーデンの近所に生えているのがススキではなく湿性植物のオギであることが判り、
これを花材に使うことにしました。
他の花材も…

    

駐車場のアスファルトの隙間から生えてきたヨウシュヤマゴボウ
ちょうどオットが車を乗り降りする位置です。
「じゃまになってしゃあない はよう刈ってくれ…」と言われておりましたが
生け花に使いたいからもう少しだけ待ってとお願いしていました。
またサブガーデンに植えた野生菊は
日当たりの良い塀の外側に向って懸崖仕立て風になっております^^
水路沿いに生えている3種を用いて…


さあ のんびりと舟下りにこぎ出でましょうか
オギの穂がゆれる川辺、
秋草が冬の到来を前にして美しさに一層深みを増してきているようです。


心に映した想いを花器や花にたくして生けてみました。
(オットへの感謝に気持ちも添えて…ね^^) 



薩摩野菊(サツマノギク)

2007年11月20日 | 庭の花

庭に植えている野生菊がつぎつぎと開花しはじめました。
菊の開花に心が弾む… こんな日が来ようとは
十年ほど前の私が知ったら腰抜かすかも(菊を庭に植えるなんてとんでもないって思ってたもん)

薩摩野菊図鑑やネットでみるとはなびら(舌状花)は白色ですが
うちのは蕾は紅色、はなびらもほのかに赤みを帯びています。
2年ほど前園芸店で買ったもので初めて花を見たときには
花径も園芸種なみに大きいし、茎もがっちりしていてあまり好みではありませんでした。
それでもサブに地植えし2年ぶりの開花(昨年は花がつきませんでした)
いゃあ~可愛いです。
嬉しいことに花それほど大きくないし、紅色の蕾がなんとも愛らしい
野生菊ぽくはないけれど2年待ったかいがありました。
今年はたっぷり咲いてくれたので心置きなく摘むことができます^^

薩摩野菊に斑入り葉が美しい野紺菊の葉だけをあわせていけてみました。


文人華 「風月三昆」

2007年11月18日 | 嵯峨御流

蓮の枯れ実や枯れ葉 そして新根茎のついた蓮根を農家の方からいただきました。

蓮は仏像の蓮台などにも見られるように仏教と深い関係にあり
またその出生にあわせた開き葉、巻き葉…など
様々な様式がある伝統的な花材(水揚げも難しい)なので、
おいそれとは手にすることができないと感じる高貴な花です。
しかし実りの秋、収穫前の実や葉、そして食用として蓮根は
そんな難しい扱いもなく安心して扱える反面、手軽に手に入る花材ではないので、
こうやっていただいたことに感謝し
「風月三昆」という雅題の文人華をいけてみることにしました。
三昆とは仲のよい兄弟という意味で、その意味にちなむ蘭、蓮、菊を選んで生けます。

加村氏の作品にこれにぴったりな器があります。
是非ともそれを使わせていただこうと思い、
とりあえず手持ちの器にいけてみました。(予行演習^^)
いけるといってもこの場合文人華の技法にひとつである「盛物」として扱うので
水盤や壺ではなく葉盆や皿、長板や自然木の敷板のうえに花材を水を見せずに盛ります。



こちらが加村氏の作品を使わせていただいたものです。



上の写真には蘭(といっても庭のヤブランを掘って根洗いしたものです)がはいってないとはいえ
器で雰囲気が随分とちがいます。
器も花なりといいますが、こうやって加村氏の作品をいろいろ使わせていただくことで私も
たくさんのことを学ばせていただきとても嬉しく思ってます。
ただあれもこれも欲しくなる衝動を我慢しなくてはならないことだけがなんとも辛い…


水色のボウルと菊

2007年11月14日 | 庭の花

たしか去年も同じころこのホウロウのボウルに菊を活けました。
去年の記事を開けてみるとやっぱりね!
一日ちがいで同じような写真を撮ってました。
でも去年はこの時季もうすでにサンインギクやノジギク、アシズリノジギクなど
大好きな野生菊が勢揃いしていました。
今年はすこし遅れぎみ、
菊は日長が開花時期を左右するっていうけど暑さも関係するのかしら。。。




濃い紅色の蕾は開花すると手前に写っているように色が淡くなります。
野生菊に対して改良された園芸品種を家菊と呼ぶそうですが
これは以前に滝田さんからいただいたもの
野生菊にはない花色
今年はサブに地植えしたのでたくさん咲いてくれて
この時季の庭がいつになく華やかです^^(不調なバラを助けてくれてます)
薄紫色は清澄白山菊
濃紫色は野紺菊の花色の濃いタイプです。

 

 

キミノヒヨドリジョウゴの黄色い実に暗褐色に色づいた葉色がお似合いです。
白菊は竜脳菊 もうすこしすると花弁に紅がさしよじれてきます。
そのころの姿がもっとも綺麗です。

 

 

菊の葉の紅葉ってナツヅタの紅葉と同じくらい魅力的だね

 

 

あっ これこれ!!!って思わず加えたシソ科の野草
同じものが好きだって知るとすごく嬉しい。。。
r○○○ちゃん これだよね 
うむむぅ でも名前がはっきりしないのよね。。。
お気に入りのバラ ‘千咲’も加えちゃいました^^

 

 

今年のほうが随分と派手だわあ。。。
でも春や夏の彩りとは異なる輝き
秋から冬へ。。。眠りにつく前の花の祭典だね


石蕗(つわぶき)

2007年11月13日 | 嵯峨御流

今庭の石蕗の花が満開です。
葉株から高く伸ばして咲く黄色い花
この花を見ると秋から冬へと季節が移り変わることを知らせてくれるように感じます。

田舎の庭には必ずといって樹木の下草などに植えてある身近な花、
嵯峨御流の伝書でも『葉物十種組方の心得』で
お生花に活ける時の心得が記してありますが
いまだ一度もお稽古したことはありません。
花も葉も水揚げが良くないので市場にはあまり出回らないのかもしれません。
水揚げは葉や花の付け根まで茎に針やカミソリで縦に幾筋もかき傷を付け、
その傷が水中に沈むくらいに水につけて養います。
なんだか可哀想。。。そんなことまでして活けなくてもと思いつつも
一度は活けてみたい活けるからには心をこめて。。。
針で傷つけるとあの独特な香りがたちこめてきました。
あ~佃煮食べたい 若葉の天ぷらも美味しいんだなあ 
思わず花より団子です(笑)

石蕗も園芸品種には葉模様が美しいものがいろいろありますが
今年は庭の植えているもののうち黄紋石蕗がけっこう葉が増えてくれたので
この石蕗を二花五葉の三才格に、亀の花留を用いていけてみました。


荘厳華

2007年11月08日 | 嵯峨御流

嵯峨御流の伝承花のひとつ荘厳華は仏前を荘厳する花として誕生しました。
多様な枝を働かせながら、重厚かつ荘厳な雰囲気にいけあげます。
洋花の花材を使うことで仏前に限らず現代の生活空間にも飾ることができるとありますが
そう言われても…なかなか自ら楽しむ花としては受け入れがたく
このお稽古になると必ずといっていいほど憂鬱気分になってました。

先週の月曜は研究会の日、私がお稽古しているBクラスは
菊を用いた盛花だったので比較的早くに終わりました。
帰り際ラッキーなことにAクラスの教室のドアが開いていて中の様子を見ることができ、
(Aクラスはベテランの先生方の集まりである上級者クラス、
気軽に入ったりできません といってももちろん禁止っていうわけではありませんよ)
教室内の一瓶の花に目が釘付けになり、思わず全身がしびれたように足が止まってしまいました。
それはそれは美しくおごそかに活けあがったその方(先生)の荘厳華
まるで美しい仏像を見ているがごとくのような感覚
おもわず手をあわせたくなるような…
そしてその花を見た瞬間からあれほどお稽古するのが嫌で嫌でしかたなかった
荘厳華の花を稽古するのが楽しみになりました。

不思議なものです
週末にあった親先生のところのお稽古は偶然にもその荘厳華
草木を一瓶の器にたてることからはじまった「たて花」
それが「立花」へと発展しその流れの中で生まれた嵯峨御流の荘厳華
私もしっかりと心をまっすぐに立ててお稽古させていただきました。


柘榴

2007年11月03日 | 嵯峨御流

加村氏のご自宅の庭に柘榴の木があり、実が何個かついていたので
その枝を切って活けさせてもらいました。
柘榴は水揚げの悪い樹のひとつ
よって前日に枝をいただきに行き、
枝葉はできるだけ少なくし(実をより惹き立てるためにも)
切り口を木槌でたたいて深水につけ一晩養いました。

瓶花にするつもりでしたがいただいた枝3本でなんとか体・用・留の役枝が取れそうだったので
お生花にしてみました。
役枝の寸法など厳密にいえばかなり無理がありますが
それでもやはり器が良いとお花がひきたちますねぇ~






今岡山高島屋で嵯峨御流岡山司所の創立80周年記念いけばな展が開催されています。
そこでも備前焼きの器に現代的なアレンジ(心粧華)のとても素敵なお花がたくさんはいってました。

嵯峨天皇が嵯峨院(今の大覚寺)の庭内にある大沢池で菊を手折り
殿上の花瓶に挿されたことにより始まる伝統ある嵯峨御流のいけばな
会期は11月5日(月)までです。
是非ともご覧になってくださいませ。



掛け花にはキミノヒヨドリジョウゴとダルマ菊をいけてみました。