JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

漂流しかかっているTPP今こそ撤退を

2014年07月30日 | Weblog
農民連(農民運動全国連合会)の発行する、雑誌「農民」臨時増刊号に安倍『農政改革』総批判が緊急特集として掲載されています。TPP撤退や奈良県農民連での青年の新規営農支援などの実例が紹介されています。
 

農業と農村を破壊する
………安倍「農政改革」
愛媛大学客員教授 村田武
 危険なTPP交渉から
 一日も早く撤退せよ
 環太平洋連携協定(TPP)交渉は、2014年2月22日からシンガポールで開催された閣僚会合でも大筋合意にいたらず、実際のところ漂流しかかっています。というのは、交渉をリードしてきたアメリカでしたが、議会がオバマ大統領に「大統領貿易促進権限法(TPA)」で交渉権限を与える代わりに、農産物貿易について「交渉相手国の関税をアメリカの当該品目の関税
と同じかそれより低い水準に削減する」と明記し、オバマ政権が交渉を妥結させるために交渉相手国にそれなりの譲歩をすることがむずかしくなっているからです。
 日本共産党の紙智子議員は2月7日の参議院予算委員会で、表1のよう、アメリカの主要農産物の関税率が日本とけた違いに低い事実を示し、安倍政権に「日本が早期に交渉をまとめようとすれば、アメリカの主張に乗ることになるではないか」と迫っています。
 危険であるのは、安倍首相が靖国神社参拝を強行してオバマ政権から「失望した」との圧力を受けるなかで、聖域」だとするコメなど重要5項目を守るどころか、税全廃を約束することで
オバマ政権に恩を売り、ぎくしゃくした日米関係の修復を図ろうとするのではないかということです。
4月下旬のオバマ大統領訪日の引出物だとばかりに、安倍首相の「最終決断」で結着させられてはたまったものではありません。一日も早く交渉から撤退させなければなりません。

村田武(むらた・たけし)
(しんぶん赤旗)2014年2月8日)
1942年福岡県生まれ。 1969年京都大学大学院経済学研究科博士課程中退。大阪外国語大学助教授、金沢大学教授、九州大学教授、愛媛大学教授を経て、2008年より現職。著書は『食料主権のグランドデザイン』(共著、農文協、2011年)など。