読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

諸田玲子の時代もの『かってまま』

2012年07月27日 | 読書

◇ 『かってまま』  著者: 諸田 玲子   2007.6 文芸春秋社 刊

    

  かってままとは、勝手まま、我がままのことか。
  旗本の娘奈美江は小石川正行寺の願哲という僧と不義を犯した。家族は他聞をはばかり
 子は「さい」と名付けられて侍女伊代の子として育てられるが、長ずるにつれて数奇な運命
 をたどり、最後は引手茶屋の女将に。人気歌舞伎作者鶴屋南北といい仲になるがお六こと
 さえは姿を隠し行き方しれずとなる。
  この間の多くの人との出会いと、さいをめぐるいくつもの事件が7つの話で語られる。

  諸田玲子は『お鳥見女房』シリーズを初め『氷葬』、『誰そ彼れ心中』など多くの時代小説を
 ものしているが、日経新聞に連載した『奸婦にあらず』で感銘を受けた。時代小説では傑出し
 た女流作家の一人と思う。
   
 (以上この項終わり)

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