「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
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長井健司さんの最後の紅茶

2007-10-12 22:50:57 | 長井さん殺害の事実関係
長井さんと最後のお茶をした若い男性とお話して、
東京から離れた町の終電にのっています。
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この方はビジネスの都合で事件当日たまたまヤンゴン市内にいて、
本当に偶然、長井さんと知り合いになったのですが、
ぼくは電話でよくわからなかった
あの日の長井さんの心の流れ方を感じたくて、
このビジネスマンにあうためにきょうは遠出しました。
彼のオフィスの個室などで話ができたのは
全部で一時間半ぐらいでしたが、
長井さんの事件直前の雰囲気が伝わってきました。
まず長井さんは「起きている事態に近づきたい」という気持ちが
強くあったことがわかりました。
やはり当日のヤンゴン市内は一見いつもの日常に見えて
不穏な空気が感じられるようなにおいがしたそうで
お茶をしたカフェの場所でも絶対安全とはいえないと
このビジネスマンは思っていたそうです。
長井さんの取材についての決意を聞いて
「ジャーナリストなんだな」と思ったそうですが、
ビルの屋上や近くの建物内からの取材のほうが
安全面でましじゃないのかと助言をしたそうです。
近づいて撮ることでおきている事象を世界に伝えたいという
長井さんの強い気持ちを聞いて
それ以上はいわなかったそうです。
長井さんはミルクも入ったミャンマーのお茶を何はいも飲んで、
おいしいおいしいと言いながらニコニコわらっていました。
この人はやさしい目をしているし、いい人だなと感じたそうです。

その後、ビジネスマンの彼の知人から
「軍はデモ参加者を無差別に発砲するようだ。近づくな」という急な連絡が
はいりました。
もう一度長井さんに言いましたが、
そこで以前紹介している
「地を這うような取材がしたいから、死ぬ気で」というセリフになり
死んだ場合テープを持っていってくれと
すこし冗談ぽく頼まれたとか。
わずか一時間半ぐらいの邂逅でしたが、
やさしいそうな人柄と裏腹の強い言葉に印象を残したそうです。
そしてこのビジネスマンにとっても
数時間後に長井さんの死が告げられたとき、
本当に信じられなかったそうです。
もう少し聞くと
「ついさっきまで、一緒に紅茶を飲んでいた人が
もうこの世にいないということが信じられなかった」
と話してくれました。
ところどころ沈黙しながらも勇気を振り絞って話してくれた彼。
長井さんとの出会いはひと時だったかもしれないけれど、
本人の心の奥底には強いものを長井さんが残していったことは
残酷でもあるし、救いでもあると思いました。

仏教に対する信仰心が日本とはケタ違いなビルマ人たち。
ものすごく貧しい国なのに、旅人がほとんど窃盗に会わないほど
仏教的倫理が貫徹している国。
そういう慈悲と施しにあふれる人々が多いところに
軍政がおこす不条理をどう救済していくのか。
彼は最後に
「長井さんの不幸な出来事であの国やビルマ人が
すべて乱暴で、暴力があふれるなどと思わないでほしい。
それは長井さん自身もそう願っていると思う。」
と話してくれました。

長井さんは酒よりも甘いものが好きでした。
ぼくは長井さんと紅茶を飲んだ記憶ははっきりありませんが
それでもパフェを一緒に食べた記憶があります。

甘いものが好きで
優しい人だった長井さんが
優しいビルマ人たちへの不条理な出来事が許せなかった。
許せずぎりぎりまでがんばった長井さんの
カメラとビデオテープはミャンマー政府が
隠し続けるべきではありません。
抗議文に賛同する皆さんはぜひ署名してください。
まだまだ、力が結集できていません。よろしくお願いします。
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署名フォームは、https を使っているので、
「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります。」
といったメッセージが署名書き込み時に出ることがありますが
セキュリティ上の問題はありません。
いたずら目的の書き込みを防ぐ目的で、httpsを利用しているため
こういうメッセージが出ているだけですので
無視して先に進んで署名してください。問題はありません。

抗議文を引用しておきます。
======================================

ミャンマー連邦
タン・シュエ国家平和開発評議会議長殿
駐日ミャンマー連邦大使館
フラ・ミン特命全権大使殿

抗議文

 2007年9月27日午後、貴国のヤンゴン市内にあるスーレーパゴダ付近で、
取材中だった映像ジャーナリスト、長井健司氏が、貴国軍治安部隊の軍人に
至近距離から銃撃され、殺害されました。
自国の国民に対するミャンマー軍の一方的な暴力による制圧行動について、
国際的な取材活動をしていた日本人ジャーナリストの生命を、
警告もなく銃で奪ったことは、
殺害を前提とした意図的かつ残虐な取材妨害行為であり、
国際社会の一員として、また日本人として、
我々はこの行為を断じて許すことはできません。
しかも貴国の当局は、
長井氏が亡くなるまで手離さなかった
ビデオカメラとテープを未だ返却していません。

われわれは貴国治安部隊軍人による長井氏の殺害について強く抗議します。
また、長井氏の殺害の経緯を明らかにするとともに、
犯人の特定と厳罰を求めます。
遺品であるビデオカメラとテープも内容の消去など一切の改竄を許さず、
返却することを求めます。

       

ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会
(事務連絡先)
〒1060032
港区六本木7-8-25永谷リュード六本木306  

=====================================
  
ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議して、
抗議文の趣旨にご賛同をいただける方の、署名をお願いいたしております。
ご賛同いただける方は氏名と肩書きをお願いいたします。

呼びかけ人(順不同)2007/10/06 2100現在

鳥越俊太郎(ニュースキャスター)
田丸 美寿々(ニュースキャスター)
テリー伊藤(演出家)
徳光和夫(司会者)
麻木久仁子(タレント)
綿井健陽(ジャーナリスト)
石丸次郎(ジャーナリスト)
佐藤和孝(ジャーナリスト)
高世仁(ジャーナリスト)
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
北村肇(ジャーナリスト)
江川紹子(ジャーナリスト)
井上トシユキ(ジャーナリスト)
河上和雄(弁護士、元東京地検特捜部部長)
紀藤正樹(弁護士)
田島泰彦(上智大学教授)
苫米地英人(脳機能学者)
前田日明(格闘家)
--------------------------------------

抗議文の趣旨にご賛同いただける方は
氏名(フルネーム)と肩書き(職業か所属先)を
署名のためのインターネット上のフォームに書き込んでください。

物理的に手書きの署名の必要はなく、
お名前と肩書きをこのブログでリンクしているフォームに書き込んでください。
署名フォーム(クリック→)https://hal.sakura.ne.jp/syomeis/sign
携帯電話はこちら(クリック→) http://hal.sakura.ne.jp/sign.html


肩書きは具体的な所属先でも、
「会社員」などの一般的なことばでもかまいません。
もちろんネット環境になんらかの問題がある場合は
メールやファックス、郵便物などで署名を頂いても結構です。

なお、会には電話も一応ありますが、
電話番をお願いしているだけの状態ですので
何かご連絡のある方は(メディアなども)
できるかぎりメールでご連絡をお願いいたします。


「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/(ブログ) 
nagaikenji20070927@mail.goo.ne.jp(メール)
 〒1060032
港区六本木7-8-25永谷リュード六本木306  
TEL 03-3746-0065
(平日10時から17時で対応)
FAX 03-5772-1127

なお、このブログはリンクフリーですので
いろいろご紹介してください。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/