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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

誰も寝てはならぬ

2008-10-17 10:00:04 | Weblog
 ソフィア国立歌劇場『トゥーランドット』の余韻がいまだに消えない。
数少ないオペラ体験しかないが、今回が一番 ブラボー!
荒川静香、パヴァロッティですっかり有名になったアリア『誰も寝てはならぬ』を始めとして耳慣れた楽曲が多いし、ドラマの筋書きもめりはりがあって楽しめる。
オペラの醍醐味満載だった。


         


 『トゥーランドット』は古い中国の時代を想定した架空の物語。
氷のように冷たい美女トゥーランドット姫と結婚するためには、三つの謎を解かなければならないのだが、失敗すると首をはねられてしまう。
そこにダッタン国王と女奴隷リュー、王子カラフが現れる。
姫にひと目惚れした王子は謎解きに挑戦、みごと正解するのだが姫は結婚することをかたくなに拒む。
そこで王子は姫に
「明朝までに私の名を解けたなら私の首をはねてもよい。」
と逆提案する。

 「男の名が分かるまで誰も寝てはならぬ!」

姫から命じられた家臣たちは女奴隷を責め上げるが、王子を愛するリューは口を割らずに自害してしまう。
この場面のリューの抒情的なアリアは圧巻。
愛のための自己犠牲を目にした姫の氷の心がついに溶け始める。
彼の名がわかった! 彼の名は愛!
トゥーランドット姫が叫ぶラストの台詞は感動的だ。

 ところで......中国が舞台なのにトゥーランドットという名前は不自然だ。
私が漢字表記を考えてあげよう。
昨今のニュースを耳にすると、あれこれ迷うまでもない。
突然毒吐』 発音は(turan du tu)カタカナ表記だと(トゥーランドゥトゥ)
氷の女の名にもピッタリ?

 難解で敷居の高いものに思われがちなオペラだが、物語の内容も昼メロのようにたわいないし、決して高尚なものではない。
音楽・文学・演劇・美術等のすべての芸術を融合した最高の娯楽がオペラだ。
同時和訳もされるし、音楽の知識はまったく不要。
私のように音楽の心得のない者のほうが、むしろはまってしまうかも。

 この楽しみを知ってしまうと二度と抜け出せなくなってしまう。
 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (風の又三郎)
2008-10-17 20:59:21
いいものを見ることができてよかったですね(^^)
トリノオリンピックで荒川静香のフリー・プログラ
ムでの荘厳な響きが今も耳に残っているかのようです

プッチーニのトゥーランドットが出す三つの謎の
答えは、「希望」「血潮」「トゥーランドット」
で、この謎は、ゴッツィの原作戯曲ではもともと
「太陽」「年」「アドリアの獅子」とありました

フリードリヒ・シラーがゴッツィの戯曲を
ドイツ語の台本に翻案した際のこの謎は
「年」「眼」「鋤」に書き換えられ

さらに、ブゾーニのオペラでは
「心」、「習慣」、「芸術」とされており
プッチーニのものはこれらのいずれとも異なる
のですね。舞台は中国紫禁城というのが
曲のイメージとミスマッチな感じもしますが
nihaoさんの記事にインスパイアされて
一度見てみたいと思いました
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Unknown (HUZU)
2008-10-17 21:37:06
本当に私も見てみたいと思いました。オペラなんて音楽に興味のある人が見るものだと思いましたが、こうやって解説が入ると興味がわきますね。
トゥーランドットが何故中国なんだろうと思ってましたが、解明しました。
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又三郎さんへ (nihao)
2008-10-17 22:11:35
『誰も寝てはならぬ』のアリアは、パヴァロッティで今までどれだけ聴いたことか......。
馴染みになってしまった曲なので、オペラ『トゥーランドット』鑑賞はとても楽しかったです。

トゥーランドット姫の出す謎は舞台の山場です。
いろいろな謎があるのですね。
私は三番目の謎だけは解けて、ひとりでニンマリしていました。

機会がありましたら、演目厳選のうえ是非お出かけ下さい。
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HUZUさんへ (nihao)
2008-10-17 22:20:04
オペラは、宝塚やミュージカルを見るのと同じ感覚で気軽に行けますよ。
今度いっしょに行きましょう。
歌声には絶対しびれるわよ。
私はいつも車の中で聴いているのですが、しびれながら運転しています。危ないわね。

中国が舞台だったのでエキゾチックな雰囲気で、それがまた一段と効果的だと思いました。
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Unknown (京こまめ)
2008-10-18 09:32:44
nihaoさんの記事は、私のようなものでもとても分かりやすく
ユーモアたっぷりに書かれていて、いつも感心しております。
オペラもなかなか馴染めないところがありましたが、nihaoさんの
解説で少し分かったような気になってます。
ただ、音楽だけが分からずYou Tubeで〈誰も寝てはならぬ〉を
聴いてみました。すごいじゃありませんか!これを生で聴けたらなぁ。
ついでに荒川静香さんを思い出してイナバウアーまでだらだら見てしまい、
やっと戻ってきました。
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こまめさんへ (nihao)
2008-10-18 11:11:17
そうか! You Tubeという手があったか!
こまめさんも『誰も寝てはならぬ』しびれたでしょ?

そこで私も......。
ドミンゴとパヴァロッティと比較して聴いてみましたが、やっぱりパヴァロッティの方が好きです。
在りし日のパヴァロッティを思い出し、アヴェマリアやその他の曲も聴き、ついでにイナバウアーも見て.....パヴァロッティの公演を一度だけ見ている私は、涙が出そうになりました。
ああ、今日は何にも手がつけられない感じです。

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パヴァロッティのおもひで (風の又三郎)
2008-10-19 20:25:45
思い出しました!
以前nihaoさんがパヴァロッティ関連
記事でご主人の「パパラッチか?」
の発言に憤慨(^^)しておられたのが非常に
面白かったので記憶に残っています
時々登場するユーモラスなご主人の一言は
いつも笑ってしまいます。

トールペインティングの記事では
してやったり顔のnihaoさんに
「おい!家中に落書きするのはやめてくれ!
貧乏くさくてたまらんぞ!」との発言に
そんな言い方はないだろうかわいそうにと思い
ながら、大笑いしてしまいました(^^)ごめんなさい

ところで腸の検診は定期実施されたほうが
良いと思いますね。大事にしてあげてくださいね
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又三郎さんへ (nihao)
2008-10-19 22:05:23
夫は未だにパヴァロッティはパパラッチです。
何度教えても覚えてくれません。
なんと無粋な!
まあ仕方ありませんね。
でも退職後は、ひとつぐらい共有する趣味があってもよいのではないかと、ただ今模索中です。

丈夫だとばかり思っていた夫も、長年の無理がたたって(私の健康管理のミスともいう)かなり弱っています。
又三郎さんもどうか体調管理にはぬかりなく!


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