今年もまた先生宅の石榴を活けさせていただきました。
いただいた枝は3本、どれにもそれぞれ実が一つついてます。
大事なその実をいかすべくしばし持ち帰った枝をながめました。
自然の枝です。
お生花には決められた型があるとはいえ
去年と同じようにと思ってもそれは絶対に無理な話
どんな風にいけたらいいかその年のその枝にきいてみるしかありません。
後でわかったことですがくしくも去年と全く同じ日にこの花をいけていました。
加村先生宅に初めてお花を活けさせていただいたのが去年の10月2日
早いものでもう一年になりました。
この一年こうやって活ける機会をいただいたおかげで
沢山の花器と花に出逢うことができました。
その出逢いに感動した心をこれからも花をいけることを通して
すこしでも伝えていければと思います。
石蕗はつやぶきの転訛で、葉に艶があり葉形が蕗に似ていることから名付けられたそうです。
園芸品種の斑入りのものは思うようには増えてくれませんが
野生の石蕗は手をかけなくともどんどん増えてくれますし、
その花は必ず季節の訪れを知られてくれます。
今年ももう花が顔だしはじめたので早速いけてみることにしました。
去年は黄紋石蕗をつかって三才格のいけたので
今年はふつうの石蕗で立姿と横姿にいけてみました。
素朴な花ですが
こうやってお生花にいけることで
花が普段着から晴れ着に着替えたように感じるのは私だけでしょうか。
素朴な野の花の野にあるがごとく・・・いけるいけばなも好きですが
「ハレとケ」のごとくケの花をハレの花に変えてあげる・・・そんな華も好きなんです。
伝書ではこの石蕗について
『岩蕗(石でなく岩になってます)の挿方は用に大葉を入れ、
体に少し小さき葉を遣い、体用の添に小葉を遣う。
此小葉を力葉と唱う。
大葉大葉の間に小葉つかわざれば風流の姿出難し。
花は組葉の中に遣う・・・』
とあります。
加村先生宅のパーキングの横に大きな古い柿の木があります。
冬柿だそうです。
忙しくて今年は枝の剪定も摘果もできなかったとか。
そのせいか比較的小さな実がたわわについていました。
花材として使うには実はこぶりなほうが扱いやすいですね
ほんのりと色づいてきた柿の実
この柿を花材に使わせていただくことにしました。
いける前日、脚立に登って持参した携帯用の鋸でひいてみましたがいっこうに鋸が進みません。
加村先生宅の大きな鋸をお借りして再度トライしてみるものの
なかなかうまくいかず四苦八苦していたらみかねた先生が切ってくださいました。
(お年とはいえ、力が全然違った!)
その枝を持ち帰り枝葉を整理しました。
柿の葉は水揚げが難しいのでほんの数枚だけを残してすべてカットしました。
つかわせていただく花器はひとかかえもある大きな壺
これに水を張り整理した柿を挿すと長さがあわず再び鋸。。。
柿の幹は硬いです(泣)
なんとかいけた後には肩がぱんぱんにはっていました。
庭の手入れなどで鍛えてるので?!結構体力には自信があったはずなのに
これくらいのことでこんなに疲れるとは。。。年には勝てません。
やはり体力保持のためなにか運動はじめなくては。。。
昨日は生徒さんの稽古日でしたが前回の万年青に引き続き
葉物のお生花を谷渡りでいけていただきました。
葉のため方を教えていたらある方がスプーン曲げみたいだわと!
今までそんなふうに思いながらためていたことはなかったけど
まさしくその感覚かも!
曲がれ!って念じながら指先に神経を集中させて気をいれるかんじね^^
嵯峨三宝を使っての葉物のお生花にだいぶ慣れてこられたのでしょう
みなさんわりと短時間で綺麗にいけることができました。
お生花には決められた型がありそれを繰り返し繰り返し学んでいきます。
そしてその型と近い形にいけることができたと感じたときには
それなりの達成感を味わうことができます。
そしてそれが花をいけることへの楽しさにもつながっていきます
でもそれが安易にできてしまうものであればその場限りの楽しさであり
長く続けていきたいという気持ちにもならないと思います。
たぶん次回お生花をしていただくときは水仙です。
きっとみなさんがっくりされると思います。。。
滝田さんが木通を届けてくださいました。
綺麗な色に熟した実を大事そうにキッチンペーパーで包んで。。。
それもお稽古日の前日
いただいた木通を生徒さんにも見てもらえます!
なんというグットタイミング ありがたいことです。
さてどうやっていけましょう♪
実がついた蔓が一本と葉だけの蔓が一本。。。
でぱっと閃いた^^
せっかくだからいっしょにあのお気に入りの吐切豆も見ていただこう♪
でもこのふたつの実物いっしょに活けてあうかなあ
不安がよぎったものの決行です(笑)
大事な蔓を絡んだフェンスからそっとそっと採りました。
でも半分は残しておきました。
実がはぜた姿ももう一度みてもらいたいからね^^
そうそうそれから楽しみにしていた野生菊のひとつがこの日初開花
これもきっとなにかの縁
いっしょにいけてごらんなさいって声が聞こえてきたような。。。^^
木通
吐切豆
竜脳菊
洋風なチェストには不向きかなっとおもいつつも
明るいこの場所が一番見やすい
(いけばなの作品としてよりもまずは花そのものをしっかり見ていただきたいんです)
ただしこの場所写真を撮るには不向き
正面からだと後ろの鏡にあれこれ(私の含め)余計なものが写ってしまいます。
だからちょっと斜めから。。。
木通にとってはこの角度はいまいちですね
これもくらちゃんからいただきました。
以前山で咲いていたものを少しいただいて帰ったことがありましたが
養生せずに花瓶にさしていたらすぐに萎れてしまいました。
水揚げが難しいもののひとつです。
水揚げ事典を参考にして今回は塩水で2・3分煮たあと深水につけて養生してみました。
いただいて4日目まだまだとても瑞々しく元気です。
いっしょに挿しているのは芒でなくて荻
こちらのほうが断然穂が綺麗です。
この花こちらの地方ではみかけません。
北海道や本州の中部地方から北の地域の山地や原野、荒地などに咲いているようです。
活けるにあたってはその咲いている場所をイメージしてみました。
蔓ものですから何かに絡んでいますね。
倒木に絡ませることにしました。
取り合わせる花もできるだけ素朴な野山で咲いているような花を。。。
藤袴(残念ながら庭にあるのは園芸品種ですが)と丁字草
秋の訪れがはやい北国ではそろそろ紅葉(黄葉)も始まっているでしょうから
なにかしら色づいた葉を添えたかったのです。
庭で一番に黄葉していたのが丁字草でした。
そして最後に秋の空は突きぬけるような高くそして青い
その空を見上げるように生長した芒の穂を高く靡かせました。
唐花草
縞芒
藤袴
丁字草