新型コロナの感染拡大が止まないが、比較的軽症が多いこの感染症に医学・生物学的要素の他に心理・社会的要素が密接にかかわっている。
前世紀に始まったシステム論は、扱う事象を生物・心理・社会の三側面から統合的に把握することを目指すものであり、特に精神医学において重視された。
精神疾患は基本的に脳の生理学的障害であるにしても、それに精神的ストレスや社会的人間関係が深く関わっており、
脳の生理と薬理にばかり注目していると、いわゆる薬漬けの医療に堕落してしまう。
新型コロナの場合、単にPCR検査や重症患者の治療や軽症者の生活自粛ないし隔離を推進しているだけではだめであり、経済の停止や医療崩壊や教育崩壊も顧慮しなければならない。
つまり、医学的側面の他に心理・社会的側面を十分顧慮しなければならないのである。
感染が拡大している沖縄の情勢は特に深刻であり、観光によって生き延びてきたこの地は今、絶望の淵に立たされている。
本土もそのうちそうなるであろう。
既に観光業界の連鎖倒産が起こっている。
高校から大学にかけて、文系と理系を分離し、自然科学と社会科学の接点に目を開かせないような教育をしてきたので、多くの大人が新型コロナのシステム論的理解と対処ができないている。
自分が病気になったり怪我したりして二週間以上休まなくてはならなかったときのことを思い出せば、身体の物質的異変と社会生活と精神状態は一体のものであることを実感できると思う。
それなのに、思考法が分割的になってるので、統合的理解に至らないのだ。
物質と客観的精神(社会、政治、文化)は一体のものであり、心のケアと生活習慣もそれと統合的に理解しなければならない。
にゃん