沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩398 沖縄からのメッセージ 27の1

2013年03月20日 18時10分23秒 | 政治論
 仲井真知事は沖縄政策協議会で「普天間県外移設」と「主権回復の日」祝賀式典に対する沖縄側からの疑問符を示した。彼が安保容認派であることには変わりがないし、彼の県外移設の主眼は全県的に反発する現行案の実現不可能性乃至無際限の返還遅延に対する懸念といったスタンスにあり、決して彼自身の実質的理念自体でないことは承知しておく必要がある。
 彼は県外移設を指導的に主張しているのではない。そこに熱はない。それは(情熱は)趣旨は違うが先のオスプレイ配備反対県民大会を欠席した事実においても示されているし、第32軍首里城地下壕説明板記述改竄や、節目の政府要人対談における密談事実にもその中央向きの性格が現れている。
 彼はどちらかというと財政畑の人間であり「取引」「駆け引き」「打算」を得意とする政治家であるため、現行2期目もほぼ難なく経過している次第だ。ある意味「神輿」としては県民にとって都合の良い首長といえるが、現実的な課題解決の決定打を持ち合わせない保守穏健派に属する政治家には相違なく、住民の夜昼問わない「座り込み」現状に対する「人間的アプローチ」なんてものには無縁なひとらしい。
 ただ彼のようなタイプの政治家というのは実は本土にあっては最もありふれたタイプであり、しかも戦後田中角栄あたりで終わった「国士」的政治家というのは、向後金輪際現れまいと言われている。
 だがこの事は概して現代「政治的絶望」の因源とされるが、実際は「民主主義」を実質的に実現するにはむしろ望ましい傾向に思われる。本来政治に望まれるのは民意の方向に出来るだけ穂先を向けることに尽き、そのための現実的技術的方策を打ち出す機能の要請であろう。
 当然官僚という役人の仕事は可能な政策立案のためのデータ、資料、統計における分析総合業務であり、政治家は官僚の仕事の分限において自己の仕事の正確な、誤差の寡い判断材料を得ることとなる。政官民の分業形態こそ民主主義の基本であり民の業務は常に政官への「文民統制」機能となる。これを担保するのは新聞等報道ジャーナリズムの役割にほかならず一定の歴史的評価を打ち出すきっかけとして機能しなければならない。(つづく)


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