読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

西光院(柏市)の牡丹

2009年04月30日 | 里歩き

大堀川を歩き西光院
 パソコン仲さんの呼びかけで、手賀沼の端にある「ふるさと公園」から、大堀川
沿いに歩くことおよそ1時間(5キロほど?)、「牡丹」で有名な「西光院」を訪れた。
 ちなみに柏市には船戸の医王寺・逆井の観音寺・篠籠田(しこだ)の西光院と三
ヶ所の牡丹の名所がある。三つの寺はいずれも真言宗豊山派で、総本山は花の
お寺として有名な奈良桜井市の長谷寺とか。
 (なお西光院は柏市無形文化財指定「篠籠田の三匹獅子舞」でも有名である)


 春風駘蕩というが、微風が頬をなでる気温20度前後の今頃は、一年で一番過
ごし易い季節ではないだろうか。総勢8人の風流人がゆったりペースの歩調で道
を行く。
 29日は国民の祝日「昭和の日」とあってか、大堀川沿いもたくさんの人が行き
交う。
 サイクリング、ジョギング、ウォーキング、単なる散歩、犬の散歩、釣り人、何しろ狭いな
がらも「リバーサイドパーク」という立派な名前がついた散歩道で、自転車やジョ
ギングの人たちを避けながら歩く。
 この道に沿って、里親の札がついた桜の木が連なっている。大きくなったら見
事な花を咲かせ、花見の名所になるだろう。

 牡丹は残念ながらややピークを過ぎ、萎れかかっているものもあった。しかし
境内のそこかしこ、薬師堂の裏にあるボタン園にはいろんな種類の牡丹が所狭
しと妍を競いあっていて、実に見事であった。
 また一角にはいろんな種類の「西洋しゃくなげ」も植わっていた。

     
 市史跡呼塚河岸と常夜燈    大堀川        リバーサイドパークを行く     西光院の筍

  
  
     西光院山門                  ぼたん園

    

    

    

    

    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

犯罪少年・心の闇・告白

2009年04月29日 | 読書

湊かなえ著 「告白」    2008.8刊 双葉社1,400円

 
本書は昨年8月に第1刷が刊行されてのち、11月に既に第9刷が出されるという
人気の作品で、妻が昨年11月に市の図書館にリクエストしてようやく順番が回って
きて、一気に読み終えたものを返却する前にちょっと読ませてもらった。
 ちょっと無理筋なところもないではないが(どんな名作でも読む人によってはどこ
かに必ずと言っていいほど「それはちょっとないんじゃないの」とか、「ご都合主義」
といった部分はあるもので、だからといって必ずしも全体の価値を貶めるものでも
ない。)、面白かった。

   

 少年法適用年齢者の犯罪が増えて、その社会的背景が大いに議論されている。
事件が起こるたびに、新聞・TVなどはいわゆる少年心理学、社会心理学、犯罪
心理学などを修めたその道の専門家が登場して、それぞれの立場から事件の起
こった背景、というか犯罪を引き起こした犯人の動機などについて解説をさせる。
家庭・生い立ち・コミュニティ・学校・社会など、彼あるいは彼女を取り巻くあらゆる
ものに原因があって、それぞれがそれなりにその犯罪に責任がある。などともっと
もらしく分析される。

 何ごともその背景、ことの起きた環境は一様ではなく、「心の闇」などとくくってし
まうまでもなく、一口で言ってしまえる動機などありよう筈もない。ただただ人の命
や生あるものに対する人間としての対峙の仕方が昔とすっかり変わってしまった
ことだけが明らかで、その原因がどこにあるかと言えば、確かに我々大人のせい
ではある。だからと言って犯罪が許されていいわけだはないが、少年法のように
ある一定年齢の者には責任能力がないものと見做して、更生の可能性を前提に
して社会の目から隠そうとする仕組みは、悪智恵が働く「悪がき」に利用されて、
被害者側の心を私的制裁に走らせることもある。
 本書「告白」も、ひとつのテーマはそこにあるようだ。

 被害者置き去りで犯罪者の人権ばかりが擁護される。それは刑法理論で「教育
主義」をとるか「応報主義」を取るかによるが、もともと人間社会のルールは応報
主義が主流だったと思う。「眼には眼をもって報いなければならない」は人間心理
に素直に従うからである。バランスがとられるということで社会的安定が得られる。
 法制度に任せていても犯人の人権尊重主体で被害者の人権はそっちのけ。ひ
どい場合は「そんな被害に会うのは被害者にも責任があるんじゃないの」だ。マス
コミも興味半分の視聴者向けの視点で取材する。被害者の不満は高まるばかり
だ。

 被害者が法的制裁で満足が得られないと確信すると私的制裁に走る。何とか
法制度によって制裁から免れる犯人を懲らしめたい。工夫を凝らすが、その制
裁自体が犯罪を構成してしまうケースが多いが、本書では「なるほど、そんな手
もあったか」と膝を打ったほどだ。
 犯罪証明ができないのだ。確かにその手が利く環境にあったといえばその通り
だが、心理的に犯人を追い詰めるという視点がいい。

 作中、登場人物のそれぞれにそれぞれの立場から語らせるという手法は特に
珍しくはない。しかし「藪の中」のようにそれぞれに言い分が異なり真相がさっぱ
りわからなくなる類のものではなく、素直である。
 共働きの育児中教師。結局は育児より仕事を取って離婚した母親。子供にの
めりこむ母親。頭はいいが自己中の少年。気は優しいが内向的な少年。熱血性
だけが売り物の教師等々登場人物に語らせる事件の背景と流れは引き込まれ
る。
最終章がまた意外性をもっているので多くは語らない。

<付録>
[最近の庭の花々]
      
   西洋シャクナゲ         クレマチス            モンタナ

     
     プリンセス雅子          スズラン 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しいJTrimで遊ぶ

2009年04月28日 | その他

JTrimで写真を面白く加工
  このところパソコン仲間が「JTrim」というフリーソフトで写真を加工し楽しんでいるのを
 みて、「わしもやってみよう」と発奮し、先達に何度か教えを乞うて何とか要領が
 つかめた。
  まだまだ面白い加工があって、これから練習し自分なりの工夫もしてみたい。


          
             開いた窓からの景色(ペイントとJTrim)
                窓のもう一工夫が必要。
  
          
                    窓越しの景色


            
                                窓枠は借り物


        
            サンマルタン運河の絵を自作の額縁に(サインを入れました)


           
                         レース額縁入りアルプスの山

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今畑の作物は

2009年04月25日 | 畑の作物

ジャガイモと絹さやえんどう豆
  3月3日に植えた「ジャガイモ」は順調に育ち、先週に第1回目の土寄せを行っ
 た。
  ジャガイモの子は、親株脇から横に這って大きくなるので、土寄せが欠かせ
 ない。株脇に化成肥料をパラパラ撒いて、畝脇の土を軽く寄せる。余り薄いと
 日光のせいでイモが緑色になる。厚すぎると酸欠状態になってしまう。
    普通土寄せは2度に分けて行う。

  「絹さや」は昨年植えて、下をくぐってきており、桜が終わると待っていたかのよ
 うにぐんぐん大きくなって、白い花をつける。もう実もなり始めた。ネットを張る人
 もいるが小生の場合、篠竹を立て済ませる。

    
                            土寄せの済んだ男爵イモ

      
           白花絹さやえんどう

インゲン豆・枝豆と生姜
  昨日、これまで大根を作っっていた畝を耕し、「インゲン(弦なし)」と枝豆を蒔
 いた。芽が出ると鳥がついばむので対策をとらねば。
  また、いつも友人から戴く「房州赤芽しょうが」を植えた。まだ芽がどこから出
 るか見分けが難しく、困った。
  覆土は5センチ、これから水管理が大事である。

   
   手前が「しょうが」、左が「インゲン」上は「枝豆」

 ◇小玉西瓜・胡瓜とミニとまと
  10年ほど前に小玉西瓜を作って大成功した記憶があり、また作ってみようと
 苗を買ってきた。西瓜は敷地を広く占領してしまうので効率が悪く、敬遠しがち
 であるが、割と手間がかからず楽な作物である。畑は2坪ほど用意し1本だけ。
  庭には敷地を取らない支柱で枝を脇に延ばす方式で行くことにした。
 直径30センチ、深さ50センチほどの穴を掘り、堆肥と化成肥料、米糠を混ぜ
 合わせる。1週間ほど寝かせて落ち着いた頃に苗を植える。このとき枝を這わ
 せる方向に向けて斜めに植えるのがコツである。
  気温が上がるまで空気穴を開けたビニールを被せる。
  
  胡瓜は毎日採らないとお化けになりがちなので庭に作る。接木は250円もする
 ので、普通の苗にした(これは70円くらい)。前に接木も買ったがたいした違い
 がなかったからだ。

     
 
       地這い黄色小玉西瓜


      
            胡瓜                           普通のミニとまと

      
          房生り甘みミニとまと            庭の畑 トマト=2 胡瓜=4 西瓜=1

 
◇付録

  <そらまめ>
   4番目の孫Mが誕生した日に芽を出した「そらまめ」は、その後順調に成長し、
  ポットから大き目の鉢に移したが、まだ狭かったらしく、畑で育っているよそ様
  の天豆に比べ小振りである。しかしそれなりに花を咲かせたと思っていたら、
  いつの間にか小さな房をつけていた。房は実が入り重くなるまでは天を目指す
  (天豆の由来)。そのうちアブラムシが必ず発生する。消毒不可欠。

   

  <えびねらん>
   庭木の薄暗いところに「えびねらん」が咲いた。田舎の兄が育てていたもの
  を貰ってきたもの。
   去年K氏から戴いた「黄色エビネラン」はまだ花房が見えない。家風(環境)
  が変わって戸惑っているのだろうか。(旧育て主のK氏は家風など歯牙にもか
  けない豪胆なお方なのではあるが・・・。)それとも、そもそも黄色種は花が遅
  いのだろうか。
 

     
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説「カフェ・ベルリン」

2009年04月19日 | 読書

◇『アンネの日記』男性版?小説「カフェ・ベルリン」
  著者Harold nebebzal 訳者 平田良子 1999年第1刷発行 集英社

  著者はハリウッドで数多くの映画を手がける脚本家、プロデューサー。小説は初めての
 試みであるという。
  この小説の主人公は実在の人物で、この小説が出版されたときは高齢ながら
 もロサンゼルスの土地開発業者として著名であった。

  この小説は1941年ゲシュタポから身を隠し、1945年連合軍の手によって解放さ
 れるまで、ベルリンの4階建てアパートメントの屋根裏に潜み、焦燥の中の5年間を記
 録し、回想を記した日記が元になっている。

  『アンネの日記』はナチ占領下のオランダ・アムステルダムの屋根裏に逼塞した8人のユ
 ダヤ人の中で青春時代を過ごしたアンネの内的葛藤と生活を記した日記である
 (一人生き残った父親のオットー・フランクが出版)。
  アンネは密告で連行され、悲しくも強制収用所で亡くなった。

  本書の素材となったダニエルの日記は屋根裏での生活に入って2年を過ぎた頃
 から書き始められているが、冒頭の日記をつけようと思い始めた気持ちを淡々
 と記した部分は、誠に粛然とした思いでつい身を正す。
  「1943年11月14日
   1941年12月16日から、わたしはここに隠れて暮らしている。あと1か月で2年
 になる。日記を書き始めるのをどうして今まで待っていたのか、自分でも分から
 ない。
  この不自由な生活が、何らかの偶発的な出来事によって終わりになる、という
 幸運に恵まれないであろう。そう自覚するまでに、おそらくこれだけの時間がか
 かったのだ。・・・・」

  ダニエルは生き残っって救出された。しかし、いつ見つかってしまうか。庇護者と
 して食料や新聞などを運び、排泄物を始末してくれるロフマンが10日も姿を見せな
 いとき、空腹はもちろんのこと、もしや空襲で大怪我をしたり、死んだりしたので
 はないかといった不安にさいなまれるつらさはアンネに通ずるものがある。

    
  
  主人公ダニエル・サポルタは1911年1月、ダマスカス(シリア)の中産階級ユダヤ人家庭で
 長男として生まれた(弟と二人の妹がいる。)。貿易商社を営む父の元で、裕福
 な生活を送っていたが、17歳でベルリンに住む父の友人ランドウ氏の下で働くことに
 なる。
  1929年といえば世界恐慌。香辛料を扱うランドウ商会でのユダヤ人の微妙な立場
 にも次第に目覚めてくる。ナチズが力を得始めた頃である。アーリア人種の優越と
 反ユダヤ主義を明確にし始めるのである。
  しかしここランドウ商会での生活もわずか1年で放り出されることになる。しかも保
 育婦のヒルダを孕ませたという疑いで。

  路頭に迷うダニエルは、うらぶれたカフェのビラ配りをしていたロフマンというドイツ人に
 出会う。このロフマンこそ後々までダニエルの盟友として事業を共にし、身を挺してナチ
 スの目からダニエルを匿った命の恩人である。
  ロフマンと意気投合したダニエルは、母がまさかのときのためにズボンに縫い付けて
 おいてくれた金貨で、ロフマンが働いていたクラブ「コーカサス」゛を買い取ることになる。
 そして「ダニエル・サラザール」というスペイン人になりすまし、後に「カフェ・ベルリン」という異
 名をとるほどの繁盛するクラブにまで盛り上げる。皮肉なことにそこにはエキゾチック
 なベリーダンスを求めてナチの将校たちが群がることになる。

  実は日記は屋根裏における逼塞の身のつらさを記した単なる日記ではない。
 彼ダニエルの過ぎこし方の回想が詰まっており、それは数奇といってよいほど波乱
 万丈の人生で、冒険談でもある。
  多くは語らない。しかし、ユダヤ系反ナチグループから頼まれてナチ占領下のサラエボ
 にダンサー募集の名目で入り込み、ナチ拠点に侵入、パルチザン一味に加わり鉄橋爆
 破に加担する等危ない橋を幾度か渡り、ついに1941年12月偽りの身分がばれて
 ロフマンの計らいでアパートメントの屋根裏部屋に身を隠すことになる。
  一度はヒットラーユーゲントの一人に隠れ家に踏み込まれ、ロフマンと共に殺害をし、こ
 れが見事に功を奏し事なきを得たこともある。

  実はダニエル氏の日記は連合軍によって解放されたときは建物に残されたま
 まであった。その後ベルリンの壁が崩壊し、そのアパートメントも廃棄措置を受けた。
 建物解体の際解体業者が数冊の日記を発見、学術的価値があるのではと届け
 られたものをゲーテ学術協会が入手し、1990年にロス在住のダニエル氏に返還され
 たという。

 <このところ読んだ小説>
 ・「復讐の残響」David Lorne 平田敬訳(新潮文庫)
  盲目の元音響技師ハーレックが鋭い聴覚を駆使し、妻の警官デブラと」復讐に狂う
  連続殺人者に挑む。スリリングで楽しめる。シリーズもの。

 ・「病める狐(上)・(下)」Minette Walters 成川裕子訳(創元推理文庫)
  イギリス、ドーセットの寒村で起こる不穏な動き。移動生活者を操るフォックス・イーブル
  と名乗る謎の男。その狙いは何か。
  前に「氷の家」、「鉄の枷」、「女彫刻家」は読んだ。独特の語り口で魅力的。
  
  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする