先日三管筒を使って葉蘭のお生花を稽古しました。
竹器を箱から取り出す時はいつもどきどきします。
もちろん正真正銘?!竹でできているので、
保存状態によっては割れてしまうことがあるからです。
初めて買った三管筒は、日頃あまり使わないので
じゃまにならないよう本棚の上に置いてましたが
乾燥気味の部屋だったせいもあってか、
久しぶりに取り出してみたら見るも無惨なほどに筒3つとも割れました。
それ以来竹器は倉庫に保管するようにしています。
よせ筒をつかって花をいけるときは何本組み合わせても、
それをすべてひとつの花器と見なして調和よくいけることが大切です。
細かい約束事も多々ありますが、一番大切なのはやはり全体のバランス・・・
和室の真ん中で何度かおさらいを繰り返ししました。
その様子を見ていた娘が
一番低い筒の姿は自然ぽくて好きだけど
あとのはくせをつけすぎた葉があまり好きじゃないなあ~と・・・
お生花の花型の原則である虚実等分、
しかしながら生けあがった姿には実の姿より虚の姿が強すぎ
バランスが悪くだから受けた印象として違和感を感じたのでしょう。
まったくの素人とはいえ、
率直感想を言ってくれる娘の存在はありがたいものです。
伺ったのは日本画、エッチング、ベンガラ染め、リトグラフ、陶芸と
多種にわたる制作活動で独自の世界を表現なさっている方のお宅です。
作品展は何度か拝見させていただいてましたが
ご自宅におじゃまさせていただくのは初めてです。
今までの作品を綴ったアルバムを見せていただきながら
制作活動についてのお話などきかせていただきました。
そしてそろそろおいとまさせていただこうかと思う時間になって
先生から持っていった花を生けてみてと言われました。
どの器を使ってもいいから・・・と。
もちろん先生がお作りになった花器です。
突然の申し出にどきどきはらはらわくわく・・・
花をいけるってある意味いつも即興ではあるけれど
器を決め花を選ぶ、またはその逆そのどちらともいいがたいこの状況
ましてや心の準備のないままだったので一瞬かなり焦りました。
それでも最初に手にした枝(ちゃがら)をそっと器に入れてみると
しっくりと器におさまりました。
個性的な作品でありながら何物も受け入れてくれるおおらかさ
先生のお人柄が作品ににじみ出ているようです。
ふと気づいたらいけることをめいっぱい楽しんでいる私がいました(笑)
ベンガラ染めの屏風(これも先生の作品です)の前に飾ってみました。
今日は嬉しいご縁でご自宅におじゃまさせていただくことになりました。
それで庭に咲いている菊を摘んで花束を作ってみました。
摘んだばかりの状態です。
こんな状態のものばかりではありませんが地植えし、無施肥、無摘芯、無農薬
そしてほとんど無灌水… 野にあるがごとく育ったものです。
まずは枯れた葉や繁り過ぎた葉をはらい清めました。
そして花束にする前に綺麗になった姿をみていただきたく瓶にさしてみました。
これは野生菊の薩摩野菊
ほんのりと花びらに紅がさします。
ぼんやりとしか蕾は写ってませんが、蕾も淡紅色でとても愛らしいです。
同じく野生菊の足摺野路菊
これは白い縁取りが際だつ丸っこい葉が個性的です。
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黄色の野菊は泡黄金菊(あわこがねぎく)だと思いますが
似たような菊をもう一種植えていてどちらなのかはっきりしません。
(もう片方は絶えてしまいました)
紫色は野紺菊の選抜種で紺菊と呼ばれている菊だと思います。
これは野生種ではありません。
以前山野草を扱った本で、菊を分類するのに
野に自生しているものを野生種と呼ぶのに対し
そうでない菊、つまり交配によって作られた園芸品種を『家菊』と呼ぶとありました。
これは正式な分類ではないのかもしれませんが
園芸品種の菊ってよぶよりなんとなく風情を感じるので私はこの呼び名を使おうと思ってます。
家菊のこれは知りあいからいただいたもので
かなり前からその方のお庭であったものだそうです。
-----続く-----
野生菊とはもちろんのこと園芸品種の栽培菊のなかでも
特異な趣を持つ嵯峨菊
先日大覚寺で観た姿を思い描きながら
鼎の銅器にいけてみました。
また大覚寺で見た嵯峨菊の様子をもうひとつのBlogに載せました。
よかったらそちらもみてください。
http://blog.goo.ne.jp/niwanohanako/e/438587e5a01d52935c703b87f37c911b
朝ゴミを出しに外に出たら、お隣さんの玄関前に束ねた枇杷の枝がありました。
これってゴミに出すために置いてあるんだわと思ったと同時に
「おはようございます~♪」
もちろんいただきましたとも!
ラッキーなことに枇杷の花の時期です。
早速石組をつかってお生花にいけてみました。
枇杷の花はあまり目立ちませんが
蕾は暖かそうな産毛に包まれているし
白い小さな花からはとてもよい香りがします。
でも初冬のこの時季に花が咲くということ案外知らない方も多いのでは。。。
それゆえに季節感をだすために石蕗の花をそえてみました。
お生花にいけたものは主に脇から伸びた花茎を使いました。
主幹の花はといえは・・・ハイ!もうそれはそれは立派になりまして…^^
先日飾盛体にいけた蔓梅擬の枝をつかって瓶花にいけかえてみました。
真ん中にどんと!
迫力ある姿です。
最近鶏頭は色や質感もとてもおしゃれになって
一時前まではダサイ?!お花の代名詞のひとつだったように思っていたのに
今や秋と言えば鶏頭!といいたくなるほど人気ですね。
本にもそんな鶏頭がいっぱい登場してます。
庭にも一種類、鶏頭を植えてます。
でもそれは昔ながらの鶏頭!
ネットで知り合った方のお庭にずっと以前からあったものだそうで種を送ってくださいました。
その鶏頭がこのところの朝晩の冷え込みで茎葉までも赤く染まりとても綺麗です。
とかく花序部分ばかり注目されているけど
足の先から頭のてっぺんまで鶏頭って綺麗なんだあ~
改めてそのよさを知ることができました。
だからもちろんその美しい姿態をみていただきたくて
鶏頭一種でお生花にいけてみました。
鶏頭の葉は水揚げがあまりよくないと言われてますが
切り口に塩をすり込んで深水で養ったところ
今日でもう五日になりますがまだまだ葉もいきいきしています。