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親の目で見たキセキ、教員の目で見たチアダン

2017年03月22日 | その他もろもろ
3月11日やら卒業式やら細菌学会やら書くことはいっぱいあるのですが、徐々に書くとして、今日は映画の話。
毎月一本くらいは映画を見に行こうとがんばっていて(時間を作り出すことに)、最近はキセキチアダンを見ました。

キセキはGReeeeNの話。
ストーリーはサイトを見てもらえばわかるしよく知れた話だからそこはおいといて。
わたしは親の立場で、自分の子ども達に見てきた心情をこの映画に重ねて見ました。
主人公は浪人していて、受験勉強に打ち込んでたんですが、合格発表をネットで見たら「不合格」。
もう一年頑張ったけど模擬試験の結果がどうにもならず、志望校を変更する。受験後、ネットで合格発表を見るんだけど、そのときの緊張感。これは現役生とは別次元の緊張感なんですよね(うちの長男の時がそうだった)。それで、やっと合格して、解放されて学校でバスケする。解放されて解放されてすごい自由を感じる。
そこらへんがすごく実感あって、この主人公の子が(GReeeeNのヒデなわけですが)、まず本当によくがんばったなあと。
その後、やっと入ったんだから勉学がんばってくれよと親は思ってるんですが、子どもは音楽もやりたい。
この人たちがすごいのはどっちもやっちゃうことなんですが、でも親としては、「せっかく入れたのに勉強してくれよ」と思うよなあと。
うちの子ども達も、すごく受験勉強大変で、やっと入れた志望校、大学生だからいろんなこと経験してほしいとも思う一方、やっぱり親としてはまずは勉強してよねと思うわけですね。うちの長男も留年してるし、次男の同級生にも「やりたいこと」に熱中して留年してる子もいたりして、まさに身につまされるという気がしたんですよ。だからね、この映画、若い人が見たら主人公が音楽も歯科医師になる目標もどちらも捨てずに真っ向勝負ですごい励まされる映画なんだろうと思うんですが、親の世代が見たらね、きっとちょっと違う印象の映画じゃないかなと思いました。さらに、うちの次男が最初に夢中になって聴いたのがGReeeeNで(だから私のiPhoneにも彼らの楽曲はたくさん入ってるんですが)、たしかにいいけど、なにがそこまで夢中にさせるのかちょっと私にはわからなかった。それが今回少しはわかった気がしました。

次はチアダン。
これは福井の高校生がチアダンスで全米で優勝した実話に基づいた映画。
この中に出てくる指導教員が厳しくて厳しくて、生徒には全然理解してもらえないんですが、でもただひたすら生徒たちに「違う風景」を見せようとしているということが、わたしの考えてることと全く同じでした。私も研究室の学生に厳しくて、学生は毎年泣いてますが、でも学生たちが思いもしていない次元に成長できるって知ってますからね。だからそこを目指さずゆるりと楽しく研究室生活、、はうちではありえません。でもこの映画を見て思ったのは、全米制覇に邁進できた生徒たちがいた一方、やめてった子たちもいるわけで、わたしの研究室も、学生が卒論の最後の最後で発揮するあの力は、わたしが引き出したんじゃなくて、厳しい指導にめげずに、泣きながらもやってきたあの子たちの努力の成果だと、改めて思いましたねえ。ただ、高い目標を掲げない限り到達しえない場所があって、その目標を掲げてぶれずに指導するのがわたしの役目なのだろうと思います。そこに行けるか行けないかは、やるかやらないかだけ。今年の4人はどうだったかな。そしてその4人は無事卒業し、研究室は代替わりで、またゼロから走り出します。



コメント
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