読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

夏の味覚・ぶどうの巨峰と天秀を透明水彩で描く

2013年08月19日 | 水彩画

◇ 栃木・太平山のぶどうを戴いて
  栃木県野木町にお住まいのKさん。今年も太平山近くの下皆川農園のぶどうを送って下さった。
  只今家を新築中で、引っ越しのお忙しい最中にありがたいことです。
  今年は種なし巨峰が不作で、お得意さんだけにしか渡らない状況とか。ほかに天秀という巨峰に
 似た大ぶりの品種とヒムロット・シードレスという、粒はデラウェアくらいだがマスカットのような薄青
 緑色のぶどう。人為的に種なしにしたものではない生来の種なしで皮も薄く食べ易かった。

  巨峰はぶどうの王様と言われるくらいで、描きでのあるぶどうであるが、この濃い深みのある紫青
 系の色がなかなか出せない。また、ぶどう特有の白い粉を吹いたような表面の白も、もしうまく出せ
 れば、ぶどうらしさが際立って嬉しいのだが…。
  初めての品種「天秀」は、熟したものは甲斐路やデラウェア系の色がつくが、十分熟していない粒
 はハニーヴィーナス系の薄青緑色で、種はあるが味わい深く甘みも濃厚。

  鮮やかな色はまず最初にしっかりと色を置く、という鉄則に従ってとりかかったが、どうしても何度か
 塗ることになってしまう。そうするとぶどうらしい鮮やかさ、透明感が失われていくような気がして焦っ
 てしまう。

  この種のモチーフはありきたりの器だと果物の新鮮さがうまく出ないのではと、新聞紙を敷いて適当
 に折りたたみ、しわを付けた。これだと背景色に余り気を使わなくて済み一石二鳥。
  近くの家でぶどうを育てていて、病葉のように妙に変色した葉などがあったので頂いてアクセントと
 して一緒に描いた。


  
    VIFART F8

                                               (以上この項終わり)
   

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リーガルサスペンス『ジェイコブを守るため』

2013年08月17日 | 読書

◇ 『ジェイコブを守るため』 原題: 『DEFENDING JACOB』 
                    著者: ウィリアム・ランディ (William Landay) 
                    訳者: 東野 さやか    
                    早川書房 2013.7.15刊(ハヤカワ・ミステリー)  

  


  日経の書評で5ツ星の推薦だったので早速市の図書館にリクエストし、割と早い順番で回ってきた。
  2段組み523ページで結構ボリュームがあるが3日間で読了した。3日もかかったが気分的には一気
 読みである。
  リーガルサスペンスの巨匠、スコット・トゥローやジョン・グリlシャムなどの最高傑作に匹敵する作品と
 太鼓判を押されただけあって読み応えがある。

  著者は地区検察官補の経験がある。しかし真っ向勝負のリーガルサスペンスは書いて来なかったとい
 う。しかし今回は法廷シーンも過不足なく楽しませる。とはいうものの振り返ると単純なリーガルサスペン
 スではなく、ある種の愛情物語である。特に主人公のアンディ(地区検察官補)が息子(ジェイコブ)の無
 実をひたすら信じて立ち向かう姿や、一抹の不安を抱えながら苦悶する母ローリーの姿がいじらしい。
  最終章(第四部)で意外な展開があって2度驚く(読んでのお楽しみ)。

   子供を持つあなたへ。
  ある日突然我が子が殺人事件の容疑者として指弾されたらどうする。
  まさか、うちの子が、このところ口数が少なくなっってとっつき悪くなったとはいえ、小さい頃から優し
  かったこの子が、殺人を犯したなどと信じられない。絶対何かの間違いだ。警察は一体何をやってい
  るのだ。

   ボストン郊外の小さな町で地元中学の生徒が殺された。有力容疑者となったのは地区主席検事補
 を務めるアンディ・バーバーの一人息子ジェイコブ。
  ジェイコブは殺されたベン・リフキンからいじめを受けていて殺人の動機があり、しかも被害者のパ
 ーカーにはジェイコブの指紋が残っていた。加えてアンディが息子の部屋を探すと凶器とみなされて
 いるナイフと同じようなナイフが見つかった。状況証拠も物証もジェイコブ犯人説を裏付けるものばか
 り。
  それでもアンディと母親のローリーは息子の無実を信じる。
  
  実はアンディの曽祖父、祖父、父共に殺人罪で刑を受けているという殺人の系譜。それまでそのこ
 とを妻には告げていなかったことで二人の間に不協和音が生じる。ローリーはジェイコブにも凶暴な
 性情が潜んでいるのではと疑い始める。裁判に備えて精神鑑定分析を受けてみると専門家からは
 ジェイコブは「自己愛性人格障害」と「反応性愛着障害」の疑いが濃厚と告げられる。 
  殺人遺伝子の系譜を指摘され有罪となる危険がある。そんなこともあってアンディは終身刑で刑務
 所に囚われている父を訪ねる。40年存在自体を拒否してきた父にDNA鑑定に使う唾液組織をもら
 うために。

  実はこの中学校殺人事件では最初に一人の容疑者がいた。保釈中の常習的性犯罪者レナード・
 パッツ。ジェイコブの容疑を完全に晴らすには真犯人を挙げるしかないと休職中の身分をいいことに
 独自で真相究明に奔走する。そして、どうやら真犯人はパッツらしいというところまでいったのだが・・・。 
 
  やがて半年近く経ってから裁判が始まった。凶器など物証の乏しい裁判では状況証拠を巡って検察
 と弁護側で丁々発止の闘いが始まるのであるが、証人尋問を巡る陪審のジェイコブに対する心象は必
 ずしもいいものとはなりそうにもない。 

  ところが、突然レナード・パッツが殺人の告白を綴った遺書と共に首吊り自殺をするという劇的な出来
 ごとが。ジェイコブは起訴取り下げで自由な身になる。
  さて、話はこれで大団円なのか。いやいやそんなことではリーガルサスペンスにはならない。
 本当のこの本の凄さはこれからだと思った方がよい。 

  本書はアメリカで2013年のハメット賞、バリー賞最優秀長編部門、国際スリラー賞最優秀長編部門
 などにノミネートされているとのこと。    

                                                    (以上この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年の梅干しとゆかり完成

2013年08月15日 | ものづくり

南高梅の梅干し・ゆかり
  今年も梅干しを作った。
  梅干しは毎年娘三家族にあてにされている。結構いくつもの手順を踏むので出来上がるまで
 気が抜けず、完成するとやれやれという思うくらい大変なのだが、作らないと歳をとって根気が
 なくなったとか、余計な詮索をされるような気がして毎年作る。来月にはカリフォルニアに住む
 次女のところにも持って行くのだが、向こうの人が見たらこんな酸っぱいくて、しわしわの干し杏
 みたいなもののどこが美味しいのだろうと不審に思われること請け合い。何かの時に梅干しが
 無性に食べたくなる日本人であることの証明である。

  さて我が家の梅干しは先ず5月頃に和歌山のJAみなべ辺りの「樹成り完熟南高梅」の4Lサイズ
 を予約することから始まる。年毎に完熟時期が異なるので発送時期はあちら任せ。

  6月16日に届いた梅は見事な金色に熟していた。昨年は青い梅が多く不満であったが今年は大
 満足。
  これを一旦洗って樽に一晩漬ける。そして乾かした梅を焼酎をくぐらせてやはり焼酎で殺菌した樽
 に漬ける。減塩(重量比10%)だとカビる心配があるので我が家では12%。梅は10kgなので1.2kg
 の赤穂の荒塩(天日塩)をつかう。

  樽の底に塩を敷いて梅を並べ、また塩を撒いて梅を並べる。梅と同程度の重量の重しを乗せて
 雑菌が入り込まないようにビニールシートで密封し、梅酢が上がるのを待つ。

  2週間ほどして梅酢の上がり具合を見る。十分に上がっていたので少し重しを軽くし、後は紫蘇
 の手当て。いつもは紫蘇の葉を手に入れて葉っぱを一枚ずつ外して洗い、柄のところを切って塩
 で揉み灰汁を出す。この紫蘇玉を冷蔵庫に仕舞って、梅酢漬けの時期を待つのが手順である。

  紫蘇玉作りは一番時間を食う。それで今年はたまたま紫蘇を梅酢につけた状態の商品が見つ
 かったので、ちょっと横着をしてその商品(群馬産の紫蘇使用)5袋を使った。
  
  さて関東も梅雨明け宣言が出たことだし土用干しに入るかと一日干したところで悪天候が続いて
 再び樽の中へ。
  漸く本格的な暑さが訪れ、猛暑が続く中で都合4回ほど干してようやく今年の梅干しは完成した。

     

  紫蘇は別の笊で干して「ゆかり」にする。これも結構子供らにも人気がある。何日も干してカラカラ
 にする。それを少量ずつミキサーに入れ砕く(沢山入れるとエンストするし。細かくならない)。

        

  10キロの梅と言っても数にしたら300個にも満たない。それを4家族で公平に分ける。
  
  これで25年度版梅干しづくりは完了。

  (以上この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

透明水彩で描く「ゴーヤの木」

2013年08月13日 | 水彩画

夏の野菜「ゴーヤ」の葉群を描く
   うだるような猛暑の毎日。
  西日が当たるダイニングルームの窓下にゴーヤのプランターを置いてささやかな葉陰を作っている。
  朝食の後何気なく外のゴーヤの葉影と小さな黄色の花を見ているうちに刺激を受けて、2時間ほどで
 描くきあげた。

  昨年はもっと勢いがよく、葉影も重なりが多くて色彩的に変化に富んでいたが、今年はやや勢いに欠
 けほとんど葉の重なりが見られない。その分描きやすいが、単調な色の連なりで面白みがないと言え
 ばない。
  実際はネットを張ってそこにゴーヤ特有のつるひげが絡まって来る。その子枝、孫枝を誘導しながら
 葉影をつくっているのだが、絵では鬱陶しくなるのでそのネットを省略している。
 
  黄色の花にマスキングを施し、全体の色がよく乾いてから右斜め上から薄くセルリアンブルーを刷く
 ように色を置いた。

   絵の下方にある葉群はミョウガである。


  
   
    Clester 8F

  (以上この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

透明水彩でグラジオラスを

2013年08月10日 | 水彩画

◇夏の花「グラジオラス」を描く
  毎日35度近辺の猛暑で、高齢者が多い我が水彩画教室も「お休み」が4人もいた。
 夏の花第2弾で、グラジオラスが登場。
 結構ゴージャスな花で量感があるが、背が高いので数がまとまらないと画面構成が難しい。
 花の色は黄色・オレンジ・赤と3種類あり、緑の葉・茎を入れると色面構成はそれなりにバラ
 ンスが取れる。
 明るい色はきっちりと色を置く。それに合わせて茎や葉に色を置く。背景は花や葉などの色
 と調和するように赤、青、緑を少しづつとりいれて薄く塗った。

 
  
   
    Clester F6

   (以上この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする