読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

石膏像を描く

2009年02月25日 | 水彩画

白と赤の対比
 22日・日曜日は水彩画教室。
 久しぶりに石膏像を描いた。
 先生は「白い石膏と赤い花のコントラスト(対比)をどう表現するか。」ということ
で石膏像の脇に赤とピンクの花を3本。更に画題対象を描いているイーゼル上
の画板と椅子一脚。
 これらを全部取り込む構図は、ある程度バランスが取れるものの対象物が小さ
くなって、肝心の白と赤の対比が散漫になってしまう。人によっては石膏と花だけ
に絞って構図を構成していたが、とにかく挑戦と全部取り込んだ。

 石膏像は簡単なようで奥深く、「嵌って」しまうとなかなか抜けなくなる、麻薬のよ
うな魅力・魔力があるとか。陰影を如何に捉えるかで表情がまるで違ってしまう。
今回の私の絵は「齢とったヒラリー・クリントンみたい」とも言われた。
 花は赤い色も入れようと思ったが、先生に入れるときつくなりすぎるといわれ、
思い止まった。
 椅子とイーゼルは、もともと脇役の存在に過ぎないので、丁寧には描かない。

 さて白と赤の対比はというと、???。よく分からない。背景のペインズグレイは白
い石膏像を浮き立たせるのに役立った。ピンクの花はポイントにはなったが、左
手の脇役らに負けてはいないか。
 石膏の乗ったテーブルの前面は、塗りたての画面にサランラップを揉みくしゃに
して押し当て、乾いてからはがすと、ごらんのような意図せざる模様が出来た。先
生から教わった技法である。

  
 

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「ばんどり」の語源解明!

2009年02月24日 | その他

ばんどり」の語源
 「なるほど、そうだったのか。」
 積年の疑問が解明され、快哉を叫ぶ気分だった。
 我輩の購読紙は20代から「日本経済新聞」であるが、朝刊の32ページは文
化欄で、連載小説(ただ今高木のぶ子の『甘苦上海』)のほか「私の履歴書」
(ただ今ドトールコーヒー名誉会長鳥羽博道氏)、文化人の随筆などが載ってい
て毎日熟読を欠かせない。
 また九百字ほどのコラムがあって、普段は著名人の「交遊録」であるが、日曜
日は歌人の小池光氏が「うたの動物記」と題して、動物にまつわる短歌をいくつ
か紹介している。2月22日は「ムササビ」について2首紹介されていた。

―「空飛ぶ座布団」の神秘―
 「ムササビ」はご存知のとおり空を飛ぶ。大きさも座布団に近いところから「空
飛ぶ座布団。」少し小振りのモモンガは「空飛ぶハンカチ」と上野動物園の檻に
説明書きがあるとか。

 むささびは木末(こぬれ)求むとあしひきの山の猟夫(さつを)にあひにけるかも
                                      ―志貴皇子―

 三国山木末にすまふむささびの鳥待つごとく我待ち痩せむ ―読み人知らず―

 上の歌は愛の歌。

 さて、ムササビは「バンドリ(晩鳥)」、「ノブスマ(野衾)」、「モミ」、「モモ」、「モモ
ンガ」などと地方によってさまざまな呼び名がある・・・。

 「なるほど、そうだったのか。」
 越後の片田舎で育った我輩が幼少の頃は、農用具に「ばんどり」という背負子
の一種があった。今でも山登りの諸君はアルミ製の軽い背負子を使っていると
思うが、当時は木と枝の骨組みに、藁や木の皮を編んで作った。形は言われて
みればまさに「バンドリ」が両手両足を広げた形にそっくりかも。
 齢七十になんなんとしてついに「ばんどり」の語源にたどり着いた。

推理
 パソコン講座が縁でお知り合いになってブログの「ブックマーク」に登録している
某氏。ご自分で広大な敷地内に井戸を掘ったり、菜園を耕し、花園を作り、
バーベキューコーナーを作るなどし、「ぜひご利用を」とブログで紹介していられ
るのだが、名前、住まいなどを明かさないブログの性格上どこにお住まいかトン
と分からなかった。
 ところが、某日「球根サービス」の記事があり、そこに載った写真で重要なヒント
を発見。某武道館の写真が映っている。もしかしてホームページがあれば住所が
・・・と思ったら。ありました。

今度秘かに訪ね、驚かせよう。

推理小説などで、写真の片隅に映った小さな映像がヒントになって事件が解明
されるなどということはよくあるが、皆様もゆめゆめご油断めさるな。
                                            

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早春・伊豆の海

2009年02月20日 | 国内旅行

伊豆・北川温泉の湯
 忙中閑あり。というよりも何とか連続する2日の空きを見つけて伊豆の北川温泉
を訪ねた。北川温泉自体は初めてであるが、熱川には2度ほど来たことがある。
 今回は三女夫婦が、新生児1ヶ月検診までのほぼ1ヶ月実家に滞在し「面倒を
お掛けしたので・・・」と、立派な心がけに「娘の実家で面倒を見るのは当たり前な
んだから」とは言ったものの、二人の折角の気持ちをむげに断るのも何だね、と
お言葉に甘えることにしたわけだ。一種のお疲れ休み。

 お昼のお弁当を買い込んで(もちろん好みの飲み物も)電車に乗り込んだが、
新幹線や航空機のようなテーブルがない。脇から引き出す方式の小型版はあ
るがはなはだ落ち着かない。
 スーパービュー「踊り子号」には「子供室」がついていて感心した。
 熱川駅の桜(多分「河津桜」)は満開。

    [画像の上でクリックすると大きな画像で見られます。]
      

 宿のバスで北川温泉の「望水」へ。
 全室オーシャンビューが売りもので、2時前に到着し早速Pribate Gazebo
(貸切風呂)へ。穏やかな太平洋を眼前にさわやかな風を受けながらプライベート
な時間を楽しんだ。
 目の前には伊豆大島。右手に利島。手前の海原には大謀網が張られている。

      

    

  夕食は部屋食。
  先ず食前酒。珍しい桜酒は甘すぎずほのかに桜の香りが口中に広がって食欲
 を掻き立てる。
  妻が誕生日を迎えた記念でもあるのでので「バースディプレゼント」のワイン。
  それにもちろん生ビール。
  「伊豆の嵐」称する箸始めは「山芋しんじょとイクラ」
  前菜は春の旬野菜アラカルト「旬のよそおい」10種類くらいの野菜が大根の薄
 い皮で巻かれている。ハーブ塩のほか、わさびマヨ、ゴマ辛子などが添えてある。

       

       

  「果てしなき海の恵み」は金目鯛、鮪、サザエ。地元産の山葵は鮫皮を使った
 本格おろし板で。 
  煮物は「地豚の黒酢煮と修善寺黒米粥」。  
       

  「海鮮石焼」は400度に熱した石の上で海老、とこぶし、しし唐、椎茸などを焼く。
  「海鮮辛味鍋」は伊勢海老の味噌仕立て。
  「遥かなる大地の恵み」と称するは、「金目鯛の煮付けと菜の花」
   
       

  お食事は炊き込みご飯と香の物、止め椀は蛤の吸い物。
  デザートは紫いものムース、果物。

   

  ご紹介ついでに翌朝の食事。
  シラスと大根おろし、温泉玉子、蕎麦、山葵の茎の醤油漬け、サラダは山葵
 ドレッシングで。

  金目鯛の開き。汲み上げ豆腐。写真を撮り忘れた豪快な味噌仕立ての椀は、
 木桶の味噌汁に400度に熱した石を放り込んで沸騰させる。具は伊勢海老と
 10センチほどの烏賊丸ごと、その他の海産物。。ここに地のりをふりかけ食す。
  東京農大小泉教授ならずとも「余りの美味に食が進み、ご飯は2杯お代わりし
 てしまう。」

  ヨーグルトは地元産の「花ゆず」仕立て。なかなか上品なものであった。 

       

      

  朝日はあいにくの雲で天使の階段を見ただけ。

    

  伊豆高原の立ち寄り湯
 
 チェックアウトしてからさてどこに行くか。何年か前に行った伊豆高原駅の立ち寄り
 湯「
高原の湯」へ立ち寄ってみようと普通電車を待つ。49分後だ。ちょっとのん
 びりしすぎかなと思うが、本があるから退屈はしない。熱海まで海岸線を眺める
 ソファ席があって、見ようによっては「スーパービュー踊り子号」より楽しい。おじさんた
 ちグループがお酒を前にわいわいやっている。わが「○○クラブ」の旅行姿を目の
 あたりにしているような錯覚がして愕然とした。

  伊豆高原駅は若者客が多いせいか熱川などより垢抜けしている。
  駅から歩いて10分くらいの所にある「
高原の湯」は閑散としていた。11時半と
 いうのにお客さんは男湯で3人。お陰でゆっくりと湯を楽しめた。
  ここは自然のままの木立の山に露天風呂が3段に設けられていて、趣があっ
 ていいが、なぜ閑散としているか、帰りの駅待合室で分かった。車で15分くらい
 のところに、値段はちょっと高いが別の日帰り温泉が出来たのだ。(「
赤沢温泉
 日帰り温泉館
」)。いくら駅から近いという利点があっても、すぐ近くにホテル、プール、
 テニスなどの施設があり、湯のメニューの多さや、貸切風呂、海辺の露天風呂、エステ
 サロン゛などがあるところと競争するのは無理というもの。受付の叔父さんも売店の
 お嬢さんも手持ち無沙汰で、ちょっとかわいそうな気がする。

  もう桜がほころび始めていた。

  
    

  
  



  

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NIEDと笠間芸術の森公園を訪ねる

2009年02月11日 | その他

つくばの防災科学技術研究所を見学

 コミュニティ活動の一環として筑波学園都市所在の「防災科学技術研究所
NIED)」を見学した。常磐高速を使って丁度1時間で着く。ほぼ600m四方の広
大な敷地に、研究本館のほかスパコン棟、データセンター、大型耐震実験施設、
大型降雨実験施設などが点在している。前身は国立防災科学技術センターで
2001年に独立行政法人になった。地震、火山噴火、水害、地すべり、雪害など
自然災害の基礎研究、防災技術の開発を行っている。
 
 わが一行は地域の防災担当関係者で、見学した大型耐震施設と世界最大規模
の大型降雨実験施設では,コミュニティ防災活動には
直接の関連はないものの、
熱心に説明に聞き入っていた。

 [
画像をクリックすると大きな画像で見られます。]
    
    
    3次元振動発生装置模型  耐震構造実験中     降雨実験施設で

                       
      移動用レール                      降雨用ノズル(524本)

  普通の家2軒くらいを載せられる3次元振動発生装置で、耐震構造ありの家と
 耐震基準前の家を載せて構造実験できる装置は兵庫県三木市にあるそうだ。
 ビデオで実験を見たが百聞は一見に如かず。旧い家は誠にあっけなく崩壊し
 た。我々が見た実験中の家は基礎の耐震構造実験で、あと10分待てば振動
 実験が始まるということであったが、時間の都合で準備状況のみで終わり。

  世界一という大型降雨実験装置は建物が5階建て位の高さで、全体がレー
 ルで移動できる。なぜなら、実際に木を植えたり崖を作って土砂崩れをつくって
 データを集めるのには、降雨装置そのものを実験対象の上まで移動させること
 が不可欠だから。
  一時間50ミリの雨(集中豪雨基準)で車のワイパーは役を果たさなくなるとい
 うが、ここでは200ミリの雨を降らせることが出来るという。

  この後、近くの(といってもつくばから小1時間はかかった。)「笠間芸術の森公
 園
」を見学した。笠間には2度ほど訪れたことがあるが、これほど大きなテーマ
 パークが出来たことは知らなかった。およそ55ヘクタールの広大な地域に、「県
 立陶芸美術館」をはじめ、工芸品販売所センタープラザ、陶の杜などの施設が
 ある。
  丁度センターパークで人間国宝「松井康成」の展示があって、感動的な作品に
 出会った。

  体験工房では殆ど女性ではあったが、みんな熱心に陶芸に取り組んでいた。

    
     
   松井康成 風白練上げ壷     体験工房

           
       体験工房                              登り窯

   
センタープラザでは雛祭りを目前にし、陶製の雛人形を飾っていた。丁度
 孫の雛人形を物色していたこともあり、興味深く鑑賞した。
  伝統的な雛飾りもいいが、こうした雛人形もなかなか魅力がある。

          

       

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和服を着た人物を描く

2009年02月02日 | 水彩画

実物より美しく

 久しぶりの人物画。
 コスチュームといえば、これまでチロル地方の民族衣装、サリー姿のインド人、浴衣の
 婦人、若々しいカジュアルな装いの大学生などいろんな人物を描いてきたが、今
 度は和服。訪問着というのか難しい色合いの衣装で色合いを出すのに一苦労
 した。
  人物を水彩で表現するのは結構難しいと思う。一気に仕上げないと印象が表
 現できない。しかも2時間で仕上げるとなると細部にこだわっている時間がない。
 そうした制約の中で描くことも勉強の一つかもしれない。
 2時間のうち半分はデッサンに取られる。さて彩色の段階になると後ろが迫って
 いて、ついあわててしまってやや雑になるのがいつもの反省点である。
  そうなると着物の柄などはざっと描いて、細かな模様にはとらわれないで行こ
 うと思っていても、振袖(付け下げかも)の裾模様は結構重要なポイントだと思う
 ので、そんなにないがしろに出来ない。時間切れで家で手を入れながら、なかな
 か柄の細部が思い出せず随分悩んだ。きちんと押さえていて省力するのならよ
 いが、最初からうろ覚えでは始末が悪い。
  模様といえば帯も然り。帯や帯紐などは、色合いと模様が売り物だと思うので、
 もっと柄を頭に叩き込んでおけばよかったと思ったが後の祭り。なんとも色合い
 がバランスを欠いているようで後味が良くない。

  顔を正面から描くのは苦手なので避けたら、ポーズの選択で皆さんの意見が
 多いこのポーズになってしまって、もくろみは見事に外れ。「できるだけきれいに
 描いてください。」と、これはモデルさんに対する礼儀なのか。敬意を表して「きれ
 いに」描いた。伏し目がちのポーズだった。
 
  背景色にはまたも躊躇逡巡したが、無難なペインズグレーに。ただし平板になら
 ないように少し手を加えた。

  完成度がいまいちではあるがご覧ください。

  
 

コメント (3)
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