読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ロバート・クレイスの『天使の護衛』

2024年02月10日 | 読書

◇『天使の護衛』(原題:The Wotchman)

   著者:ロバート・クレイス(Robert Crais)

  
 
    この作品の主人公ジョー・パイクは大富豪コナン・バークリーの娘ラ
ーキンの警護を依頼された。
 パィクはロサンゼルス市警の警官だったが、辞めて私立探偵をしてい
る。パイクを推薦したのはバッド・フリンだが彼はパッドが新米警官だ
った時教育警官だった。今は企業調査会社をやっている。二人はLA市警
以来強い絆で結ばれている。

 パイクはバッドから得難い教訓を受けた。”我々の仕事は人を殺すこと
ではない。人を生かし続けることだ”はバッドの理念。
 だがパイクは最初の仕事で二人に抵抗した銃器犯罪者ともみ合ううち
にバットをナイフで狙った被疑者を射殺してしまった。パイクはバッド
の命の恩人である。
そんなことで二人に絆は一層強くなった。

 警護対象の女性ラーキン・バークレイは連邦犯罪裁判で証言する予定
で、証人保護制度で保護されていたが事件関係者(南米麻薬カルテル)
に狙われたため父親とFBIによって特別に警護を許されることとなって
パイクの登場である。

 パイクが警官を辞めたのは、その後パイクと相棒と被疑者の三者がもみ
合ううちに銃が暴発して相棒が死んだ事件があってパイクは警官を辞め傭
兵の一員になった経緯がある。

 ラーキンが証言を決意したのは、自身が起こした衝突事故で相手の車の
運転者が資金洗浄を疑われている不動産業者で、同乗者が国際手配中の殺
人犯ミーシュだと明らかになったからである。
 パイクはあらゆる戦術を駆使してラーキンと身を隠すが、すぐに殺し屋
の襲撃を受けたりするので、警察やFBI、ラーキンの父親の会社の弁護士ク
ラウン士など誰かが内通しているのではと疑いを持つ。

 パイクの調べでラーキンの命を狙っているというミーシュはすでに死ん
でいることが分かった。ラーキンの父親の弁護士やFBI特別捜査官ピット
マンなどはパイクやラーキンに嘘をついていたことになる。

 法定で証言の対象となる犯罪容疑者が死んでいるのになぜラーキンは未
だに襲われるのか。ミーシュと言われていた男はじつは国際手配テロリス
トチェコ人のヴァハニハだった。

 結局のバークリーの会社の顧問弁護士クラインが企んだ横領が原因だっ
た。
 パイクはこの事件で10人以上の殺し屋を殺害した。 シリーズものの作品
であるが、ともかくサスペンスフルで楽しめる。

                      (以上この項終わり)
 


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 貫井 徳郎の『誘拐症候群』 | トップ | 黒川博行の『勁草』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事