読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

夏の花第二弾「どくだみの花」を描く

2013年06月30日 | 水彩画

どくだみの花
 水彩画教室の夏の花シリーズ第二弾は「どくだみの花」。いつもは夏の花の代表としてアジ
サイが登場するのであるが今回はぐっと地味でドクダミ。
 畑や庭で繁殖力が強くひんしゅくを買う草の代表であるドクダミ。畑でも庭でも、丹念に取り
除くのであるが、ちょっとでも根が残っているとそこから芽を出して蔓延る厄介者である。
 ところが花は白い4枚の花弁で意外と可憐である。また薬草としても火傷や虫刺されに化膿
止め・などに即効で効く優れ物で、蔭干しをして煎じて飲んだり(利尿・便秘)風呂に入れたり
(湿疹・アトピー)して薬効を得ることで珍重される。

 さて、一握りのどくだみは葉が多く、色合いも違うので苦労するし、花の白色をしっかりと描く
にはマスキングを用いたり背景色をやや濃い目にして白い花弁を引き立たせるなど工夫が
必要である。
 マスキングを剥がすタイミングが重要で、最後の最後まで我慢する必要があるが、これで
おしまいと思って剥がしてしまってから、背景色が不満でやり直しをしようとしてもマスキング
の働きが失われてほぞをかんだことが何度もある。

      
     CLESTER F6

     (以上この項終わり)

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初夏の花アルストロメリアを描く

2013年06月28日 | 水彩画

アルストロメリアを描く

   
      VIFART F8

  庭に繁殖したアルストロメリア。何度か季節の花として仏壇を飾ってもらったが、たまには
 額縁に収めてと思って描いてみた。微妙な色合いで、オペラとバーミリオンヒュー、パーマネ
 ントマゼンタの混色であるが、現物はもっとちょっと色が淡い。
  仕上がりはやや平板で、後ろ側の花などはもっとあっさりと描いて立体感を出した方がよ
 かったかもしれない。
  背景は葉の色に合わせてビリジアンを主体にしてインディゴを少し混ぜた。
 全体としておよそ3時間の作品。

 (以上この項終わり)

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宮部みゆきの大作『ソロモンの偽証(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ部)』を読む

2013年06月11日 | 読書

宮部みゆき久々の大作

    

  このところ宮部みゆきの作品は時代小説を目にすることが多かったせいか、しばらく遠ざ
かっていたが、この度妻が『ソロモンの偽証』を借りて来たので便乗し読んだ。作品そのものは
「小説新潮」に2009.9号~2011.11号まで連載されたが、この度単行本として出版された。

 構想15年。作家生活25年の集大成というだけに、さすが女流作家の第一人者の作品である。
 第Ⅰ部(事件)、第Ⅱ部(決意)、第Ⅲ部(法廷)までそれぞれ細かい字で700ページを越える
大作で、飽きさせることがない。
 内容的には主人公群が中学生で舞台も学校なので、学園ものと言ってしまえばそうなのだが、
単純な学園小説ではない。ミステリーとして最後まで謎を残し、第Ⅲ部の終章で真相が明らか
になる。とくに第Ⅲ部は法廷が舞台であり、その意味では法廷ミステリーだと思う。

 舞台となっている城東第三中学の二年B組。主人公の藤野や柏木や井上、東都大付属中学
の神野など。確かに優秀な生徒なのだが、彼らが口を開くと、まるで高校生どころかヘタをする
と大学生でもたじたじとなるような難しい論理的な話をする。おいおい、いまどきの中学生がこ
んな言葉をほんとに口にするのかいと思うのだが、作者がこの小説で訴えたいことを読者にす
っきりとわかってもらうには、主人公たち(複数である)にここまできっちりと語らせないと十分に
伝わらないからであろう。その辺は語りの名手はお得意である。

 展開がミステリックとはいうものの第Ⅱ部で大体先が(犯人が)読めたし、でどんでん返しと
か二転三転する展開でもないので、宮部みゆきの作品としてはあきたらない人がいるかもしれ
ない。しかし、不可解なもの不条理なものに疑問を抱き煩悶する時期の少年とそれを取り巻く
同級生たちとの交流・確執、周辺の大人たちの対応などが的確で、環境・状況設定も巧みであ
る。彼らのやり取りとストーリーの展開が面白い。

 雪の降るクリスマスイブの深夜、一人の中学2年生の男子生徒が屋上から墜落死した。
自殺か、事故死か、はたまた他殺か。 生徒、教師、保護者をはじめ学校内外は揺れに揺れる。
死亡した柏木卓也は、しばらく前に大出俊次らならず者グループの3人組とトラブルがあって、
そのあと不登校になっていた。
 警察は諸状況から自殺とみて学校側もその線で収束を図ったが、大出らの報復殺人ではとの
噂が流れ、やがて3年生となり受験期を迎える生徒としては真相を明らかにしなければおちおち
と受験など出来ないと、藤野涼子は野田健一や井上康夫、東都大付属の神野和彦らと共に「学
校内法廷」を設け、真実の解明を目指すことを決意する。
 証人となった人たちの口から意外な事実が次々と明らかになっていく。学校長、学年主任、用
務員、所轄の青少年担当、柏木夫妻、柏木卓也の兄宏之、大出俊次と手下の井口と滝沢、嘘
の告発状を書いた三宅樹里、TV ジャーナリストの茂木等々。
 そして最終弁論前に検事役藤野涼子が証人として召喚したのは、弁護人役で柏木卓也と友人
だった神野和彦。彼が明かした新事実とは・・・。

 『ソロモンの偽証』とは何か。
ソロモンとは古代イスラエルの王ソロモンのこと。知恵者の象徴とされているが、はて作中誰
をもってソロモンとするのか。そしてその偽証とは。
 思わせぶりなタイトルについて作者自身が語っている。 
「 最も知恵ある者が嘘をついた。
 最も権威や権力をもつ者が嘘をついた。
 最も正しいことをしようとする者が嘘をついた。そのどれなのかなということを読者自身で探っ
て欲しい。」

裁判の本質を、加害者と被害者の関係性の修復システムとしてとらえる考え方がある。法律
事務所で働いたことのある作者は、本書の学校内裁判の中で「検事とと弁護人という本当の裁
判にある対立関係ではなくて、関係者の証言を通して真実を明らかにしたい」と藤野涼子をして
言わしめているのは、まさにこのことを言いたかったからではないかという書評があった。

(以上この項終わり)

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池井戸潤の『七つの会議』

2013年06月08日 | 読書

◇ 『七つの会議』 著者: 池井戸 潤  2012.11 日本経済新聞出版社 刊

    

  初出が日本経済新聞電子版(2011.5.2~2012.5.21)とある。単行本化で大幅な加筆修正があった。
  企業小説というジャンルがあるが、これもその一つだろう。職場小説という見方もできる。

  小説の舞台は、「東京建電」という某大手総合電機メーカーの子会社である。当然役員、幹部の一部に
 親会社派遣のお目付け役がいて、生え抜きの社員・役員との確執が日常茶飯事。もちろん社員・役員の
 中には、会社の利益のためならそして自身の出世のためならば多少の悪事は意に介さない手合いもい
 るし、誠実を旨に正しく生きようと努力してる社員もいる。そんななか、営業目標(ノルマ)達成至上主義
 を指弾する社内告発がでた。コスト削減のために強度不足を承知で規格を外れた部品を発注した営業
 課長の悪事が露見したのである。リコールに動けば膨大な費用を伴い会社の存続が危うい。リコールか
 隠蔽か。どこの職場・会社にも見られるドロドロした足の引っ張り合いや駆け引きがまきおこる。
 
  『七つの会議』という題名がすっきりしない。確かに会社には役員、各部署の毎週・毎月の定例会議、営
 業と経理の定例会議などがいくつもあって、会議を経ると一安心といったようなところもあるが、「会議」が
 本の主題とも見えない。この中では広報誌の編集会議、職場環境会議、パワハラ委員会、不正発注調査
 委員会、営業部内の会議、営業・経理との計数会議、幹部役員の会議(御前会議)なども出てくるの、で数
 えれば七つにはなるかもしれないが、会議自体に大きな意味を持たせているわけでもない。本の帯に「筋
 書きのない会議(ドラマ)がいま、始まる―」とあるが、ちょっと無理がある。副題に「The Seven Conferences」
 とあるのでまさに会議を指しているのであるが…。
  ま、それはどうでもよいが、面白いのは登場人物が単にキャラクターだけでなく、その依って来たる所以
 つまり生い立ちが細かに説明され、いま在る彼(彼女)の行動・処生の規範たる価値観・世界観が生まれた
 背景を説明して、単なる企業小説に終わらせていないところだろう。

 (以上この項終わり)

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畑の作物は今・・・

2013年06月07日 | 畑の作物

ジャガイモ
  木はすっかり枯れていつ掘ってもよい状態。試し掘りをしてみました。
  去年の半分くらいの大きさと量でがっかり。不作です。

    

トマト
  かなり大きくなりました。
  一番果がしっかり育たないとそのあとの着果はおぼつかないそうです。
  雨の跳ね返りによる病害を防いだり、水分蒸発を防ぐために敷藁をしました。

     

オクラ
  まだこんなに小さいのに花をもって…。早熟。

  

インゲン
  間もなく花芽がでるか。

     

  (以上この項終わり)

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