読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

『Zig Zag』(ジグザグ)・歴史ミステリーを読む

2011年06月29日 | 読書

『ZigZag(上/下)』 著者=ホセ・カルロス・ソモザ 
                                                     
訳者=宮崎真紀/山田美明
                                    2007.11 ㈱エンターブレイン刊

 やや古い本であるが、最近になく面白い本で、上/下で500ページを超す大作であるが、一気
に読み切った。
 歴史ミステリーというジャンルがあることを初めて知った。この本の何が面白いかというと、スト
ーリーの流れについていくためにほとんど異分野の知的世界(素粒子物理学)に入り込んで、何
とか理解しようと努力しながら読み進むという知的刺激を受けたことである(読者の理解を助け
るために文中に図を入れ解説している親切さ!)。それにテンポが良く、展開がもたついていな
い。

 主人公は欧州でも指折りの理系私大に勤める美貌の教授エリサ・ロブレド。天才的頭脳の持ち
主であるエリサは、実はマドリードの理系私大物理学部の学生だった頃、崇拝する理論物理学界の
異才ダビット・ブラネス教授の夏季講座の選考試験を受け、その実力を認められて、学会で注目
を浴びている「ひも理論」を究める研究所の一員になる。そして世間から隔離されたインド洋の孤
島「ニュー・ネルソン島」にある研究施設に派遣される。そこにはブラネス教授と研究パートナーの
セルジオ・マリーニをはじめ、理論物理学、古生物学、科学哲学、文化人類学など10人の科学者
が集まっていた。

プロジェクト名「ZigZag」とは何か。そもそも「ひも理論」を噛み砕いて言うと、一種のタイムスリップ
理論。世界を構成する電子や陽子といった素粒子は、球形ではなく細長い紐と考えられる。時間の
一端は未来でありもう一端は過去。時間は前進しかなく、過去は終わりがない。時間の光子もほか
の事物同様ひもで出来ており、このひもを強力な粒子加速器にかけて陽電子にぶつけると過去の
時間における映像を得ることが出来る。
もう少し丁寧に言うと、時間のひもの中間部分はコイル状に巻かれていて、このコイルを厳密に計
算された特定のエネルギーで展開すると、ひもを抜き取って、年代順に分離特定し過去の一時期
を目の当たりすることが出来るというのだ。
 この理論の実用化によって近過去の世界を入手できれば、すでに起こったことの情報を元に、世
界を思いのままに操ることが出来る。この画期的な理論に目を付けた軍事企業「イーグルグループ」
は、ニュー・ネルソン島に集めた10人の科学者を厳格な保安管理のもとに強力な粒子加速器を初
めスパコンなど研究施設を駆使し、「ひも」時間軸からの分離を急かす。
そしてついに厳密なエネルギー計算の投入で、ジュラ紀のマンモスや、キリスト生存中のエルサレ
ムの映像を目の当たりにすることが出来た。
 
 しかし、ここで思わぬ事故が起き、思ってもいなかった身の毛ももよだつ悪夢が目の前に。

この先は下巻に述べられているが、種明かしはしない。
このプロジェクトに係わった人たちが次々と惨殺されていく。その陰には人智を超えた邪悪な存在が
ある。
本物の悪魔。実はのぞき見た過去の時間のひもの一瞬には、誰の心にも存在しうる邪悪な心があり、
開かれたひもの谷間に落ち込んだMr.Xはあらゆるものからエネルギーを得てひたすら殺戮に走る。
果たしてこの悪行は何者が巻き起こしているのか。

 要は「ひも理論」の実用化によって、神が決して二度と足を踏み入れてはいけないと言ったエデン
の園に戻ろうとしたからだ。

辛うじて生き残ったのはエリサを含めてたった2人。
そのひとりKは叫ぶ。「あんたら科学者なんか大嫌いだ!くそ科学者め!俺は生きたいんだ、放っと
いてくれ。」

最後にエリサはうそぶく。「科学は唯一の知識だ」。

神よ、いったい私は何をしてしまったのですか?>ロバート・A・ルイス(広島に原爆を投下した
  爆撃機 ”エノラ・ゲイ” の副機長)

         

                                                             (以上この項終わり)


       

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今畑の西瓜などは

2011年06月27日 | 畑の作物

西瓜の育ち
  今年は大玉1本、小玉1本を植えたが、主枝、小蔓、孫蔓が混線している中で毎日のように
雌花・雄花が咲いて、人工受粉に暇がない。受粉は8時ころから9時半ごろまでと限られている
ので忙しいのだ。

         

6月13日に最初の人工授粉を行ったが、今やテニスボールの大きさを超えた。2日前に受粉し
た雌花もこんなに大きくなった(ウズラの卵大)。

         

   
子蔓、孫蔓は適当に摘芯しなければいけないが、どれが摘芯すべき孫蔓か、蔓をしっかり追っ
ていかないと大事な蔓まで取ってしまったりするので気をつけないといけない。

しょうが
  5月6日に植えた生姜はやっと芽を出した。発芽まで1ヶ月半はかかる。

          

トマト
  やっとトマトが熟し今日初採り。カラス避けが必要かも。

            

落花生
  この間土寄せをしたが、その後も後から後から花が咲いている。子房柄はまだ見えない。

          

                 (以上この項終わり)

 

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いま畑では

2011年06月17日 | 畑の作物

西瓜
  やたら子蔓が伸びて、人さまも通る道にまで張り出してきたので、何本か成長点を摘んだ。 
 気づいたら雌花・雄花が咲いていて、小さな西瓜が出来ていた。一個は自然交配だと思うが、
 もう一個は人工交配をした。果たして大きくなるか。成功しないと自然に落ちてしまう。

            
  
     
いんげん
  4月24日に種を蒔いたが2カ月もたたずに本日初収穫。
  第二弾は5月16日に種を蒔いて、こんなに大きくなった。

               
トマト
  今年は畑には「桃太郎」だけ植えたが、落果を防ぐホルモン剤をスプレーするつもりで、ゼニゴケ
 除草剤をスプレーしてしまった。千慮の一失どころか何ともばかばかしいミス。同じような容器なの
 に確かめないで使ってしまった。呆けの始まりかも。花や葉が萎れて来て不審に思って容器を見て
 気付いた。
  幸い植物は回復が早く、また新しい花が咲き始めた。しかし当初予定の収穫は望めまい。 

     

落花生
  4月24日に種を蒔いて5月4日に発芽した落花生は6月13日に花が咲いた。これから子房柄が
 出来るので軽く追肥をし、土寄せをした。

         

◇しょうが  
  5月6日に種生姜を植えたが、1カ月にしてポチポチ芽を出し始めた。梅雨の間は水遣りも必要
 ないが、肥料と水を欠かせない。

庭のトマト・胡瓜
  
           
  
                                                 (以上この項終わり)

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カリフォルニアの馬道(水彩画)

2011年06月15日 | 水彩画

馬道(Equestrian=Horse Trail)を描く
   今春訪ねたカリフォルニア南部のSJC辺りでは普通の道路では車両用道路に歩道が付いている
 が特別な公園地域でもないのに乗馬が盛んなせいか馬道が別途用意されている。当然舗装はさ
 れておらず、雨の後はぬかるむ。木立が適当に陽をさえぎってくれるので散歩には向いているが、
 当然のことながら「お馬さま」優先で、まさか土下座はしないが脇に小さくなってお通り戴く。
 一般道路には「馬の通る道がありますよ」と標識が設けられている。

                        

  踏みならされて自然に出来た道ではないので、言葉通りのトレイル(trail)ではないかもしれない
 が、「乗馬専用こみち」である。

  小高い山に登る道もtrailと呼んでいて、ここを通るお馬さまも優位にあり、人は脇に避けるルール
 になっていると教えられた。

                         

  時間を作ってこの馬道を水彩で描いた。その時は風景だけで、後で娘の義母に差し上げたが、
 今回自分用に乗馬姿の女性を取り込んでみた。裏山を歩いた折に通りすがった乗馬姿である。
  実際は2頭が並ぶと一杯になる幅であるが、視覚的にはもっと広く感じられて、こんな絵になった。
  右手の木はユーカリ、左手の古木のように見えるのはペッパーツリー(胡椒の木)である。葉っぱ
 が柳の木に似て枝垂れる。

                        



             
               COTMAN  F10
                                                                                                                      (以上この項終わり)
                                                                 


   
   

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我孫子の「あやめまつり」

2011年06月14日 | ウォーキング

◇我孫子市水生植物園「あやめまつり」
 我孫子市の水生植物園で第28回あやめまつり(6月5日日曜日~19日日曜日)が開かれていて
11日当たりが見頃ではないかという知人N氏がブログに書いていたので、妻と散歩がてら訪ねた。
 手賀沼というと自転車か歩き.

おにぎり各自3個、ほうじ茶のペットボトル、おせんべ詰め合わせなどをバックパックに入れて歩き始
めたのが10:10。手賀沼に注ぐ「大津川」の土手を歩くが、この季節では夏草が繁って、すこぶる歩
きにくい。

    

 日曜日とあって釣り人が多い。彼らは非常な忍耐力をもって釣果を待つ。
  1時間歩いて釣り上げた人は一人も見なかった。

          

 千葉導水路が埋まっている手賀沼遊歩道はウォーキング、ジョッカ―、サイクリスト、いろんな目的
の人たちが思い思いのスタイルで楽しんでいる。
 我孫子市水生植物園までは家を出てからおよそ2時間(8.5キロ)の距離。橋を7つ越える(権現
橋、中の橋、上沼橋、二子橋、大津川橋、ひどり橋、手賀大橋)。
 久しぶりなので少し疲れて途中小休止を取った。

 水生植物園は小規模でちょっとがっかりした。
 すでに時期遅れの藤棚は最盛期では見事かもしれない。

         


         


     

 思ったほど人出はなかったが、屋台が3つ4つ出ていた。
 アジサイもそろそろ色付いてこれから見頃に。  


          

    

  3羽の生まれたての赤ちゃんはくちょうを連れたお母さんはくちょう。泳ぎの特訓中。 
  まだ羽が半分くらいしかなかった。

           

<付録>水の博物館 幼稚園くらいまでの子供を遊ばせるにはもってこい。今日は「カブスカウト」の
      子供らの集まりがあった。 

                   

                                      (以上この項終わり)
  

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