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すそ野を広げる

2019年12月05日 | その他もろもろ
今朝の新聞に、若手研究者支援の話が出ていました。日本の科学技術を担う人材が育っていない、新しいインパクトのある研究が減っている等々の危機感から、政府が支援を行うとのこと。若手支援は本当に重要なことで、ぜひ進めていただきたいと思います。一方で、ハイレベルな研究や人材が出てくるためにはサイエンスというフィールドにたくさんの人が参入しないといけないんだろうと思うんです。すそ野を広げるってことですね。この間ラグビーで日本中が盛り上がりましたが、世界レベルの選手が大勢出てくるには、もっと競技人口を増やさなければという話がありました。それと一緒だと思います。ハイレベルな研究室に研究費を集中的に注ぐのはバラマキより効果が高い、かもしれませんが、わが国のサイエンスのレベルを底上げするということも同時に進めないといけないと思います。そのためには地方にある大学の教育費、研究費をきちんと担保すべきです。そこに税金を使うべきです。また、こどもたちの科学への関心を高めていくことも重要だと思いますが、こどもというのはほっておいても自然科学への関心は高いんです。それを邪魔しないことが大事だと思います。こども時代に自由に探究することが、将来どれほど大きな力になるか知ってもらいたい。高校や大学になってから「自分で考える力がとぼしい」とか「自発的な学習が足りない」と言われるとちょっと遅いんじゃないかという気がします。わたしは大学で教えていますが、小さい頃からの積み重ねの上に高等教育があるはずなのに、積み重なってないから上に載せられない。科学技術には新しいアイデアが重要っていうけど、自分に引き出しがないのに新しいものなんか出るはずないです。世界レベルの新技術を生み出さなくても、日々の生活の中に科学は生きています。知識があれば生かせるんです。それが生活を豊かにするんだと、わたしは思います。すそ野を広げるってことは、能力が抜きんでてない人にも科学を楽しんでもらう、生かしてもらうってことだと思うんです。それを切り捨ててトップレベルだけ育てようとしても無理じゃないかなあ。競技人口が多いほど高いレベルの人材が生まれてくるんです。国には、ぜひすそ野を広げるってことにも真剣に取り組んでほしいです。
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