南の長江の豊富な水を北の水不足に悩む華北へ
運ぶ巨大プロジェクトが南水北調です。
長江の流域の都市、武漢で長江に合流する漢江
の流域の丹江口市から北上するのが中央ルートと
呼ばれています。
途中、黄河を河南省鄭州市で横断する。
ここから更に北京へ向けて水路は延びてゆきます。
直接、長江から取水するのではなく、長江へ流れ
込む幾つかの河川や運河などから取水します。
武漢から400Kmほど漢江を遡った丹江口市が
中央ルートの基点になっています。
昨年7月8日には、鄭州市近くの黄河北岸で、
黄河の川底の下を通るトンネルの掘削工事が
始まりました。
このルートでは、最も重要な工事になります。
これが完成すると、2010年に北京市に通水
する目標へ一歩近づくことになります。
このルートは、中国の古代国家の遺跡の多い地域
を通るために遺跡の調査が追いつかず、また、
盗掘に備えた態勢が後手に回っていて、問題が
大きくなっています。
丹江口市のダム湖予定地だけでも戦国時代(紀元
前5世紀-同221年)の古墳など200カ所
以上が保護対象になっていますが、保護される
前に、盗掘を受ける状態が続いています。
また、取水地域の水量が決して安定的でない
ことに加えて、特に、漢江は水質汚染がひどく、
ルートの途中の河川の汚染も進んでいるために、
北京の人たちは、南の汚染水を飲まされることに
なりそうです。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
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