沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩595 沖縄からの発信 10

2015年07月03日 13時04分18秒 | 政治論

 保守系政治家同士のほぼ一騎打ちとなった昨年11月の知事選に圧倒的な大差で勝利してからこっち、単発的に出される翁長氏の言動にはある程度の評価(それが辺野古阻止に本当につながるかどうかは見えてないのだが)が下されているとは言うものの、未だに、現在の大浦湾辺野古崎で日米政府が実行している辺野古埋立蛮行(これも調査段階で中断足踏みしていることは確かだ)は止まることなく続けられ、シュワブ前県警、警備会社職員による市民運動、活動家の座り込み「辺野古移設反対」意思表示、民主的「非暴力不服従」の白昼目の当たりにされる強制排除、不当隔壁設置、は相手の負傷ものともせずやってのけ、海上では全国海上保安庁職員の、至上命令に黙々と従う封建時代の愚民さながら、同じ市民の危険な船舶転覆、パドル奪取放擲、組み敷いて海水に沈める殺人的官憲力行使を繰り返し、こうした事実事件を全国に、世界に情報拡散していても先が見えてこない我々の不如意には、この安倍政権とその配下に近代稀な悪政断行を少しも厭わないふてぶてしい白痴的本性が蔓延っていることを思い知らされている、ということになる。 

 かつて初代公選琉球政府主席及び県知事を任じた「革新系」そのものの屋良朝苗氏が、1969年2.4ゼネストを中止させた「琉球歴史の汚点」を省みるとき、翁長氏がこれの「二の舞」劇に踊らされるのは金輪際御免だ、と県民は思わなければならない。菅との会談に彼らの籠絡懐柔が当然に含まれることを知らぬ者はない。翁長氏の、百田事件に対する批判的態度は周辺反応が一様に重大視しているのに比べ奇妙にトーンダウンしている。8月、いよいよ埋め立て承認撤回または取り消しが待っている。訴訟沙汰に当然向かう。これを無視し埋め立て工事が継続するなら、事態は「自衛戦争」並に避けがたい人民侮辱事件となるのだが、沖縄の怒りはいかに噴出するものか。少なくとも防衛省はこの8月には本格的な埋め立て工事に着手する、と宣言している。大浦湾に血の雨が降る、ということだが、21世紀の現代においてかくも愚劣極まりない野蛮な市民弾圧が行われても黙視して済まそうというのがこの国の常民なのだろうか。絶望的な民族的破綻事案である。

 あの百田以下有象無象のマキャヴェリズムまがいの政治姿勢は、岸信介を拝跪する安倍晋三の本性そのままであり、この眷属が席巻している自民党というのは、沖縄から見ると単なる業務懈怠の似非政治家集団(公明党も含まれている)にしか見えず、こういう輩が蔓延っているこの国の腐りきった土性骨を憂えると、結局、ヤマト魂をどこぞに置き忘れた抜け殻の日本人に対して「イエローゴーホーム」とアメリカ兵が言っても仕方があるまい(シュワブ出入りの海兵隊が市民活動家を罵って言ったそうだ)、と思うのだが。つまりはこの安倍政権がかましている対米追随姿勢そのものが、沖縄県民にも災いとなって米兵に言いたい放題言わせているわけだ。恐れ入った次第ではある。(つづく)