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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

結婚の条件

2009-09-03 10:05:00 | 中国語
 我らが初代中国語講師のY氏から仕事で来盛中という電話をいただき、思いがけず8年ぶりにお会いした。

 現在Y氏は、上海近隣の都市の大学で教鞭を執っている。
現在仲間は6人に減ってしまったが、Y氏から中国語を教わっていた全盛期には30人以上のメンバーがいた。
熱心で優秀な講師だったので、故国での現在の成功はとても嬉しい。
三階建ての家を買いましたよ!大きな犬もいますよ!
......これが現代中国のお決まりのステータスシンボルなのであろう。

 ところで現在の講師のS嬢(上海出身)の話では
中国人女性の結婚の条件は『ローン無しの家』を男性が持っていることだそうで、家を持っていない(買えない)男性は絶対に結婚できないというのだ。
日本のように、結婚してから夫婦でお金を貯めてマイホームをという発想はなく、あくまでも男性本人か男性側の両親が用意しなければならないという。

 都市部富裕層の子女だけの現象かと思って聞いていたら、どうもそうではなさそう。
「賃貸の家は新居にならない」という通念が一般的で、結婚して賃貸住宅を借りることは、家族間においても社会的にも通用しないらしい。
男児が生まれると、両親の経済的負担は当然増える。
住宅の価格が高騰しているので結婚難民が増加しているという話だ。
S嬢にも婚約者がいるが、すでにマイホームは用意されており結婚の許可も下りているとのことだ。
 
 中国の母親は大変だ。
孫が生まれたら孫を預かって、その世話を全部しなければならない。
若夫婦たちはたとえ何年間海外にいても、子育ての心配を一切することなく学業や仕事に専念できる。
母親たちもまた、孫の世話が唯一の生き甲斐であり喜びでもあるそうだ。
カルチュアセンターで、いつまでたっても進歩しない他国の言語を勉強しているふりをする女たちなんて一人もいないことだろう。

 もし私が中国に生まれていたら.......
文化大革命では、運悪く両親が粛正され私も農村に下放され
天安門事件では自由と解放への挫折と無情に涙し
国家の発展のために懸命に働き
化粧もせず旅行にも行かず、息子のマンションを買うためにせっせと貯金し
老いては自分の時間のすべてを孫の世話と教育に費やす
......という図式の人生を送っていたのだろうか?

 「子は子の人生、親は親の人生を生きるべきではないでしょうか?
との疑念をはさんだ私に、S嬢はきっぱりと
中国ではnihaoさんのような考えをする母親はひとりもいません!
と否定されただけではなく、私のような暮らし方(子どもと別居、孫なし)は、中国では不幸な女性の代表格らしい。

 何と言われようと、中国のお母さんでなくてよかったとほっと安堵だ。

 



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自立を (umi)
2009-09-03 11:04:19
させない親たちは今の日本でもたくさんいますよね~
子供が結婚しても例え別居でも何とかかかわっていたいという・・;

自論だよ、口を出し、手を出し、金を出し、結果疎まれて泣いたり怒ったり
それで自分は間違ってないと言い張る同窓の方々、私の周りにはウヨウヨいるよ・・^^

>カルチュアセンターで、いつまでたっても進歩しない他国の言語を勉強しているふりをする女たちなんて一人もいないことだろう。
誰でしょう^^

中国も今の若い世代が親になった頃には今の日本のような親世代と子世代は別ヨ!言い出すかも?
だって今の自由を孫の世話で明け暮れしたくないと思うようになってるかも。

でも娘には家付きを、息子には協力して頑張る嫁をと思うヨ。勝手な親心

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umiさんへ (nihao)
2009-09-03 15:39:34
中国の両親は、子どもの新居購入までを生活設計の中に組み入れてお金を貯めているみたいで、そこが凄いなと思います。
だから中国では男児が3人もいれば、両親は破産状態だそうですが、それでもしきたりを踏襲しようとするところが、日本人には謎ですね。
確かに親子関係は濃密ですが、親が絶対的存在というところがちょっと日本とは違う。

>今の自由を孫の世話で明け暮れしたくないと思うように
中国5千年悠久の歴史観から見ていくと、そうなるとしてもまだまだ先のことかもね。
子どもにしてみれば中国の親の方が都合がよいかもしれませんね。
>娘には家付きを、息子には協力して頑張る嫁を
あはは、これは正直な親心です。
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Unknown (京こまめ)
2009-09-03 18:22:07
どこも母は大変なんですね。でも子供だけはしっかり両親が育てたいですものです。
我が家では今、次女の進学問題で頭を悩ませています。ああでもない、こうでもない
と話し合う、これも喜びのひとつかな。精神的にしんどいけどね。お金の問題もあるし。
結婚の条件・・こりゃまだまだですぜ。日本に生まれてよかったぁ。
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こまめさんへ (nihao)
2009-09-03 20:44:37
私も、子どもは親が育てるのが基本だと思うのですが、中国では退職した祖父母が育てるのが普通だそうです。
どの国でもお母さんは大変だけれど、中国のお母さんは特に大変です。
その上家まで用意しなければならないなんて、若者が買えるわけはないのだから、親の負担はかなりのものです。

こまめ家も次女ちゃんの進路相談の季節を迎えましたね。
考えれば考えるほど悩みが増えて具合が悪くなってしまいます。
最終的に決着がつくまでまだ半年はあるから、頭も胃も痛くなりますね。

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中国的母 (うらら)
2009-09-04 13:37:02
友人の一人に孫娘を育てている人がいます。
出来ちゃった婚で結婚したお嬢さんの子なのですが、パパが単身赴任から戻った時「まだ二人の生活を楽しみたいので」というお嬢さんの希望で彼女は母親変わり。
彼女は離婚して独り身であることもあり、孫を育てて生活費の援助を受けているのですが・・・
色々な理由から彼女が生活の拠点を移す度にお孫さんも彼女と共にあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
小学校入学時には娘さん夫婦の元へ返すそうだけれど、幼い時に両親と別れて暮した事がどのような影響を及ぼすか。
子供を預けっぱなしで平気な親の心情も理解できません。
いかに中国でもこのような預けっぱなしは無いでしょうね。
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Unknown (およよ)
2009-09-04 14:38:33
以前、何かで読んだか聞いたかしたコトだったのですが 当時中国では男女平等と言うか、国民全て公務員なので夫婦共働きは当たり前。って話でした。きっと今 孫を見ているお母さん達もそうやって来たので当たり前の幸せなんでしょう。

持ち家が条件って…中国は経済発展が すごく早いので結婚の条件もどんどんエスカレートしているんですね~。
ちょっと前まではクーラーとTVだった様な。。?
一人っ子政策が続いているので 兄弟の無い孫達は 従姉妹達と一緒におばあちゃんに育てられる人も居るみたいです。
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Unknown (風の又三郎)
2009-09-04 18:25:10
「勉強しているふりをする女たちなんて・・・」。

Umiさんと同じところに反応してしまいました(^^)
ほんとは一生懸命やっていたとしても自分の事を
「ふりをしてる」とか「さぼってる」とか、
気負いのない表現は、すごく好きで笑っちゃいます(^^)

うららさんの記事のお孫さんの話は本当に気の毒でかわいそうに思います
子供が小さいときこそ、産みの親が一緒にいてやり、愛情をたっぷりと注いで欲しいものですね
そのあたりで親が手抜きをすると、どこか欠落した大人に成長する
子供の頃に愛情をたっぷり注がれた子供は大人になっても
他人に愛情を与えられて、他人を大事に愛する事ができるけど
そうでない子供は大人になってから他人に愛情を与える事が出来ず、
逆に欲しがるので人を愛せないとありました

親が子供に残してやるべき遺産は金銭や財産はではなくて
人を思いやる事のできる優しい心を持つ人間に育てる事だと思うのです

なんちゃって(^^)
あたしゃ金銭がいいなあ~ と誰かの呟きが聞こえてきそう(^^)
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うららさんへ (nihao)
2009-09-04 18:57:06
まだ二人の生活を楽しみたいという理由でお子さんを預けるなんて、いかにも出来ちゃった婚らしいドライな発想だけれど、お子さんの気持ちや行く末を考えると悲しくなってしまいますね。
幼児期の親子関係の重要性が叫ばれているのに......。
生活費の援助をするから『ギブ&テイク』と割り切れるものでしょうか?
親の再教育が必要ですね。

中国の場合は、子どもは国家が育てるものという社会通念が存在しているから、日本のように「子育ては親がする」という常識は該当しないのだと思います。
生活を楽しむために子育てを放棄するということはありえないのではないかしら?
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およよさんへ (nihao)
2009-09-04 19:16:03
およよさんが仰る通り、中国では夫婦共働きなので孫の面倒を見ることは、全く普通のことのようです。
中国の女性たちは皆、祖母になって初めて母親らしいことをすることになりますね。
だから余計孫の世話を楽しみにしているのかもしれません。
以前の中国語講師が盛岡で出産したとき、お母さんが来日して半年ぐらい世話をした後、赤ちゃんを連れて帰って行ったからビックリしたものです。

持ち家が結婚の条件って......女性にとってはまたとない好条件だけれど、男性は大変ですね。
これは深刻な問題に発展しつつあるようですよ。
「手鍋下げても」という女性はいないのかしら? 私のような.....
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又三郎さんへ (nihao)
2009-09-04 19:56:20
>勉強しているふりをする女たち
中国には、カルチュアセンターなどで趣味に興じているマダムはいないそうです。
みんな孫の世話に忙しいんですね。
「ふりをしている」は謙遜でも気負いのない表現でもなく、全然進歩しない言い訳、もしくは開き直りかな?

子育ても国の歴史や風土によって、様相が大きく異なるものですね。
親子関係だけに依存しても欠落するものがあるでしょうし、祖父母だけに依存するのも心配だし......。
一番大切なものは、又三郎さんが仰るように「たっぷりの愛情」ですね。
それと子ども自身の自助努力にも期待したいものです。

中国の留学生たちの親子関係も密接で、前の講師は家族の話をする度に泣いていたし、今の講師は週に3回、3時間のお喋りを親とすることを自分に課しているそうです。
彼女たちを見ていると、親に育てられたとか祖父母に預けられたとか、全然関係がないような気がしてきます。

>親が子供に残してやるべき遺産は金銭や財産はではなくて
いや~ぁ、これは否定できないでしょう(笑)
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