第29回いたばし国際絵本翻訳大賞 結果発表(2023.2.28)@いたばしボローニャ絵本館
第28回に引き続き 第29回いたばし国際絵本翻訳大賞の結果発表です:
結果は こちら
英語部門776件、イタリア語部門266件(最多)の応募作品がありました
いずれも締め切り前にエントリー終了しました
受賞された皆様 おめでとうございます🌸
というわけで いたばしボローニャ絵本館に 早速入賞作品を読みに行ってきました📖
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イタリア語部門の講評は こちら
課題絵本 "Prima di dormire"は イタリアで人気のGiorgio Volpe と
Paolo Proietti の名コンビによる 心がほっこりと温まる
キツネとヤマネのお話でした
今までよりも文章量も少なく シンプルなイタリア語で そのためか
過去最多のエントリーがありました😊
ただその分 ひとつひとつのミスが大きく響きます
最初 ヤマネが登場した時にはまだ ヤマネという言葉は使われていなくて
あとになって ヤマネ(ghiro)という単語が出てきます
なので最初から親切に あるいは先走ってヤマネという言葉を使っては
子どもたちの興味を削いでしまい ワクワク感がなくなってしまうのですね
絵本は 訳文も 基本的には原文とおなじスペースに納めなければならず
付け足しすぎてはいけません
キツネの名前 Rosso Bel Peloをどう訳すかも 工夫が必要ですね
fare tanaは かくれんぼをする等ですが 詳しい説明はネット等で内容を
把握して 訳に生かすとよいとのこと
その他の成句をしっかり把握しながら 余白を大切にしながら
絵本の世界観を表現することが求められているのですね
子供は気に入った絵本を 毎晩読んでもらい いつのまにか
丸暗記してしまうものです そんな姿を思い浮かべながら
もう一度訳文を推敲してみてくださいとのことでした
また 読んでみて こなれた訳にほれぼれしました
もうすぐにでも読み聞かせできるような...
あとは 子どもには難しい漢字は 使わない方がよいかもしれません
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英語部門の講評は こちら
英語部門は人数が多く 一次審査があり さまざまな点をチェックされ
28 作品が最終選考に進みました
タイトルの「wish」の訳は 大賞の「ゆめわたげ」が秀逸ですね!
いかにイメージをふくらませてタイトルを日本語で生み出すか...
韻を踏んでいるところをどう訳すかも 悩ましいですね
原文のリズムのよさや 音読したときの楽しさを伝えることが大切とのこと
キャラクターの一人称を「ぼく」「おいら」「わたし」「オレ」と訳し分けて
それぞれのキャラクターがくっきりと“立って”いるのはさすがですね
対象年齢が意識されているか 原文にない勝手な補足がされていないか
といった 基本的なことのクリアも必要です
第29回いたばし国際絵本翻訳大賞の募集のお知らせは こちら
いたばし国際絵本翻訳大賞は こちら