オンライン授業というと教授が教室にきて教壇から話す代わりにネット動画をもちいて講義することが多いが、受講生が多い授業の場合、アクセス集中でサーバーが負荷に耐えられなくなり、固まってしまったり、受信できない学生が多数現れる。
私の春学期の哲学の授業には毎年300~350人の学生が登録するので、毎回リアルタイムの動画配信はほぼ不可能である。
また、学生側でもスマホしかもっていなかったり、受信状況が悪かったり、IT(パソコンスキル)に不慣れだったりすると、学生間で格差が生じ、経済的にも学習的にも齟齬が生じる。
実は私もあまり動画配信は得意ではなく、困惑している。
もともと私の授業はテキストの読みと解説が中心なので、テキストさえ手元にあれば、オンライン授業は言語ないし音声による解説を中心として、それに動画配信を付加していくのがいいのではないか、と思っている。
私は毎年、こういう非常事態がいつ来てもおかしくない、と講義中に叫んできた。
学生諸君は自分たちが未曽有の非常事態に曝されていることを自覚し、本来の学習の姿である「テキストを読む」ということを中心に据えてほしい。
これによって、政府が要請する非常事態宣言、つまりstay homeで(自宅にこもって)人と接触を避けることに沿うことができるからである。
可能な限り動画は配信しようと思っているが、以上のことは斟酌してほしい。