読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

暮れのご挨拶

2018年12月31日 | その他

ご愛顧ありがとうございました
 この一年、代わり映えのしない当ブログをご覧いただきありがとうございました。
借地で耕していた畑がなくなって、畑の作物に関する記事が少なくなりました。
その分水彩画作品と読書感想文が増えたかというとなかなかそうもいきません。
 仕事を持っているわけでもないので、好きな三つの分野にうまく時間配分して楽し
んでいると、それぞれリズムがあって、どこかが減ってどこかにそれを振り分けると
いうわけにはいかないのです。それよりも歳のせいか、このところ一年があっという
間に経ってしまって、気が付くと積み残しの雑事があれこれあって、あ~今年も明日
で終わりかということになるのです。
 10月に長姉が亡くなって「喪中につき年賀欠礼」ということで年賀状も出しません。
自分よりも年下の知人の訃報が届いたりして、自分もそんな歳かとしみじみと思った
りします。
 今年は大雪、猛暑、豪雨と災難続きでこの災難に遭遇された方たちには大変お気の毒
でした。
 史上最長の政権と胸を張る安倍政権は、いよいよ慢心が高じ傲岸となり、少子高齢
化や社会保障システムの破綻、財政規律の回復など重要な課題を置き去りにしたまま、
憲法改正と北方領土をどんな形でも実現するのだと夢中になっている姿に、苦々しく
これを許している有権者を(自分も含め)地団太を踏んで悔しく思います。
 来年は今年よりも良い年でありますように。
 改めて明年もよろしくご愛顧のほどお願いいたします。
 

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新春を待つ水仙と千両

2018年12月28日 | 水彩画

◇ 庭の水仙と千両を描く

  
      clester F6
   今庭には日本水仙が咲いています。花瓶に生けると独特の上品な香りを漂わせ、
  新春の来訪を伝えます。水仙だけでは寂しそうなので知人にいただいた千両を背
  景に添えてみました。千両も新春を告げる貴重な花実です。

   千両は脇役という位置づけなので彩色は薄めにしました。ただ枝を忠実には描
  かず枝葉を背景に散らしただけなので、中空に浮いている姿がやはり少し気にな
  ります。

   右中ほどの水仙のつぼみは描いているうちにいつの間にか花開いていました。
                             
                             (以上この項終わり)
 

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クライブ・カッスラーの『大陰謀(上・下)』を読む

2018年12月24日 | 読書

◇『大陰謀(上・下)』(原題:THE SPY)

          著者:クライブ・カッスラー(Clive Cussler)
          訳者:土屋 晃2017.6 扶桑社 刊

   
 ダーク・ピットシリーズでおなじみの海洋冒険小説の大家クライブ・カッスラー
の作品。
 ボストンの大銀行後継者の地位を捨てヴァン・ドーン探偵社の主任捜査員となった
アイザック・ベルのシリーズ『大追跡』、『大破壊』に次ぐ第3弾である。
 時代は20世紀初頭、日本が日露戦争に勝って列強諸国がアジアの小国の力に刮目
したころのこと。で登場人物もそれなりに古色蒼然としたところがあるが、アメリ
カの時代小説と思えばよい。

 アメリカが海軍力の強化に乗り出したころで、ドイツ、フランスや日本の諜報員
がニューヨークやフィラデルフィアの軍港で新鋭軍艦の開発状況をスパイしたり開
発を妨害する勢力に対抗するヴァン・ドーン探偵社の活躍ぶりが中心。アメリカで
探偵社といえば19世紀後半に創設されたピンカートン探偵社が有名で、身辺警護だ
けでなく時の政治勢力とタイアップしスト破りや民兵的働きをしたことで知られて
いた。
ヴァン・ドーン社も全米各地に拠点を置くかなり大規模場組織で政府とタイ
アップして諸”悪”と戦っているという位置づけである。

 主人公のアイザック・ベルは長身のダンディな男で、絶世の美人映画製作者マリ
オンと婚約しているが、その前に新鋭戦艦の大砲開発者アーサー・ラングラーの
娘ドロシーが現れて心惹かれる。こんなところは007のジェームズ・ボンドでお
なじみ。ところがせっかくの好条件にもかかわらず、このシチュエーションは全
く発展せず。立ち消え。がっかり。

 一方第一次世界大戦前の欧米各国の軍事力増強を巡る諜報戦が熾烈を極め、キ
ツネとタヌキの騙しあい、殺し合いが交錯するという時代背景があって、米国海
軍の新鋭軍艦や高速魚雷の開発を巡る手に汗握る攻防の活劇が展開され、退屈は
しないものの、敵味方がこんがらがって筋を追うのに苦労することになる。
 ただそのころは大陸横断鉄道が走っており、ニューヨークからシカゴ経由サン
フランシスコ行きの”20世紀号”や”オーバーランド号”という特急の切符が登場し
たり、ニューヨークの港を鉄道フェリーや艀などが縦横に走り回っていたころの
情景描写が楽しい。

 歴史的にこの時点での列強の動きといえば、ドイツと英国は何とかアメリカを
味方につけようと画策する。フランスとロシアは同盟関係にあって、ロシアが英
国に近づくことを警戒している。日本はできるだけ近づかないで勝者の側に就こ
うとしている。
 日本人のスパイとして登場するのはヤマモト・ケンタであるが、なかなか優秀
でベルも対処にてこずる。ただジャップという蔑称が頻出し不愉快になる。

 各国のあの手この手を使った諜報・妨害合戦に手足となって動くアメリカの二
つのギャング組織の面
々との攻防が繰り返されて、いささか食傷気味になってき
たところで、終盤、敵オシェイの手に落ちたホランド潜水艇とベルが操る高速警
備艇ダイナムの熾烈な戦いが交わされ、ベルは潜水艇の中で手ごわい相手の反撃
で一時死神を見たが、九死に一生を得て婚約者マリオンの下に帰る。
                          (以上この項終わり)
 

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師走の大根

2018年12月20日 | 畑の作物

◇ 大根は今も成長過程
 成長の行方を危ぶんでいた庭の菜園の大根。
 何とか直径6~7センチくらいまで成長した。今年も余すところ11日。
果たして並みの大きさまで届くかどうか。

1か月前ー11/21のひ弱なダイコン・小松菜をご参照)

 一緒に育つ小松菜は葉の色がやや猛々しい緑色のなってきた。


 

 

 

 

 

                        (以上この項終わり)

 

 

 

 

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レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』

2018年12月17日 | 読書

◇『プレイバック』(原題:PLAYBACK)
          著者:レイモンド・チャンドラーの(RAYMOND CHANDLER)
          訳者:清水 俊二 1977.8早川書房 刊
                                               
   (ハヤカワミ・ステリー文庫)


 

 ロサンゼルスの私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするの長編連作の一つ。レイモンド
・チャンドラーの遺作である。
 なんといっても作中マーロウのセリフ「タフでなければ生きられない、やさしくなければ…」
で有名。最近村上春樹の新しい翻訳が出て、この箇所がどう訳されているかで興味を持たれた。
筋自体は格別凝ったものではない。

 物語はマーロウがある弁護士から尾行の依頼を受けてロサンゼルス駅にベティという赤い髪
ですらりと背が高い女
を迎えに行くところから始まる。ところがその女性に影のようにまとわ
りついているミッチェルという男がいて、しかもカンザスシティの私立探偵まで現れる。ベテ
ィはわけもなく何かに怯える上に彼女のホテルの居室にミッチェルの死体があるという。行っ
てみたが死体は消えていた…。

 有名なマーロウのセリフ「If I wasn't hard,I wouldn't alive.If I couldn'
t ever be gentle,I woudln't
deserve to be alive.
」は清水俊二氏の第1回の翻訳(1959年)では「しっかりしていなかったら、
生きていられない。やさ
しくなれなかったら、生きている資格がない」とされている。この点
村上春樹訳では「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しく
なれないようなら生きる
に値しない」となっている。
 実はマーロウこのセリフは謎の女ベティの問い「あなたのよう
にしっかりした男が、どうし
てそんなにやさしくなれるの」に応じて答えたもので、村上訳では
一般論というか教訓めいて
いて何ともしっくりこない。「生きのびてはいけない」なんて、いけない。
 原文をどう理解するかは人それぞれだから村上訳もありだとは思うが、前後の文脈からする
と、
私的には「僕なんか強くなかったら生きていられないよ、でもやさしくなれなかったら生
きていてもしょうがないだろう」くらいの受け止め方である。
 「タフでなければ、生きられない…」は生島治郎氏の訳だという。いかにもハードボイルド
らしい受け答えで、広く人口に膾炙して不思議ではない。

 マーロウはタフではあるが硬骨漢で、まさにハードボイルドな男と思っていたら、本作では
なんと二人の女性、依頼人の秘書ヘレンやターゲットのベティとベッドインし情を交わす。あ
まりの柔軟さにあっけにとられたが、マーロウもベティと寝る前に「もう昔ほど若くないんで
ね」と述懐しているので、急に色気づいてきたわけではない。だからシリーズ最後の作らしい
サービスであろう。
                                (以上この項終わり)



 

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