読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

新緑の上塩原へ(その3)

2010年05月29日 | 国内旅行

ようやく晴れて
  昨夜まで降り続いた雨が漸く上がって、朝日が差し込む露天風呂で最後の湯
 浴みをした。同宿のおじさんと一緒になったが、この宿が気に入って、何度も来
 ていると言う。
  連泊は少ないのか殆ど人の声もしない。清々しい緑とさわやかな空気に身も
 心も洗われたようで生き返る。

  昨日は宿の人に連れて行ってもらって、塩原温泉郷の門前温泉にある「三條
 屋」で蕎麦で昼食をしたためた。美味しいと評判なのだという。確かに蕎麦もつ
 ゆも美味しかった(値段も良かった)。箒川を見下ろすロケーションで、眺めも良か
 った。
 
  食事のあと近くの「湯っ歩の里」へ。市と観光協会で作ったのか大きな「足湯」
 の施設。中心に間欠泉まがいの湯が吹き出る池があり、その周囲60mくらい
 が回廊型の足湯施設で、底は足裏を刺激する石がまばらに敷かれている。有
 料(200円)だが、立ち寄りよりは、本など持ってきて読むか、気の置けない友
 と四方山話などして過ごすにはいいかもしれない。

    

   

   帰る前にどこか見学をしようと、温泉街を回っている「ゆ~バス」(200円)に
  乗って、「天皇の間記念公園」を訪ねた。

   かつて塩原には皇室の「塩原御用邸」があって、大正天皇、昭和天皇、三笠
  宮殿下などがよく避暑にこられたそうで、戦時中は昭和天皇の三人の皇女(孝
  宮、順宮、清宮)などはこちらに疎開し数ヶ月過ごされたという。
   戦後、香淳皇后のお声がかりで御用邸は視力障害者のための施設として貸
  与され、現在も「国立塩原視力障害センター」として利用されている。
   御用邸のうち御座所の棟は「天皇の間」として市が移築し文化施設(記念公
  園)として公開している(有料:200円)。
   旧御座所の中にはちょっとした皇室関係の資料が展示されている(栃木県
  有形文化財)。

   塩原御用邸のかつての姿が、写真や模型で紹介されている。今上天皇の産
  着、終戦の詔勅の写し(昭和天皇の御名直筆と御璽が押されている)などは興
  味深かった。
   皇室の別荘とは言っても、明治期の建物であるが、居間などを見ると意外と
  質素なものであったことがわ
かる。

     

   
    

     

   再び「ゆ~バス」に乗ってバスステーションの方に向かった。箒川にはいくつもの
    吊橋などが架かっているが、有名な「もみじ谷大吊り橋(320m)」はずっと下流
   にあるので「紅の吊橋」を渡る。中心部の「七つ石」辺りは急流で渓谷美が堪
  能できるが、この辺は流れが緩やかで余り面白くない。

   野岩線「上三依塩原温泉口」までバスで20分。「尾頭トンネル」は故渡辺美智雄
  先生の華やかなりし頃の置き土産。銅像が建っている。

     

   (この項終わり)

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新緑の塩原温泉へ(その2)

2010年05月28日 | 国内旅行

楽しい夕食
 [第2日目] (夕食献立)
  前菜:能登のもずく・湯葉とグリーンアスパラ・筍の木の芽和え・つぶ貝・山芋と
      ゆかりなど
  
  本日のお造り(鯖・鯵・鯛・鮪・金目鯛・いか・カワハギ・めばる・とびうお)
    
  三元豚の冷しゃぶ
  
  じゅんさいとラディッシュ・グリーンアスパラ
  
  ずわいがにのしゃぶしゃぶ
  
  ふかひれ饅頭
  
  伊勢海老の鬼殻焼
  
  舞茸の包み焼き              茶碗蒸し(梅干入り)
    
  とろ湯葉
  
    今夜は「ひれ酒」(2合)を
  
   今夜も筍の炊き込みご飯(15分で炊けた)  デザートはムース
    

  <朝食メニュー>
  サラダ・ジュース・糠漬けは第1日目と同じ。今日付いた明太子がおいしかった。
  デザートには栃乙女(いちご)が付いた。
  
  湯豆腐                    温泉玉子
    
  湯葉の含め煮               鮭の麹漬け
    
  わらびとさつま揚げの煮もの
  

 ◇温泉宿の風景 
  外観・庭
   
  客室の様子
    
  風呂・露天風呂
   

  6月中旬辺りから蛍が見られるとか「四季味亭ふじや
  
  
  (以上この項終わり・・・三日目は次回)
  
 
  

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新緑の上塩原温泉へ

2010年05月27日 | 国内旅行
雨に洗われた新緑は
  いわゆる温泉街から遠く離れた、温泉と自然を楽しむためのひっそり旅行。
  NETでさんざん探しまくり、比較し合った挙句決めたのがこの温泉宿。
  結論を先に言えば大正解。

  一週間前からこの旅行中は雨だぞとNHKの気象予報士も言っていたし、NET
 の「天気」でも雨だった。もしかしてと民放の予報士が好意的な観測をしてくれて
 いるのではと念のためチャンネルを回して見たが同じだった。

  行きは新幹線ではあっという間に着いてしまうので、東武線・野岩鉄道でゆっく
 りビールを飲んで、本を読みながら好きな時に眠ればいい。温泉なんだから好き
 な時に温泉に入って、またビールでも飲んで昼寝をしていれば、身も心もリフレッ
 シュするわい。雨でもちっとも構うことはない、と覚悟を決めて出かけた。
  で、やはり2日間は雨だった(3日目は晴れた)。宿の人が気の毒がって、「昼
 食は有名なソバ屋ででも」と車で連れていってくれて、ついでにあちこち回って案
 内してくれたので、雨に降り込められた感じはしなかった。

  雨に打たれた緑はしっとりと美しい。先週の青木ケ原樹海より少し緑が濃くなっ
 て見えるのは気のせい?それとも標高のせいか(ここいらは標高400m、青木ケ
 原樹海は1000m)。
  宿の部屋から描いた絵をご覧ください。新緑の山です。

  
     コットマン0号

 ◇ 癒し系隠れ家
   この宿は部屋数が6つしかない。平屋建て。ところが3部屋にはそれぞれ露
  天風呂がついている。標準は10畳に広縁がついて、踏み込み室には洗面所
  があって、広縁には本格的なマッサージ機が標準装備されていて、コインなど入れ
  なくとも好きな時にマッサージできる。これも昨年4月にリニューアルした際に導入した
  サービスらしいが何とも心憎い。
   6室の部屋はそれぞれ特質があってみんなタイプが違う。だから好みの部屋
  でも満室の場合が多いらしい。

   いまひとつ嬉しいのは、17時までにチェックインした人は大浴場が(と言ってもそ
  んなに大きいわけではないが)貸し切り、つまり家族風呂として使える(40分く
  らい)こと。
   またビール好きにとって何とも嬉しいのは生ビールが滞在中半額(インターネット予
  約特典)。

   さらに嬉しいのは食事は「プチstyleチョイスプラン」が選択できること(これもNET
  特典)。
  普段旅館の料理は量が多すぎて辟易することがあるが、ここでは吟味された
 素材が、変に気取った創作料理ではなく、しかもちょっと工夫がされていて、我
 々には丁度良い量で出て来たので、実に満足する食事が出来た。
  加えて感心したのは、夕食の料理のうち、2種類7品目の料理の内から4品目
 を選べることだ。こうした選択があると何か「特注」をした錯覚になって嬉しい。

  地産地消の野菜類だけでなく、魚介類は産地直送で石川県辺りからも取り寄
 せているとのこと。新鮮さは食べてみると分かる。

  そんなこんなで、久しぶりに満足できる食事に出会い、客数も限られているの
 で騒々しさもなく、ゆっくりした温泉旅行が出来た次第。

 
  ということで、食事中心に御紹介しよう。 

 <夕食メニュー> 
 [初日] ・前菜(能登のもずく・つぶ貝・ワラビのお浸し・ラディッシュ・なめこなど)   
      
    
    ・お造り(関さば・シマアジ・タイ・まぐろ・いしもち・カワハギ・あまえび・あか
     いか・・・カワハギの肝は頬っぺたが落ちそうだった。)
    
    板長気まぐれの一品(サニーレタス・京菜・グリーンアスパラ・うに)
     
    岩魚の塩焼き(骨まで食べた)
    
    治部煮(ふじや仕立て・・・板長は加賀料理を修業した)
    
    三元豚のしゃぶしゃぶ
    
    栃木和牛の溶岩焼き
    
   岩魚の骨酒を頼んだ(2合入り)
        
    コシヒカリと雑穀米の炊き込みご飯(この場で25分掛けて炊く)
    
   山椒の佃煮(逸品)・湯葉の赤だし・青菜とホタルイカ・デザートは抹茶アイス
    

   <翌朝の献立>
   ・サラダ(サニーレタス・京菜・プチトマト・ニンジン・ラディッシュ)
   ・りんごとホーレンソウのジュース ・湯葉豆腐 ・ワラビの煮浸し ・小鰊の焼き物 
   ・だし卵焼き  ・納豆 ・糠漬け ・杏仁豆腐 ・大根と蕗の炊き合わせ
     

     

  (以上この項終わり・・・二日目は次回)
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晩春の麦を描く

2010年05月22日 | 水彩画
鑑賞用の麦
  小生と同じく、5坪ほどの菜園で作物を育てている友人がいて、ジャガイモやト
 マトに加えて鑑賞用の麦を作った。その麦を「活け花用にどうぞ」と戴いた。
  鑑賞用麦を活けたのは初めてであるが、折角の時期のものでもあり、絵の題
 材にし描いてみた。 

  最初緑だけだと締まらないので、補色関係にある赤系のポピーを加えて描い
 みようと思ったが、「麦とポピー」というのもちょっとわざとらしい気がしてやめた。
  
  鑑賞用とはいえ麦は麦。ちゃんと一粒ずつ整列していて、それぞれひげが出て
 いて、丁寧に描いたら気が遠くなるので、それらしく色の濃淡でごまかした。

  いつものことながら悩みは背景色。晩春ないしは初夏の植物なので、柔らかい
 緑を損なわないように淡い青緑色にした。

  麦の穂は伸び伸びとしているが、意外と脆弱なもので、すぐに折れてしまう。2
 本ほどセロテープで補強したがそれは描いてはいない。

   
    ホルベインF8

    
(この項終わり)
   
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青木ケ原樹海と風穴・氷穴

2010年05月20日 | ウォーキング

富士北麓の樹海を歩く
  毎年「温泉付き山歩き」をテーマにしてきた7人のおやじグループ。全員が70歳
 以上となって、人騒がせな事態を招くとみっともないから、きつい山は止めようとい
 うことになって、今年からごく軽い行程を取ることになった。そんなわけで今年は手
 始めに富士北麓の「青木ケ原樹海」歩き。

  話には聞いていたが、樹海を縫う「東海自然歩道」から見渡しただけでとやかく
 言えないが、苔むした樹根・溶岩の連なりを見ていると、原生林の凄さが伝わっ
 てくる。
  溶岩が流れ出して冷えてから1200年に及ぶ。溶岩台地は水分も栄養分も少
 いので、容易に植生が進まない。樹種はと言えばツガ、ヒノキ、アカマツなどの
 針葉樹やミズナラなどの広葉樹が混生している。その広さおよそ30平方キロで
 東京の山手線内の広さに匹敵する。
  一度入ったら二度と出られないとか、自殺の名所などと言われているが、どこ
 であろうとこんな樹林帯に入ったら迷うのは必定。また磁針がくるくる回るとか、
 飛行機が樹海の上を飛ぶとジャイロが狂うとかいうのも取ってつけたような話で、
 まことしやかに言われるほどのことではないようだ。

    
        青木が原樹海                          異様な樹根   
    

  貞観6年(1140年)富士山の側火山・長尾山が爆発した際、古い寄生火山の
 間を溶岩流が流れ下っていくつものトンネル式洞窟が出来た。見学した冨岳
 風穴・鳴沢氷穴はその代表的なもの。

   


   「冨岳風穴」から樹海の中を25分ほど歩くと「鳴沢氷穴」に着く。いずれも天然
 記念物指定を受けている観光スポットになっており、観光客が絶えない。

   
          風穴内の氷                   昔は蚕の種をここに保存していた

   
        鳴沢の氷穴                           氷穴内の氷

   さらに進むと海抜1165mの「紅葉台」という山があって、鳴沢の富士山と樹海
 を俯瞰する観光スポットである。海抜1000mの地点からほぼ一気に登るので一
 緒になった中学生の団体もひぃひぃ言っていた。
  それにしてもこの時期の新緑は未だ瑞々しく、まさに身も心も緑に染まるようだ
 った。

    


    
                 鳴沢・紅葉台からの富士山

  宿舎のホテルは河口湖畔。部屋から湖水を隔ててドカーンと富士山が迫る。
 今日は幸い天候も良く、赤くはならなかったが夕映えの富士山を満喫した。
  鳴沢の富士山よりこのほうが姿かたちが美しい。

     
                部屋から見た河口湖と富士山
 
  翌日は近くの天上山公園にロープウェイで上がって、河口湖と富士山を鑑賞
 しようと思ったが、生憎と天候は下り坂。富士山は顔を隠していた。
  ちなみにこの天上山は昔話「カチカチ山」の舞台で、タヌキがウサギに騙されて
 泥船に乗って沈んだのが河口湖という。太宰治がこれを素材に「カチカチ山」と
 いう小説を書いていたとは知らなかった。

    

  (この項終わり)

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