読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

冬の伊豆下田へ

2018年01月31日 | 国内旅行

◇ ハワイと見紛う下田「外浦海岸」

  
  2018.1.28
  
  2018.1.30
  
  2018.1.30 6:47日の出 正面奥は利島右手は鵜渡根島、新島、式根島、神津島

  しばらくぶりの伊豆下田訪問。前回は水仙の群落で有名な「爪木崎」を訪れたが、
 今回は眺望景観に優れた「外浦海岸」中心。何しろ20年ほど前に友人と訪れた妻が、
 感動し、是非死ぬ前に見せておきたいというので、ロケーション抜群の某ホテルに
 泊まって「全室オーシャンビュー」という自慢の眺望を堪能した。

  確かに湾曲した外浦海岸はやや小ぶりながらハワイ・オアフ島のハナウマ・ベイ
 にそっくり。遠浅で、深度に従ってターコイズブルー、アクアブルー、セルリアン
 ブルー、ピリジャンまで微妙に色合いを変える。しかも風次第で海面のさざ波がま
 た風合いを変える。その姿を丘の上の7階の居室から飽きもせず眺め入る。贅沢な
 時を過ごした。
  たまらず持参した小さい画用紙にスケッチをし、彩色し簡単に彩色した。

 翌日はこれまでなおざりにしてきた下田開港の歴史的資産を見て回った。

  

  
  河津さくらは今まさに咲かむとしていました
  
   渡航を企てながら失敗し自首した吉田松陰の拘禁の場跡 
  
   伊豆地方はなまこ塀が知られていています。これは旅館
  
   その昔「唐人お吉」が営んでいたという鮨屋「安直楼」
  
   お吉はかわいそうに周囲から蔑視され自死した。享年33。
  
  下田ドッグ創業者澤村久右衛門邸。現在は下田市営休憩施設。
  ナマコ壁が見事。
  
  ペリーロードにある築100年の古民家。ギャラリー「草画房」。 

  
   町の一角にあった30ポンドカノン砲
  
  ペリーロード

  
  
  ペリーロード
  
   日露和親条約を締結した「長楽寺」
  

  
  ペリーロード
  
  ペリーロード
  
  日米下田条約締結の場「了仙寺」
  
  「唐人お吉」菩提寺。下田奉行所跡。
     
      ペリー艦隊上陸の碑
  
  下田港 下田富士 寝姿山
  
   伊豆急下田駅頭
                          (以上この項終わり)
  

  

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ジャク・カーリー『キリング・ゲーム』を読む

2018年01月25日 | 読書


◇『キリング・ゲーム』(THE KILLING GAME)
                                著者:ジャック・カーリー(Jack Kerley)
                訳者:三角 和代
               2017.10 文芸春秋社 刊 (文春文庫)   

   

 変態本格ミステリーという一見聞きなれないジャンルのベスト5の筆頭に上げられたという作品。
カーソン・ライダーシリーズ第9作。
  
共通点がまるでない被害者が2週間に5人という無差別連続殺人が起きた。
幼稚というか「そんなことで?」という異常な犯罪動機、多様な殺人手段、人種も性別も職業も
 まちまちという無差別性。

犯人が皆目見当がつかなくて右往左往するライダーチーム。


  
  主人公はアラバマ州モビール市警の刑事カーソン・ライダー(異常犯罪特別捜査班のリーダー)
ライダーはモビール市警で傑出した刑事でありポリスアカデミー(警察学校)教官も務め、多く
 の生
徒の支持がある。実は捜査上のヒントも彼らから得た。

  連続殺人犯は東欧ルーマニア出身のグレゴリー・ニーヴス。
グレゴリーは1セント硬貨の裏に自分を辱めた人物の名を書いて花瓶に入れ、これを振って出た
 硬貨の順番に攻撃していくというソシオパス(社会病質者)。他者への共感を欠く。
 ルーマニアの独裁者チャウシェスク時代の孤児収容施設で秘密警察派遣の警官から受けた性的迫
 害がトラウマとなっている。  

  面白いのは主人公のライダーの語りに挟まって犯人の語りがあり、その異常性と背景が次第に明
 らかになっていくところ。一向に犯人像に迫れず焦るライダーにいらいらするのは、読者には犯人
 の考えや行動がすべてわかっているから。
  最後に明かされる作者の罠と布石はなるほどと思わせるがやや安直でもある。

 連続猟奇殺人事件の犯人へのアプローチだけでなく警察署内部のいざこざ(上司と部下、同僚同
 士、警官とポリスアカ
デミー生徒)などエピソードもなかなか興味深い。

  自分を辱めた人物を直接殺すのではなくその人物に最大の痛みをもたらす人物を殺すという犯人
 絞り込みのヒントは、ライダーの新しい恋人ウェンディ(ポリスアカデミーの生徒)がくれた。

                                  (以上この項終わり)

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今年の南関東初積雪

2018年01月23日 | その他

初積雪の後
 先週の金曜日辺りから「月曜日は大雪」と騒いでいた。予報通り月曜日の朝からチラチラ雪
が落ちてきて、昼過ぎから次第に本格的な雪になった。高速道路、一般道をはじめ航空路など
交通機関への影響を強調していたが、予告通りになった。交通機関が乱れるので早く帰りまし
ょうなどというから一点集中で大混雑。JR信越線の長時間ストップの被害のようにならなくて
よかった。
 4年前の2月初旬の雪は30センチくらい積もって、庭の青島ミカンの枝が折れる被害があった。
今年は15センチくらいで枝が折れるというほどの積雪ではなかった。4年前は腰痛を気遣いな
がらも家の周りの除雪はしたのであるが、今年は3日ほど前から重度の腰痛で出動は断念。妻と
おおたかの森に住む三女が駆けつけてくれて女手だけで除雪を行った。男女共同参画社会を地
でいく光景になった。三女は今日が誕生日だというのに。

 <1月22日(月)17:00時点の積雪>




 <1月23日(火)7:00時点の積雪>





(以上この項終わり)


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ベルンハルト・シュリンク『週末』

2018年01月20日 | 読書

◇『週末』(原題:Das Wochenende)
        著者:ベルンハルト・シュリンク(Bernhard Schlink)
                 訳者:松永 美穂   2011.6 新潮社 刊

  

  1970年代の現代史小説とされる。内容はドイツ赤軍派テロリストの服役とその後。ナチスドイツの
 犯罪、9.11テロ、も視野に収めた考えさせられる小説である。

  ドイツ赤軍派のテロリストの一人イェルクが恩赦を受け、23年の服役の後刑務所から釈放された。
 姉のクリスティアーネは赤軍派の元メンバーなど10人を田舎の屋敷に招く。金曜から日曜までの週末
 の二夜の物語

 イェルクを過激思想の世界から距離を置かせて、社会に順応させようという試みであったが、思惑は外
 れ集まった元赤軍派の面々はそれぞれの思いが激しくぶつかり、あるいは微妙に食い違い一筋縄ではい
 かない。最後には思ってもいなかったイェルクの息子まで現れて父親との論争にまで及ぶことに。
 
  母親を早くに亡くしたのでクリスティアーネは母親代わりでイェルクを育てた。自分が医学の勉強に
 かまけていたせいでイェルクがテロルの世界に迷い込んでしまったという自責の念があって、いまだに
 彼の今後についてあれこれアドバイスをする。しかしイェルクは長い刑務所生活で何かを悟ったらしい。
 「指図するなよ」と姉を突き放した。クリスティアーネは冷水を浴びた感じでショックを受ける。
 
  彼らの間で交わされた反省や言い訳、攻撃や期待、過去の夢や未来への望み、イェルクを再び闘争に
 利用しようとする思惑などが交錯するが、結局わだかまりや疑心暗鬼や愛憎が少しだけ緩和し、互いの
 立場や信条の変化への理解、宥恕などがあって、土曜の夜の象徴的な大雨のあと日曜日の朝を迎えた
 10人はそれぞれ車に分乗し帰途に就く。人の生き方に深い洞察力を持つ作者の力量がうかがえる。

  この本の執筆の途中にドイツ赤軍派でテロで9人を殺害し終身刑で服役していたクリスティアン・ク
 ラ―を恩赦で釈放すべきかどうかで論争があったという。この本の主人公のエピソードにこの釈放論議
 の影響を受けていることがうかがえるという(クラーはこの時点では恩赦を受けなかったが翌年には恩
 赦になったという)。
  イェルクも銀行を襲い人を4人も殺害したことになっているが、日本では23年服役し恩赦で釈放とい
 うことは多分考えられない。ナチスを産んだ深い反省で知られたドイツにおける
この寛容さをどう理解
 すればよいのか。

  この本の前作『朗読者』(1995年)は世界的ベストセラーとなって映画化もされた(「愛を読む人」)。

                                    (以上この項終わり)

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新春初お絵かきは「はきもの」

2018年01月15日 | 水彩画

◇ 和風履物を描く

   
    clester F6

  新春の初お絵描きは和風履物でした。以前は正月と言えば大人はみな和服でした。私も一応正月には和服
 を着ます。もちろん桐の下駄履きで。ただし2・3日だけです。
  神社の初もうでも以前は結構和服の人がいました。女性だけでなく男性も。最近は女性はともかく男性は
 寒いからダウンコートなどほとんど洋風です。
  眠っていたまだ履いていない下駄を持ってきて題材に加えましたがそちらは別のコーナーに譲って、私は
 女性の下駄と草履を描きました。ぞうりは和服用と室内履きです。

  エナメル加工のぞうりは光源が複数あるためにハイライトが多数ありとても複雑です(影も)。色面構成
 と新春をイメージできるものとして南天の枝を加えました。 

                                     (以上この項終わり) 

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