こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

山形米を、また拒絶することになるかも

2009年09月03日 09時17分18秒 | Weblog
 昨日、山形県新しい品種「つや姫」の先行販売についての打ち合わせがあった。

そこで、真っ先に問題となったのが、先行販売ということもあるのだろうが、玄米でお米を流通させるのではなく、産地で精米したお米を販売したいということ。

それを聞いたら、即座に自分は、続く言葉をさえぎって拒絶してしまった。

産地で精米するということは、産地で精米して1日、流通に乗せて1日、米卸から届くのに1日。
最低でも3日たってしまっているお米が店頭に届き、それから販売を始めなければならない。
つまり最初から精米日が古いお米を販売しなければならないということなのだ。

自分たちの店舗は、消費者に玄米を選んでもらって、それを買っていただいてから精米するという、精米したての美味しさを提供している。
よって、精米してから3日もたってしまったお米なんて、消費者も古いと感じてしまって、購入意欲が無くなってしまうことは明らかなので、店頭に置くことすら出来ないのだ。
それが、山形県にとって最後となるかもしれない、貴重な新品種だとしたら、なおさらのことだ。

山形県は、「はえぬき」「どまんなか」のデビューのときの戦略ミスを忘れてしまっているのだろうか。
あの時も、デビュー前は「山形県の指定の米袋を、各店が作成すれば、その店には玄米販売をする」というので、自分は「はえぬき」「どまんなか」の米袋を実費で作成したのだが、いざ販売となったら「玄米での販売はしません」となったのだ。
そのため、自分の店は「使用できない米袋」を2万枚弱抱えてしまって、大損害を出してしまったのだ。(この袋は、今も残っている)

だから、当時としては魅力あるお米だったのだが、それから5年以上、一切店頭に置くことを拒絶し続けたのだ。

新品種にとっては、デビューしてから3年間が一番大切で、その時に消費者に覚えてもらったり、食べてもらえなければ、そのまま日の目を見ることが出来なくなってしまうのが、ほとんどなのだ。
そのことを覚えているのなら、まずこんな提案はしてこないはずなのに・・・

もしも産地精米での販売となったら、10月11日から行われる予定となっている、スズノブ玉川島屋店での「新品種先行販売」については、いくら山形県知事が出向いてくるといっても、実施させることが出来ない。

スズノブ玉川島屋店も、全て玄米で販売する店なのだから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする