「ところで、青い瞳の日本人と失われたユダヤの10部族の関連はどうかな」
「関係ないんじゃあない」
「『関係ない』って、ずいぶん他人事だね」
「まず来たかどうか分からない」
「それは来たかもしれないっていうことでもあるんだろう」
「ないことはない」
「あるんだ」
「だけどね、その集団がユダヤ人であるかどうかが問題だろうね、つまり、すでにユダヤ教を信じていなかったかもしれないじゃあないか」
「ユダヤ教を信じている人がユダヤ人、ユダヤ人の母親から生まれた者がユダヤ人っていうことだったね」
「だから、BC537年にバビロニアの幽囚から解放されて『霧深き山の彼方に消えた人々』は、その時、『乳と蜜の流れる』地を捨てている、だから、それは・・・」
「棄教していたかもしれないということか」
「そうであるならば、メノーラやトーラが無くてもいいということになる」
「・・・ 」
「だが、その集団はユダヤ人とは呼べない」