いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国家とメタ国家。 state and meta-state

2024-03-23 20:33:41 | 日記
 (1)米国司法省がアップルを独禁法違反で提訴した。アイフォーンでスマホ市場を独占して健全な競争環境を阻害して損害を与えているというものだが、覇権国家として世界の政治、軍事、経済、社会に多大な影響力、立場を占めている米国としては、アップルの市場独占に異議を唱えるのはパラドックス(paradox)な矛盾した論理展開であり、GAFAの米巨大IT企業は米国経済の強力な推進力であり米国にとっては不利益になるものではない存在だ。

 (2)GAFAは世界のIT事業、利用者を独占して、アップルだけで世界100か国以上のGDPを上回る(報道)利益をあげているといわれる。GAFAでは仮想通貨の発行も検討して、これに欧州を中心にこれまでの法定通貨への影響など国際基準、規律、秩序を維持するために巨大IT企業への規制強化に乗り出している。

 (3)GAFAを代表する巨大IT企業が「国家」としての機能を備えることによる既存国家の既得権益保護のための規制強化、提訴だ。国家対巨大IT企業の法廷闘争だが、独禁法違反となれば巨大IT企業では勝ち目はなく、一方で米国経済の推進力であり、米国自由経済市場ではかって独禁法違反で訴えられた企業の代表が社員にそれでは残りすべてを買い占めて来いと言ったという話もあるなど、自由競争が経済活力、利益を生むという市場原理の国でもある。

 (4)米国社会が巨大IT企業のアプリ配信、閲覧規制などの市場、利用者独占支配が進み、排他的姿勢が巨額利益を生むことに警戒感があるとみられる。日本ではAIを巡っても規制強化の欧米に対して利用を促進する姿勢をみせており、IT事業、企業の立ち遅れが目立つ。

 (5)今回の米国司法省のアップル提訴は独禁法違反という形をとっているが、「現在」と「未来」、「今日的社会」と「未来社会」のあるべき方向性の争いでもあり、「国家」と「メタ国家(meta-state)ー巨大IT企業」が全面対決する必然性のあるもので、裁判の結果とは別に未来のあたらしい基準、規律、秩序の方向性について考える機会でもある。

 
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