◇ 弦田英太郎画伯の『黒猫のいる裸婦』
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東京美術学校出身の弦田英太郎画伯(1920年生まれ)の裸婦。藤島武二画伯に師事し、舞妓や裸
婦を得意とした先生です。
かつて人物画を描く前にお手本としてこの絵を臨画したことがあります。(下に掲示)
いま見直しても汗顔ものの絵ですが当時はこれが精一杯でした。元は油絵なので、一発勝負の水彩画
では限界があります。
若い女性のみずみずしさが表現できたでしょうか。人体の赤い毛細血管や青い静脈を描くのはとて
もむつかしいものがあります。特に脚などは重力の関係で赤みが違います。丁寧な観察が重要です。
弦田先生はおっしゃっています。
「裸婦はあらゆる芸術で、最も困難な題材のひとつである。永遠の象徴として、裸婦の美しさを生涯
掛けて追求していきたいと思っています。デリケートな肌のにおいや、ふくよかな女体のエロチズ
ムの中に、純粋で哀しく、孤独な影がにじむポエジーが欲しい・・・。
願いつつ黒猫のいる裸婦を描きました。」
デリケートな肌のにおいや、ふくよかな女体のエロチズムの中に、純粋で哀しく、孤独な影がにじ
むポエジーなど、とても表現できたとは思えません。前よりは少しマシになったかなと思いますが…。
また挑戦します。
(原画)
(2008.7) (2007.1)