読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

新春の花・シクラメンを描く

2019年01月31日 | 水彩画

 新春を彩る花は まずはシクラメン

  
      clester F6
    例年水彩画教室では今頃は花を描きます。トップバッターはシクラメンです。
    今年の鉢花は多分品種としてはピンクウェーブではないかと思います。フリルは
   ありません。
    花弁はどういうわけか勝手な方向に開いていて、あまり規則性がないために形を
   取るのに苦労しました。形がとれないと陰影がつけにくくなります。混みあってい
   る中央部はなんとももやもやとした締まらない姿になってしまいました。

    シクラメンは葉っぱの文様に特徴があるため、これをある程度取り入れないとシ
   クラメンを描いた証明になりません。色を置いた後、硬目の平筆で色抜きしました。

                             (以上この項終わり)
 

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成冨ミオリの『絵はすぐに上手くならない』-デッサン・トレーニングの思考法-

2019年01月28日 | 読書

◇『絵はすぐに上手くならない』-デッサン・トレーニングの思考法-

                  著者:成冨 ミオリ  2015.10 彩流社 刊

  

  10年以上水彩画を描いているのに、一向に満足のいく(納得できる)絵に到達できな
 い現状を嘆いている私は、「ばくぜんとうまくなりたいと思っていませんか?"すぐにう
 まくなりたい!”、“すぐに上手くなるわけがない…”この狭間で苦しんでいる方へ、絵を
 学ぶための思考法を教えます。」という本書の帯のキャッチフレーズにひかれてこの本
 を手に取った。

  本書は「絵を学ぶための思考法」といっているものの、けっこう技術的なトレーニン
 グのことも出てきて、上手な絵を描きたい人のためのいわゆるハウツウもののような部
 分もある。

  「すぐにうまくはなれない」ということは常に作品を作りながらトレーニングを続け
 ることを言っているのだと思う。
  私の絵の師匠(水彩画同好会の指導講師)は「上手な絵を描こうと思うな」とおっし
  ゃるが、この場合上手な絵より人に訴える絵を描けということだと思った。人さまが見
 て「おお、いい絵だな」と思ってもらえる程度までは到達したいとは思っている。

  著者は、絵には上手な絵が描けるための手順とかステップなどはない。常に作品をつ
 くりながら自分の問題点を勉強し克服していけばよいという。まことにその通りで、ト
 レーニングの重要性が強調されるわけである。

  まず冒頭にあげられていることは、絵を描くときに重要なことは対象のものをよく見
 るということ。観察眼を鍛えることである。物や人を正しくしっかり描いていないとみ
 る人に不安感を与えていい絵だと思ってもらえない。まして直接仕事に結びついている
 職業の人にはこれは重要なトレーニングである。

  そして次はデッサン。デッサンは不要論もあるけれども、著者は、デッサンは必須と
 はいわないにしても「自分が欲しい能力を鍛える手段の土台としてとして重要である」
 とする。

  世の中の絵を描く人には、絵を描くこと自体を目的としている人と絵を描くことが仕
 事に結びついている人がいる。いわゆる画家や趣味の絵だけではなく、生活の手段とし
 て絵を勉強している人もたくさんいるわけだ。
  したがって著者は、絵そのものを描くタイプ、絵を使って違うことをするタイプに分
 けてジャンル別に求められる能力の比重まで要素診断できるシートを作っている。
 親切である。自己診断の結果、長所を伸ばすか短所を克服するか行く道を探るのである。

  個々の能力を判断できるように8つの能力に分解している。(センスや個性のような
 感覚はトレーニングはできずむしろ磨いたり掘り起こしたりする別種の感覚として区別
 される)
 1.アイデアの質と量が安定している能力  <アイディア>
 2.感覚と研究の寄って独自性を打ち出す能力  <オリジナリティ>
 3.多くの形を覚えている能力  <形状ストック>
 4.視野角が広く、全体を把握できる能力  <構図構成力>
 5.形を素早く取り、形の狂いを修正できる能力  <形を取る力>
 6.立体感、光と陰影について理解している能力  <立体を把握する力>
 7.線が安定しており、描写のテクニックを会得している能力  <テクニック>
 8.集中力を持続させ、自分自身を管理する能力  <完成させる力>

 <絵のジャンル>
 1.企画アイディア系
 2.映像・写真系
 3.デザイン系
 4.3DCG系
 5.建築インテリア・空間デザイン系
 6.コンセプトアート系
 7.漫画・アニメ系
 8.イラスト系
 9.ファインアート系
 10.具象アート系
 12.美大受験系

  第1章で絵を描く能力について、第2章で描画能力の分解と診断について述べ、さてい
 よいよ第3章トレーニング方法。デッサンやクロッキー、模写等について触れる。さらに
 色のセンスや感覚・感性の磨き方について取り上げており、至れり尽くせりである。

  最後第4章は絵を描くいろんな人たちのショーケース。絵に立ち向かう様々な人たちの
 悩みに対し適切なアドヴァイスをする、いわばケースワーカーとしての立場でまとめら
 れており参考になる。
                             (以上この項終わり)
  
  

 

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越年した庭の大根

2019年01月26日 | 畑の作物

何とか、らしくなった大根
 遅々として育ちが心配された庭の大根は食用には堪えないと収穫はついに越年し
ました。(既報[師走の大根])
 それでも少しづつ大きくなって、あとひと月もたてば直径6・7センチにはなるで
しょう。
 小松菜は当然正月のお雑煮に役立ちました。これから柔らかい新芽が出てまた楽
しめます。

   

   

                                                   (以上この項終わり)

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再び五浦海岸を訪ねて

2019年01月24日 | 水彩画

大津岬灯台と五浦海岸・六角堂をスケッチ
 昨年の夏に茨城県北の勿来の関に近い五浦海岸を訪れましたが、その時
入った五浦観光ホテルの露天風呂がいたく気に入ったので、再び妻と一泊
で訪れました。
 五浦海岸といえば六角堂と岡倉天心抜きでは語れません。そこは前回し
っかりと観光したので、今回はその先にある大津岬灯台まで足を伸ばし、
更に五浦岬公園にある展望震災慰霊塔に昇って太平洋を見渡し、地球が丸
いことを再確認してきました。
 今はあんこうの時期で、あんこう中心の漁師料亭もありましたがパス。

 その際描いたスケッチ3枚をご紹介します。六角堂の絵は海といい岩壁と
いい丁寧さに欠け稚拙だと思います。


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                                     (以上この項終わり)
 

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佐藤亜紀の『天使』

2019年01月18日 | 読書

◇『天使 Der Engel』 佐藤 亜紀  2002.11 文芸春秋社 刊

  

  初出は別冊文芸春秋であるが、単行本の本書の惹句では「堕天使たちのサイキック・ウォーズ」
 とある。堕天使はともかく天賦の異能感覚を持つ者たちが第一次世界大戦前夜ヨーロッパの大国
 間で繰り広げられる熾烈な戦いを描く。

  著者佐藤亜紀の作品は初めてであるが、結構近世ヨーロッパを舞台にした作品が少なくない。
 『1809ナポレオン暗殺』、『バルタザールの遍歴』、『吸血鬼』などがそうである。
  余分な修辞を削いだやや硬質な文章であるが、作品の内容からすると合っている。

  主人公は「感覚」の鋭いジョルジュ(ゲオルク・エスケルス)。育て親が亡くなり孤児として
 路頭に迷う寸前、オーストリア政府顧問官スタイニッツ男爵に拾われて諜報員としては働くこと
 になる。
  ジョルジュは他人の頭の中をこじ開けて何を考えているか察知したり、考えを破壊したり、忘
 れさせたり、五感に大打撃を与えたりする異能をもっている。
顧問官はもちろん、そのスタッフ
 にはジョルジュと同様の能力を持っている者がそろっている。相手にする敵方にもその手の異能
 人がうじゃうじゃいて、そんな彼らが大戦前夜のオーストリア、ドイツ、ロシアなどの大国やハ
 ンガリー、ボスニア・ヘルツエゴビナなど紛争地に密偵として潜入情報を収集し、敵の要人を無力
 化したり工作を提案し実行したり、要するに登場人物はやりたい放題なのでうまい設定をしたも
 のだと思う次第。
  
  作者は通常人が持つ五感とは異なるこうした異能、いわば超能力を「感覚」という言葉で表現
 しているが、我々(私)が普通持っている感覚の概念とは懸け離れているのでどうしても違和感
 が拭えない。むしろ彼らが操る強力な力は「思念」に当たるのではないだろうか。
  実はジョルジュはある貴族(ライタ男爵)の落胤だった。一時幽界をさまようような事態に陥
 ったこともあるが、卓抜した能力で何度も危地をしのぐ。
 
  最終盤。ジョルジュは顧問官に殺し屋集団との取引を命じられて出かけた先でその親玉である
 実の親ライタ男爵に会う。最後の数ページ、強敵メザーリとの戦いが最大の盛り上がり。

                                 (以上この項終わり)
  
 

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