読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

水彩画でお菓子を描く

2024年06月30日 | 水彩画

◇ スイーツ集合

 

 今回の水彩画教室のテーマは「お菓子」。生ものは持ち寄りがむつかしく、
結局干菓子が多くなりました。
 包み紙のセロハン紙、金色や模様入りの包み素材、和菓子の塗り素材、それ
ぞれ光沢や硬軟の素材感が異なり、けっこう気を使います。
 今回は受け皿や和菓子に茶色系が多く気になりますが、水物系もあって、バ
ラエティに富んだ作品になりました。

                        (以上この項終わり)

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J・F・フリードマ ンの『第一級謀殺容疑』<上>

2024年06月26日 | 読書

◇『第一級謀殺容疑』 (原題:AGAINST THE WIND)<上>

   著者:J・F・フリードマ ン(J・F・FREEDMAN)

   訳者:二宮 磬    1991.11 新潮社 刊 (新潮文庫)

    本作はタイトルにある通りいわゆるリーガル・サスペンス(法廷もの)
である。法廷ものと言えばジョン・グリシャム、スコット・トゥローな
どが有名である
が、彼らの作品に決して引けを取らない面白さがある。
それは対象事件の異常さ、法廷での丁々発止のやりとりの面白さもさる
ことながら、主人公の弁護士ウィル・
アレクサンダーのキャラクターが
醸し出す空気がハードボイルド的で、マッチョでありながら時折自虐的
な内心の吐露があったりして
読者を惹きつける。
 作品中段では問題死刑囚が入っている刑務所で暴動が起き、受刑者側
から州側の交渉役にはウィルが付くよう要求された。その事件現場の詳
細が実に迫力満点で語られるやや異色なリーガルサスペンスである。


 物語の舞台はアメリカ中西部ニューメキシコ州サンタ・フェ。ハーレ
ーで旅を続けるあるライーダー集団の4人がテキサス州境近くで州警に
停止を命じられ武装強盗容疑で逮捕された。
 ライダー集団の頭ローン・ウルフは辣腕刑事弁護士として知られたウ
ィルに弁護を依頼する。ウィルは飲酒がらみの素行に問題が多く、弁護
士事務所のパートナーから外されかかっている。金も欲しい。ウィルは
弁護を引き受けた。

 ところが事は一転重大事件に関わってきた。サンタ・
フェの近郊林の
中で男性の惨殺死体が発見された。男性器が切り取られ口の中に押し込
められているという猟奇的事件だった。数日前に市内の酒場でその男に
会っていたと思われる4人組ライダーが第一容疑者として浮上、再逮捕
された。
 世間ではライダーは狂暴で無法者で恐ろしい人間と思われている。ラ
イダーらから状況をつぶさに聞いて、殺しはやっていないという彼等の
言は信用できると感じとったウィルはこの事件の弁護を17万5千ドル
で引き受けた。
 
 ところが細かく状況を聞いていくと4人は酒場である尻軽女と知り合
い、丘の上に連れて行ってかわるがわる性行為を重ねた。合意の上でレ
イプではないという。

 警察は酒場の閉店後バイカーが女を連れて丘の方に出て行った事実を
重視、徹底的に女を探し回り、リタ・ゴメスという女を拘束した。リタ
は丘の上でバイカーらが男を刺し殺したのち頭を撃ったと証言する。州
検事はこの証言をもとに第一級謀殺容疑で大陪審を開く。

 ウィルは3人の優秀な弁護士を選びそれぞれの被疑者を割り当て、弁護
に臨む。ウィルは親玉のローンウルフを担当し、久々の大舞台で被疑者た
ちの無実を証明
すべく奮闘するが、リタはライダー連中に手ひどいレイプ
を受けたという主張が陪審員を強く掴み、詳細な現場目撃証言と検視医の
剖検所見とが正確に符合する検tおの察側主張が壁となって、リタの証言が
ライダー4人の行動と時間的に符合しないとの弁護側の指摘もあえなく、
異例の4日に及ぶ陪審員の協議を経て、結局4人は第一級謀殺で有罪の評
決だった。

 久々の世間の注目を集める裁判で大敗北を喫したウィルは弁護団の女性
弁護士メアリー・ルーとの関係深化を望むも気もそぞろになって、大いに
落ち込む。
 ウィルは自他ともに認める大酒飲み(好みはジョニ黒)で女たらし。謙
虚さに欠け、大げさな感情表現を好むタイプ(本人自認)。
目下妻のパトリシアと離婚協議中で、父親っ子のクローディアと会える時
間を最優先する中年男(40歳)である。
ここまでが上巻。
                       (以上この項終わり)

 

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ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ(下)』

2024年06月15日 | 読書

◇『巨匠とマルガリータ(下)

   著者:ブルガーコフ
   訳者:瑞夫 忠夫    2015.6 岩波書店 刊

  

  <承前>
  巨匠の恋人マルガリータは著名な科学者の妻で裕福な生活をしている。巨匠が消えて
から1年。マルガリータは焼け焦げた巨匠の原稿、彼と映った写真帳などを目の前につ
らいひと時を過ごしたあと、クレムリンの公園で魔術者ヴォラントの使いアザゼッロか
ら魔術師の大舞踏会で女主人として協力して欲しいと頼まれる。この機会を利用して巨
匠に逢えるかもしれないと申し出でを受け入れる。

 全身に謎のクリームを塗ると魔女の力を得た。箒に乗ったマルガリータは空を飛び手
始めに巨匠の作品を悉く否定した批評家ラトゥンスキイの家をぶち壊す。
 モスクワの地でヴォラントに会ったマルガリータは手下の小悪魔らと共に無事に女主
人としての役目を果たす。
 舞踏会の成功に満足したヴォラントはマルガリータに一つだけ望みをかなえてやると
いう。マルガリータは最愛の巨匠に会わせてほしいと頼む。

 ヴォラントの杖の一振りで巨匠が現れ、焼かれた小説の原稿も再現した。
 巨匠の病的症状は改善し、二人は以前巨匠が小説を執筆していたアパート地下の書斎
に戻る。二人は詩人のイワンを病院に訪ねる。
 巨匠が綴るローマ時代のヨシュアの処刑と総督ピラトゥスの話。ピラトゥスはヨシュ
アの処刑が正しかったのか2千年渡ってゴルゴだの丘で悩み続けていたのであるが、巨
匠はマルガリータの勧めでピラトゥスに対し”お前は自由だ、自由だ”と呼びかけて神へ
の負い目から解消してやる。同時に巨匠が抱えてきた永年の不安に満ちた記憶も解消さ
れた。

 ヴォラントの配慮で巨匠とマルガリータは二人の永遠の隠れ家に向かう。

 この作品では魔術師集団の首領ヴォラントは当初魔術を駆使して社会に混乱(悪さ)
を巻き起こす将に悪魔的存在と思わせる存在と認識していたが、大舞踏会の前後から
巨匠とマルガリータの擁護者のような善的存在として行動する。
                             (以上この項終わり)                     

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令和6年のトマト栽培ー3ー

2024年06月14日 | 畑の作物

  生育は順調ー収穫第一号

  その後トマトtの生育は順調で、木によっては第5果迄花をつけています。
 第5果が花を付けたら芯を摘む方が良いとする指導もあります。試しに第6
 果も収穫できるかやってみましょう。
  旅行から帰ってきたら初めて収穫できる実が1個ありました。初収穫です。

  今日は梅干しを漬けました(10キロ)。今年は南高梅は不作で店頭には少
 ししか並びませんでした。ほぼ2カ月、梅酢が上がるのを待ちます。

 
  それぞれ実が大きくなってきています。
  
  
      第1号のトマト

 
  ホーム桃太郎という大玉種です。

                             (以上この項終わり)                        

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ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ(上)』

2024年06月03日 | 読書

◇ 『巨匠とマルガリータ(上)

   著者:ブルガーコフ

   訳者:水野 忠夫   2015.6 岩波書店 刊

   
 近代ロシア文学の巨匠の一人ブルガーコフの代表作。死後26年経って完訳が出版
された。彼の作品はスターリン時代にあって何度も出版が拒否された。大作「巨匠
とマルガリータ」もゴルバチョフのペレストロイカによってようやく日の目を見た
のである。

 出版社は幻想小説とうたっているが、確かに時空の飛躍と奇想天外なシチュエー
ションの展開で気も動転し息もつかせないことしばしばであるが、幻想的というよ
りは創作世界の中に巧みにリアルな世界(当時のロシアにおける政治
的・思想的現実社会)を組み込ませる韜晦の手立てと見ても良いかもしれない。 
 時空の飛躍とパトリョーシカのようなキリスト神話の登場、劇画のような黒魔術
団の暗躍などが軽快かつコミカルな文体で流されて退屈することがない。

 前段階(上巻)では巨匠が描き続けた作品「巨匠とマルガリータ」の中の小説で
エルサレムのゴルゴダの丘でヨシュア(キリスト)を処刑に追いやるポンティウス
・ピラトゥスの苦悩を描いたくだりが第一段、巨匠の愛人となったマルガリータと
の出会いと別離が第二段、黒魔術師ヴォランドと手下の小悪魔らによるモスクワの
某舞台における魔術で紙幣が天上から撒かれ、ドレスや靴・香水などがばらまかれ
街中大混乱に陥るという乱痴気騒ぎが第三段。後ろ脚で立ってロシア語を操る太っ
た黒猫(黒魔術師の手下)の登場に驚く。


 イワンという詩人と、総合文芸誌編集長のベルリオーズがどこからともなく現れ
た黒魔術の専門家と称する外国人(実は悪魔ヴォランド)とキリスト神話に関して
対話することから始まる。”見知らぬ人と口をきくとろくなことにならない”という
格言があるというのに。
 案の定ベルリオーズは後刻電車で轢死し、イワンは悪魔を追跡するうちに精神病
院にいれられる。
 そして時は2千年前、古代ローマ時代に飛ぶ。エルサレムのゴルゴダの丘でヨシュ
ア(キリスト)を処刑したピラトゥスは処刑を悔いて苦悩する(作品中の巨匠の小
説)。
 この小説を描いた巨匠は「キリストを賛美する作家」として編集者、批評家から
激しい攻撃を受ける。彼は著述に悩み精神病院に入れられる。
 裕福な科学者の妻マルガリータは知的で有能な巨匠に惹かれ、キリスト処刑の作
品を是非完成するよう鼓舞するが、ちょっとした隙に巨匠は姿を隠してしまう。

 (この巨匠とマルガリータの関係はまるで作者ブルガーノフとその妻エレーナの立
  場と二重写しに見えてしまう) 

 
                        (以上この項終わり)

 

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