日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「放射能という"津波"」出版記念イベントに行ってきました(2011.6.29)

2011年06月30日 | イタリア関連の催し
「放射能という"津波"」出版記念イベントに行ってきました(2011.6.29)
Presentazione del libro”Tsunami Nucleare" di Pio d’Emilia



このイベントは ここ数年私が参加してきたイタリア文化会館アニエッリ・ホールでの催しの中でも 最もエキサイティングなものかもしれません(昨年のソフィア・ローレン来日の時よりも!) 折しもその前日に東電株主総会が開かれましたが、この日も日本在住のイタリア人の間で緊張した質疑応答が繰り広げられました
 
また会場にはさすがにイタリア人の姿が多く 日本在住のイタリア人の著名な方々 各国大使 そしてなんと着物姿のご婦人は誰かと思いきや 管信子首相夫人とのこと 
開始直後にはそして管首相からの電話まで入りました(!) 民主党の若手議員も来ていました


SkyTg24のリポーター、元イル・マニフェスト紙(日刊紙)の特派員ピオ・デミーリア氏が 災害地の最前線で過ごした30日間の記録をイタリアで出版
外国人記者で唯一 福島原発正門までたどり着いた氏は 事故を過剰に伝えて本国の人々の恐怖心を煽る傾向のあったイタリアのマスメディアの修正役を務めたという 日本に長いジャーナリストです 日本語版は近々出版予定

ペトローネ在日イタリア大使の挨拶に続き 放映されたデミーリア氏の取材レポート映像では あの地震の時の映像 津波 爆発する福島第一原発 黒澤明監督の映画「夢」での原発が爆発するシーン ガイガーカウンターを向けられる子ども 避難する住民 原発の正面玄関前 鳴り続ける放射線探知機 そして中でも(殺処分命令が出る前の)餓死してゆく家畜たちの悲惨な映像…日本ではあまり報道されていないものでした 氏は地震直後 大使の避難を勧める電話にも動じず取材を続けた方です

続きデミーリア氏の同僚ジャーナリストScilla ALECCI氏が 「情報のツナミ」と題して パワーポイントで発表 大手マスコミ(東電により支配され真実を伝えきれていない) インディペンデントメディア(フリージャーナリスト等) ソーシャルメディア(SNS等) そして外国メディアの4つの特色に触れ 誤った情報が伝わるリスクや それを正す試み 真実を伝える在日イタリア人のグループ"Shinjitsu"の紹介と続きました

 続くパネルディスカッションは 著者のピオ・デミーリア氏/Pio d’EMILIA (SkyTg24リポーター)、田口ランディ氏 (作家) Randy TAGUCHI、桜井勝廷氏(南相馬市長) Katsunobu SAKURAI 、ウンベルト・ドナーティ氏(イタリア文化会館館長) Umberto DONATI の4名によって行われました

「今もまだツナミの最中にいる」と訴える南相馬市の桜井市長は 昨日の東電株主総会で脱原発に賛同 元酪農家であり 水よりも安い牛乳を絞って生きている人々がどんな思いで殺処分を受け入れたか 誰かの犠牲のもとに命が繋がれているということを話されました

 「ふくしまキッズ」プロジェクト(この夏に700人の福島の子どもたちを北海道のロングサマーキャンプに出すという5年プロジェクト)を立ち上げたことを紹介する 作家の田口ランディ氏 彼女は続いて なぜ被爆国である日本が原発を導入してしまったのかについての 当時の詳細な分析を話しました これはこの本にも紹介されているとのこと

これに続く質疑応答はなかなかに緊張したものでした 質疑を遮ったイタリア人が「原発は危険であり 地震国日本には合わない これが真実だ」と訴えた時 残念ながらトラブルのためか同時通訳が入りませんでしたが 必死で聞き取りました(;^_^A
「日本のジャーナリストはその役割を果たしていない 国とグルになっている」と発言したデミーリア氏は これから本の続きを考えているとのこと 


それにしても ものすごい早口でまくしたてるイタリア語を同時通訳するのは 本当に至難の業だと思います すべてを訳しきれるものではなく 途中自分の聞き取りで補完しながらなんとか意味をつかもうと必死でしたが 3時間あまりのこのイベントを逐次通訳でやるとなると 6時間はゆうに超えてしまうでしょう…本当に主催者の皆さま お疲れ様でした!!

会場には 著書のみならず福島プロジェクトのバッジや物品販売なども行われ ラストは南相馬市への募金の贈呈セレモニーで無事閉会となりました 
急いで家路につきましたが あのあとビュッフェがあり そこではまた討論の続きが行われていたのでしょうか…

つたない紹介で不備もあるかと思いますがご容赦ください こんなすごい場所に来てしまった…という気持ちです 緊張しました~(>_ふくしまキッズ/  http://fukushima-kids.org/
イタリア文化会館/
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo

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