読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

大洗アクアワールドで楽しむ

2013年02月25日 | 国内旅行

アクアワールド茨城県大洗水族館
  茨城県の代表的河川「那珂川」が太平洋にそそぐ河口近くに「アクアワールド茨城県大洗水族館」がある。
 三女の家族と出かけた。
  JR勝田駅から「ひたちなか海浜鉄道」という1両だけで運行する単線三セク鉄道。あちこちで役目を終え
 たセコハン車両を使っているので乗るたびに車両の型が違う。それもまた楽しい。
  「那珂湊」の駅舎は、大正2年湊鉄道として開業以来の木造の昔懐かしい駅舎で「フラガール」などの映画
 ・テレビなどによく使われるという(関東の駅百選認定駅)。

         
  

  大洗水族館は日曜日とあって家族連れで大変賑わっていた。
 水量1,300tの大水槽で泳ぐイワシの大群「出合いの海ゾーン」、52種類のサメが集う「世界の海ゾーン」、
 子供連れに大人気のアシカ・イルカショー「オーシャンゾーン」、「ミュージアムゾーン」のキッズランドでは、
 人間の手や足の角質を食べてくれる魚が泳ぐコーナーがある。結構くすぐったい。角質が少ない子供より
 年代を経た大人に多く群がる。皇帝ペンギンはいなかったが、フンボルトペンギンが愛嬌を振りまいていた。
 面白かったのはアマゾン川辺りに生息するカピバラという大型のネズミ。体長は1メートルを超すが、温泉
 に浸かりまどろんでいた。こんなにまったりした生活では早死してしまうのでは。

           

   
         


         


         

   アクアワールドの近くには2・3ホテルなどあるが、河畔の散策路で15分くらいの「かんぽの宿大洗」
 眺望にも優れ満足できる。

  昼は歩きで海門橋を渡って「那珂湊おさかな市場」へ。

  (以上この項終わり)


  

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相場英雄の『鋼の綻び』を読む

2013年02月18日 | 読書

◇『鋼の綻び』 著者:相場英雄 2012.11 徳間書店 刊


      

   金融経済小説か警察小説か。
   2005年に『デフォルト 債務不履行』でデビューした相場英雄の最近作である。
   東京証券取引所の一年間の締めくくり大納会をターゲットに「金融テロ」とも言える
  マーケットの大暴落一大パニックを狙った犯罪が、或る男によって着々と進められつつあっ
  た。

     この作品のテーマは何か。
   主軸は震災で起きた原発事故で事実上見殺しにされた福島県警戒区域の人々の憤りと
  恨み。無為の政府を糾弾するために何重もの罠を仕掛け金融パニックをもくろむ。
   復讐を誓った人たちは証券取引所を舞台に、巧妙な株価つり上げと、売り浴びせでマーケ
  ットのフラッシュクラッシュを図り、日本発の金融危機を身代金に政府(首相)の土下座を求め
  る。そしてあわや成功するかに見えた復讐劇は、間一髪の危うさで…。

 
   総理大臣秘書官は財務省・経済産業省・警察庁の三省庁から第一級のえり抜きの人材が
  送り込まれることはよく知られている。
   警察庁出身の秘書官桐野は前身は警察庁刑事部捜査二課長。大納会の鐘を鳴らしたい
  総理の警備に気を配っていた桐野は、たまたま起きた暴力団系金融ブローカー高橋の殺人
  事件に不審を抱く。高橋が持っていたメモにあったメガバンクの取引コードの数字は何を意
  味しているのか。

   
   桐野は元部下の土田を使って独自の調べを進める。
   クラウドコンピューティング技術の新星児「Jハル」という会社。Jハルが手に入れようとして
  いる中小証券会社「木俣証券」。政財界の重鎮が足しげく通った新宿ゴールデ街のバー
  「たまみ」、そのママと深いつながりを持つ不気味な男。その男の指図で株価操作を操る男。
  情報入手で目を剥くような鮮やかさを見せる不思議な男。沖縄宮古島で失踪した金融庁審
  議官、東証で首相秘書官を見掛け、不審な動きに喰らいついていくTVキャスターとその上
   司。情報操作を図るメディア界のボス。 
     これらに立ち向かう警察庁刑事部、公安部、警視庁の捜査陣。  
    いろんな登場人物がそれぞれに、それなりの存在感を持って絡み合う。

   幾分安直な筋書きで、表現もオーバーな点も目に付くが、株価操作と海外のタックスヘブン
  や外資投資会社をも動員しての金融テロという視点は卓越で、経済サスペンスと言ってもよ
  いのではなかろうか。

  (以上この項終わり)
  

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ジョン・ル・カレの『われらが背きし者』を読む

2013年02月13日 | 読書

◇ 『われらが背きし者』(原題:OUR KIND OF TRAITOR)
                著者: ジョン・ル・カレ(John Le Carre)
                訳者: 上岡伸雄・上杉隼人    2012.11 岩波書店 刊

    


  ジョン・ル・カレは国際謀略小説の名手である。1961年『死者にかかってきた電話』で小説家デビュー、
 著作は20を超える。『スマイリーと仲間たち』(1987.4)、『ロシア・ハウス』、(1996.4)『影の巡礼者』
 (1997.8)、『ナイロビの蜂』(2003.12)などが知られているが、比較的寡作で2年おきくらいに著作が
 発表されている。
  元々英国外務省に勤務し、諜報部(MI6)に所属したこともある。そんな経歴もあってかスパイものはお
 得意なのだろうか。知的な皮肉(エスプリ?)が効いた対話がイギリスの小説家らしい。

  主人公はオックスフォード大学元個別指導教師のペリー、そのフィアンセ弁護士のゲイル。そしてヴォー
 リーという犯罪集団の幹部で世界的マネーローンダーとして知られるディマ。
  ペリーとゲイルは結婚前に生涯一度の豪華バカンス旅行をとカリブ海アンティグ島にやって来た。そこ
 で偶然出会ったディマにテニスの挑戦を受ける。
  ディマは世界主要地においた会社でネットワークを組み巨額のマネーローンダリングを重ねている。しか
 しグループのボス「プリンス」に疎まれ身に危険が迫ってることを察知し、組織の全貌をばらすことと引き
 換えに我が身と家族の英国亡命を持ちかける。その相手がテニスをきっかけに識り合った、諜報に関し
 ては全くの素人であるペリーとゲイルだった。
  犯罪集団の一員とはいえ誠実なディマに同情したペリーは大学時代の教授を手づるに英国諜報部につ
 なぎを付けこの大事を打ち明ける。そこに登場するのは諜報部(MI6)の一匹狼へクター。へクターはリス
 トラ直前の中年スパイ・ルークやオリーのチームで事の真疑を確かめながらこの重大プロジェクトに取り組
 む。 
  
  アクション場面はそう多くはないが、ベルリンの壁崩壊以降、冷戦構造が緩和し凋落気味の諜報部では
 上層部が事なかれ主義に堕し、ディマの亡命に半信半疑になっている。漸く亡命受け入れとなってしばら
 くスイスの山荘に匿うことになる。パーティー会場からの脱出、アイガー北壁の夜道を駆る逃走劇がスパ
 イ小説らしいシーン。そして物語はあっと思わせるシーンでやや唐突に終わる。
 いろんな疑念が残るが後は読者にお任せか。 

   
  (以上この項終わり)

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水彩画・静物「ワインと果物」

2013年02月10日 | 水彩画

 ◇ ワインボトルグラスワインそして果物・観葉植物
   ずいぶん盛りだくさんな静物の登場になったが、画面を横にするとどうしても空きスペース
  が出来てしまって、あちこちから助っ人を持ち出して配置した結果こうなってしまった。
    一度教室でワイン&ワイングッズを描いて、不満が残ったのでなんとかもう一段上にと
  表現方法に挑戦してみた。
   ワインボトルは瓶の色と中身の色があり、さらにハイライトがくっきりしているのでその表
  現次第で絵の印象が変わる。グラスのワインは白と赤を入れたが、ガラスにはこの色と周
  囲の反射色があって、実際はもっと複雑な色合いなのかもしれないが、今回はこの程度し
  か表現できなかった。
   アボカドは描いているうちに色が濃くなりすぎた感じで主張がつよすぎる。
   後ろの観葉植物(シンゴニウム)はこんなに丁寧に描かなくともよかったのかも。可哀そう
  だが何しろ端役なのだから。
   背景色には悩んだが、最初プルシアンブルー主体にしたが、明るすぎるので赤・緑・ブル
  ーの混色で重色にした。塗りむらをなくすのが課題。

    
    Clester F8

    (以上この項終わり)

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世界遺産を目指す「韮山反射炉」

2013年02月06日 | 国内旅行

◇ 伊豆長岡の「韮山反射炉」を訪ねる
  この時期温泉地はつい伊豆に足が向いてしまう。
  久しぶりに伊豆長岡温泉を訪れた。古奈温泉、畑毛温泉、長岡温泉と歴史ある温泉があるも
 のの中伊豆と呼ばれ内陸部の入りこんでいるせいかいまひとつ盛り上がりが見られない。伊豆
 の国市などともっともらしい名に変えてみたものの、街自体が眠っているようで寂しい。

  今回は初日は伊豆長岡源氏山の東側古奈温泉にある旅館。蛭ケ小島に流された頼朝が20
 年間青年時代を送った地古奈温泉で、頼朝が愛した湯の源泉がある創業100年の老舗だった。
 すぐ隣は「湯谷神社」。洞窟風呂というものがあって、異様な雰囲気だった。
  第二日目は源氏山の西側長岡温泉。4階の客室から富士山を望める素晴らしいロケーション
 の宿だった。庭園野天風呂が素晴らしかった。

  宿から北に上って、狩野川放水路を左に見て堤防下の公園にある足湯に入った。常連らしい
 お年寄りの仲間に入れてもらって、一緒に脚を湯に入れた。「熱い!」慣れたおじさんは湯口から
 離れたところに陣取っている。「そっちは熱いんだよ、こっちに来な」と教えてくれた。隣のおじさん
 は湯の中に入った部分が茹でダコのようになっている。足がジンジンしてきた。「やけどするよ」
 とおばさんが言ったのでやせ我慢しないで席を移した。
  橋を渡って国道を300mほどで左に折れると役1.5キロで「韮山反射炉」に着く。小高い山裾
 で、4基の煙突が立っている。高さ15.7m。煉瓦造であるが、のちに鉄骨で補強された。

            
      伊豆長岡駅から1.5キロ     入場料100円          鉄枠はのちの補強用         

  江川太郎左衛門。江戸幕府の韮山の世襲代官である。先祖は源頼親で第36代江川英龍は
 英明の人。渡邉崋山や高島秋帆などを識り、外国勢力から我が国を守るためには品川沖に大
 砲台を設け侵入を食い止めなければならないと海防の重要性を主張し、大砲の砲身を鋳造す
 る反射炉の建造に着手した。反射炉(Reverberatory furnace)は金属融解のための高炉
 であり1849年に江川英龍が実験炉を造り、息子の江川英敏が実証炉を完成させた(安政4年
 1857年)。英龍は炉の完成を見ずに逝った。
  反射炉自体は鹿児島、佐賀、水戸、鳥取、萩などの諸藩で稼働させた実績はあるが、実際稼
 働した反射炉で現存しているのは世界で韮山の反射炉だけである。日本の製鉄技術導入の黎
 明期を象徴する重要な資産として位置づけられており、「九州・山口の近代化遺産群」と共に世
 界遺産登録の候補となった所以である(2009.1暫定リストに記載された)。
 平成27年7月頃の指定を目指しているとのこと。

         
     燃焼後の灰出し口            同左              原料銑鉄投入口           構造説明板

                   
  左が銑鉄投入口 右は燃料投入口    鋳鉄取り出し口         煙突高さ15.7m        鋳鉄を用いた砲身
                                                                24ポンドカノン砲 


  製鉄技術のうち溶融法は現在は転炉が主流であるが、青銅製砲身が主流であった江戸時
 代にあって反射炉によって均一質の鉄製大砲が量産できたことは画期的なことであった。

  「反射炉」は燃焼室で発生した熱(熱線と燃焼ガス)を天井や壁で反射、側方の炉床に熱を集
 中させて炉床で金属(鉄)の精錬を行う。反射炉に欠かせない良質の耐火煉瓦は梨本(現在の
 河津町)で造られた。

  すぐ近くに地ビールの工場とレストランがあり、ちょうど昼時であったため3種類のビールとピザ
 を楽しんだ。伊豆ではもう水仙が咲いている。

     


  (以上この項終わり)

   

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