こんな信じられないことがあるのか。
職場の電話がなった。「○○さんいらっしゃしますか?」
「私ですが。」「△△の▲▲です。」「いつもお世話になります。」
その人のことは知っているが、話したことも無い。
「いらっしゃるのでしたら、これからお伺いします。」
5分ほどで、彼は来た。事務室に入ってもらおうとしたら、
「ちょっと外で」というので、廊下に出た。
廊下の長いすにすわり彼は世間話を始めた。
奥さんとは旧知の間柄だが、最近3年は会っていない。
彼は婿養子であることと、
私の学校の大先輩ということくらいしか知らない。
「○○さんに、お願いしたいことがあって、、、、、、。」
「私に出来ることでしたら、、、、、、、。」
「実は嫁さんに金を下ろして来いと頼まれたのだが、
使ってしまっておろせない。2万円貸してくれないか。」
信じられない言葉だった。
かつては、わが町の大富豪で知られた
名家の主人の言葉とはとても考えられなかった。
「すまないが、格好悪いので、嫁さんの知り合いには、内密に、、、。」
成り行き上、2万円貸してしまった。
「来週、年金が入るので、その時返しにきます。借用書を書きます。
メモ用紙で悪いですが、、、、。印鑑もついておきます。」
ただ、ただ、唖然としてしまった。
かつては、億の金を動かしていると聞いたことがある。
今も、非常勤だが、公職に就いている。
そんな人のすることだろうか。
多分、大勢の人に借りていることだろう。
2000円でもなく、20万円でもなく、2万円であるということで
この金は、たぶん返ってこないと思った。
何か悲しくなった。
義母が亡くなっても、位牌供養の次の日には
タイガース・セリーグ優勝セールにいそいそ出かけ
服をたんまり買って喜んだり、これの前の日
何気なく車庫から車を出す時、新車を傷つけ
情けなくなっても、すぐ修理しようと電話したりしている
私には、どうしても理解できないのである。
もし、返してくれたらこのブログは削除するが、
100%返ってくることはないだろう。
貸すこと自体、間違っているのだが
あまりにも信じられないから
私も信じられない行動になったのだ。