読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

大沢在昌の『熱風団地』

2024年04月24日 | 読書

◇『熱風団地

   著者:大沢 在昌      2021.8 角川書店 刊

   

 大沢在昌らしく雑多な国籍の人々が登場する。。刃傷沙汰もほとんどない割とほんわかとしたソ
フトタッチの劇画風痛快譚である

 東南アジアの小国”ベサール”という王国の王位継承問題がテーマ。主人公はフリーの観光ガイ
ド佐
抜克郎とベサール人元女性プロレスラーのヒナ。外務省系NPO法人「南十字星」という得体のし
れない団体にベサール国の王子を探してくれと依頼される。佐抜が日本では数少ないベサール語
を操れる人材だったからである。
 アシスタントとしてつけられた元女子プロレスラー”レッドパンサー”は佐抜が大ファンだった。二人
は中国情報機関員、インド、ラオス、タイ、インドネシア、ヴェトナム、カンボジア、ベサール人など雑
多な人々が住む「アジア団地」に住んでいるらしい王子探索に奔走する。そこでは中国系住民が支
配す
る自治会とベサール国の民主化を実現しようとする団体が王位継承に介入し、まだ16歳の王
子は王位継承意思がないとしぶるなど混迷を深めるが、意外と状況判断力と機転力に長けた佐抜
とヒナのコンビは巧みに関係者を操り、ベサール国の民主化に向けた道筋を見出す。
                                          (以上この項終わり)

 

 

 


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