読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

堂場瞬一のスポーツ青春小説『マスク』

2012年07月26日 | 読書

◇ 『マスク』   著者: 堂場 瞬一  2002.4 集英社 刊

  

  堂場瞬一の作品はこれまで警察ものを主に読んでいたが、ちょっと興味をひかれて手に取った
 単行本が『マスク』。読んでみると「ん?」という感じではあるが、これは「スポーツ青春小説」とい
 う分類に入るらしい。

  妻子を捨ててメキシコに渡り、ルチャドール(日本でいうプロレスラー)を生きた父が死んだ。
  今ルポライターとなっている息子はメキシコの暮らした小さな町の赴き父の半生を知る。
  小さいころに捨てられた息子は父親に対しそれなりのわだかまりがある。しかし町の人たちから
 父の思い出を聞き回るうちに、傑出したルチャドールとして英雄視されている父と日本に残した妻
 と息子への切ない想いを知ることになる。
  かつての友人や関係者はレオンの息子を立てて、偉大なるルチャドール「レオン」の追悼試合を
 開こうということになる。

  解説者荒木則雄氏は「近年これほどラストシーンの描写に長けた新人作家を私は知らない」と絶
 賛しているが、果たしてそうか。

 (以上この項終わり)
 

コメント (2)
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