脱法ドラッグによる事故が連続している、どのくらい取り締まられているのか、事情通のB君に聞くと、
「3割ぐらいでしょう」
「そんなもんかい」
「そんなもんでしょうね」
「なんで分かる」
「末端価格が安くなれば、それ以上、出回っている、高ければ税関や警察に押収されている」
「それは、ヘロインや麻薬・覚醒剤のことだね、脱法ドラッグはネットで購入できる」:
「化学式が違うので追いつかない、分析して禁止にすると次のドラッグが開発されている」
街に出回っている価格をみれば、どのくらい摘発されているか分かる、これには感心した、
「需要があるんだ」
「ストレスが強いからね」
一般の主婦でも手を出す人がいる、
「それに、フラフラしている人が多い」
「ダンカイだね」
「だから、ねー 次のターゲットはダンカイなんでしょうね」
団塊の世代が、この国の中心勢力だった頃、プラスよりもマイナスが目立ったのだろうか、そこを若手サラリーマンが突く、
1、優柔不断・常に曖昧(あいまい)
2、決断力が欠けている
3、大きな識見が無い
4、組織ばかりに目を向け、部下のアイデアを取り上げない
いいプランを出しても、
「上に聞いてみる」
3週間後、
「マーケット調査をしている」
1カ月後、
「次の会議で取り上げてみる」
その1カ月後、
「ライバル会社が商品化した」
「・・・」
「だから、ダメね」
当時、なぜ若手のサラリーマンが、団塊の上司を、そんなに嫌ったのか、それは、若い彼らの多くが、外国に出かけ、さまざまの体験をしたからで、この国に対して高い評価をする者が出てきた、
1、モノが盗まれない
2、なによりも平和である
3、ほとんどの日本人が親切
4、つり銭をごまかすことがない
5、外にある自動販売機が壊されないのは日本ぐらいだ
3は日本の再評価だろう、1か月のアメリカ調査から帰って、にぎりスシとアサヒビール、それが胃にしみ心にしみた、
「ああ うまい」
「日本人に生まれてよかった」
4・5は苦労したんだろう、イヤな目にあったようだ。それに対して、団塊の世代のニヒルな態度、自分たちの国をこれっぽちも評価しない・感謝しない、それは戦後教育の成果であり、なにごとにつけて、その場逃れの無責任さが染みついてしまっている、信念がないのだ、ひたすら組織と会社にだけ忠節を示す・示すふりをする、ついに、
「ダンカイのクソヤロー」
「なにも、そんなに言わなくたって」
「おまえもなかまかー」
「あわあわあわ」
新しい日本人ができつつあった、だが、どうしたことか、勢いが失せた、やはり、この国は共同体の伝統が強く、それは形状記憶合金のように、ほとぼりが冷めるとモトに戻る、こうして自由でユニークな精神が否定されてしまう、結局、企業の締め付けが強いということか。
壁をよじのぼるロボット、1個1個のモーターが考えることができ、しかも連携する、これを持って、ニッポンの大手企業を回ったのだが、全部ダメ、
「聞いてもくれないんです」
勇を鼓してアメリカの技術展に出品するとタイヘンな反響、
「協同研究をしましょう」
「どうか出資させてください」
アメリカに取られてしまう、考えることのできない日本のトップはものの価値が分からない、どれだけのいいプラン・アイデアをにぎりつぶしてきたことか、わかったような顔をしているがおそまつなもんだ、なんてつまらない連中なんだろう、
「世の中は さようしからば ごもっとも
そうでござるか しかとは存ぜぬ 」
自分の地位・立場だけが大切なのか、戦後の教育は「百万人といえども我行かん」、明治大正の男たちの勇気と覇気を喪失してしまった、団塊の世代には理想がない、大局が分からない、分かろうともしない。