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疲れすぎて眠れぬ夜のために

2016年02月08日 | レビュー
2月最初に読んだ本はウチダ先生の本。古い本です。ブックオフでたまたま手に取り。

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)
内田樹
角川書店


ウチダ先生の本は、以前街場の読書論を紹介しました。街場の読書論は本当におもしろかったです。今回の本もさすが、というところがいろいろあって付せんもたくさん並んだんですが、でも女性と仕事の話はちょっと賛同しかねました。ウチダ先生は女性の多くが男性と同じ価値観で仕事に取り組んで疲れ切っていると思われているようですが(そこまで断言してないと言われるかもしれませんが)、わたしの周りの女性たちはとてもやわらかく楽しくしかしすごい仕事をしている人がたくさんいます。ウチダ先生の言う「まあそんなに気張らずにてれてれ行きましょう」というスタイルの人の方が多いんじゃないかなと思うんですが、、、。いずれにせよ、女性だから男性だからという意識なく、自分の人生を主体的に生きて、好きなことどんどんやって、その中に仕事もありますよという感じの友人が、わたしにはたくさんおります。そういう友人たちを見て、わたしもてれてれやってこれたと思いますね。ウチダ先生は女子大で教えて来られたし、お嬢さんを一人で育てられたと聞いていますから、女性のことはよくご存じなのでしょうが、それでも書かれたものを読むと非常に違和感を感じます。まあでもそれがウチダ流っていうもので、本を読んでの解釈は読んだ側の勝手でよろしいと言われていますから、わたしもいつも「女性のことをまったく理解しない人だな!」と思いながら読んでます。

先に「それはちがう!」と思ったことを書きましたが、なるほど!と思ったところが2つありました。

一つは、使命感を持たない人たちはストレスに弱い。という記述です。
以下はわたしの私感。
自分の役割というものを持たない人は、ストレスに弱いだけでなく、毎日の生活自体が定まりません。
でも、自分の使命なんて、天から降ってくるのを待ってても見つかりません。
動きながら考えながら、失敗して悪戦苦闘しながら見つけてゆくものです。
動きもせずなにもせず、ただ「やりたいことが見つかりません」という人のなんと多いことか。
なんでもやってみてごらん、というとやらない理由をいっぱい持ち出す。
そういう人はまずきちんと寝て食べて生活を整えて、体を動かす体力と気持ちを生産してください。と思います。

二つ目は、型が大事という話。
わたしもずうっと誤解していたような気がします。昔からの習慣、お仕着せの規則、理由もなく「やってはいけない」と押さえつけられることから、自由になりたいと思っていました。でも、この本を読んで、型には意味があるということが非常に納得できました。だからといってこれからの私が型にはまるかというと、そんな単純じゃないでしょうが、型を大事にすると物事が整列する感じがします。余計なエネルギーを使わず、スムーズに物事が進むという側面があるということに気が付きました。

ところで、最近わたしは教養とか知性とかいうことをちらと考えていました。
「知ってる」ということ、自分の引き出しが多いということは、同じ事象を見てもその理解が全然ちがって、当然その味わいや楽しさも深くなると思います。
今の学生たちはそのこと全然わかってないと思います。
学生時代ほど時間が自由になることはもう今後ないのだから、しかもこの感受性、この体力は二度と得られないんだから、今やるべきことは山ほどあるように思います。でもやらないんだな、、、。

自分には知りえない世界、理解できないことがまだまだあるんだってことさえ、気にせず通り過ぎてしまう感性。
世界が狭いでしょうね。
楽しいことの幅もきっとすごく狭いと思います。

これから大学は受験の季節。
高校3年生の皆さんは、大学に入ったらすごろくのあがり、じゃありません。
自分に与えられた時間を本気で大事にしてほしいと思います。
知性と教養って使い古された言葉だけど、それを手に入れたらきっと人生の楽しさが次のステージに上がるはず。
目の間のことだけに振り回されないで、この本や、街場の読書論も読んで、新しい考え方を知ってください。





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